グレイザーさんは、1977年、不況と治安の悪化に苦しんでいたニューヨーク州が観光客誘致のために行ったキャンペーンで、「アイ」と「ニューヨーク」の間にハートマークを挟んだ「アイ・ラブ・ニューヨーク」のロゴを生み出しました。このロゴは、2001年のアメリカ同時多発テロ事件の直後には消防士がヘルメットにつけている姿が見られるなど、ニューヨークの象徴的な存在となりました。
また、グレイザーさんは、自身が立ち上げに関わった雑誌「ニューヨーク・マガジン」のロゴや、アメリカで愛されるクラフトビールのマークを手がけたことなどでも知られています。
2009年には、当時のオバマ大統領から、芸術分野で活躍した個人に政府から贈られる最高栄誉「アメリカ芸術勲章」を、グラフィックデザイナーとして初めて授与されました。晩年、グレイザーさんは、トランプ大統領の登場に懸念を示していました。
アメリカメディアによりますと、グレイザーさんは、26日、91歳の誕生日に脳卒中のため亡くなったということです。