マネックス証券しょうけんの塚本つかもと憲弘のりひろインベストメント・ストラテジーズは「先月せんげつの日銀にちぎんの政策せいさく修正しゅうせいの発表はっぴょうは突然とつぜんで、事前じぜんには否定ひてい的てきだった利上りあげに匹敵ひってきするような政策せいさくが出でてきた。しかし日銀にちぎんは利上りあげではないと説明せつめいしており、マーケットと日銀にちぎんとの対話たいわがずれていて十分じゅうぶんにできていない。市場しじょうの売うり圧力あつりょくが勝まさり長期ちょうき金利きんりは0.5％を上回うわまわる状況じょうきょうで、日銀にちぎんは金利きんり上昇じょうしょうを抑おさえ切きれていないという印象いんしょうだ」と話はなしています。

真っ先まっさきに気きになるのが住宅じゅうたくローンの金利きんりへの影響えいきょうです。

住宅じゅうたくローンの金利きんりは大おおきく分わけて、固定こてい型がたと変動へんどう型がたがありますが、このうち固定こていの金利きんりは、10年ねんものの長期ちょうき国債こくさいの金利きんりが指標しひょうになっています。

このため、長期ちょうき金利きんりが上昇じょうしょうすると、それに連動れんどうする形かたちで金利きんりが上あがる可能かのう性せいがあります。

実際じっさい、先月せんげつ、日銀にちぎんが金融きんゆう緩和かんわ策さくを修正しゅうせいし、長期ちょうき金利きんりが上昇じょうしょうしたことを受うけ、大手おおて銀行ぎんこう各行かくこうは、今月こんげつから適用てきようする10年ねん固定こていの金利きんりを引き上ひきあげました。

銀行ぎんこうによっては引き上ひきあげ幅はばが14年ねん7か月かげつぶりの大おおきさになるなど、大幅おおはばな引き上ひきあげとなりました。

日銀にちぎんは連日れんじつ、大量たいりょうに国債こくさいを購入こうにゅうし、これ以上いじょうの長期ちょうき金利きんりの上昇じょうしょうを容認ようにんしない構かまえを見みせていますが、今後こんご、仮かりに長期ちょうき金利きんりの一段いちだんの上昇じょうしょうを容認ようにんした場合ばあいには、住宅じゅうたくローンの固定こてい金利きんりがさらに上あがる可能かのう性せいもあります。

また、長期ちょうき金利きんりの上昇じょうしょうを受うけて、一部いちぶの銀行ぎんこうの間までは、大だい企業きぎょう向むけの融資ゆうしの基準きじゅんとなる金利きんり「長期ちょうきプライムレート」を引き上ひきあげる動うごきが出でています。

この基準きじゅんを参考さんこうにした融資ゆうしの規模きぼは大おおきくはないものの、長期ちょうき金利きんりの上昇じょうしょうは、個人こじんだけではなく企業きぎょうの資金しきん調達ちょうたつにも影響えいきょうを与あたえる可能かのう性せいがあります。