総務そうむ省しょうによりますと、1981年ねん当時とうじは第だい2次じオイルショックの影響えいきょうが続つづいていて、原油げんゆ価格かかくの高騰こうとうを要因よういんとした光熱こうねつ費ひの値上ねあがりなどが続つづいていました。

ただ、物価ぶっかが上昇じょうしょうしても働はたらく人ひとの賃上ちんあげの水準すいじゅんはそれを上回うわまわっていました。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうによりますと、1981年ねんの平均へいきんの実質じっしつ賃金ちんぎんは、従業じゅうぎょう員いん30人にん以上いじょうの事業じぎょう所しょを対象たいしょうにした調査ちょうさで前まえの年としと比くらべてプラス0.6％でした。

一方いっぽうで、去年きょねん11月つきの実質じっしつ賃金ちんぎんは従業じゅうぎょう員いん5人にん以上いじょうの事業じぎょう所しょが対象たいしょうとなり調査ちょうさの方法ほうほうは異ことなりますが、速報そくほう値ちで前まえの年としの11月つきを3.8％下回したまわり8か月かげつ連続れんぞくでマイナスとなっています。

実質じっしつ賃金ちんぎんのマイナスが続つづくと消費しょうひマインドが冷え込ひえこみ、個人こじん消費しょうひなどへの悪あく影響えいきょうが懸念けねんされます。

ことしの春闘しゅんとうは来週らいしゅうから事実じじつ上じょうスタートしますが、賃上ちんあげの動うごきがどこまで広ひろがるのかが焦点しょうてんとなっています。

「帝国データバンクていこくで-たばんく」の調査ちょうさによりますと、来月らいげつに値上ねあげが予定よていされている食品しょくひんや飲料いんりょうは4283品目ひんもくと、去年きょねん10月つきに次つぐ多おおさとなっていて、再ふたたび値上ねあげラッシュになるとしています。

また、今月こんげつから4月つきまでに値上ねあげする品目ひんもくを合あわせると、再さい値上ねあげや価格かかくを変かえずに内容ないよう量りょうを減へらす「実質じっしつ値上ねあげ」を含ふくめて累計るいけいで7390品目ひんもくとなっています。

これは去年きょねんの同おなじ時期じきと比くらべておよそ1.6倍ばい増ふえています。

シンクタンクでは、価格かかく転嫁てんかが十分じゅうぶんに進すすんでいるとは言いえず、去年きょねん分ぶんのコスト増加ぞうかを持ち越もちこす形かたちで値上ねあげの動うごきは続つづくと分析ぶんせきしています。

また、ことしの春闘しゅんとうについて「各かく企業きぎょうの支払しはらい能力のうりょくを踏ふまえながら、個別こべつに労使ろうしが交渉こうしょうし合意ごういしたうえで決定けっていされるべきものだが、最大限さいだいげんの賃上ちんあげを期待きたいしたい」と述のべました。