マスク着用どうなる？新型コロナ原則今春「5類」移行検討で - Easy News

新型しんがたコロナの感染かんせん症しょう法ほう上じょうの位置いちづけについて、岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは、原則げんそくとしてことしの春はるに、季節きせつ性せいインフルエンザなどと同おなじ「5類るい」に移行いこうする方向ほうこうで検討けんとうを進すすめるよう、加藤かとう厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんらに指示しじしました。屋内おくないでのマスク着用ちゃくようの扱あつかいについても検討けんとうしていく方針ほうしんですが、一般いっぱんの人ひとのマスクへの考かんがえはさまざまです。

NHK世論せろん調査ちょうさ “「できるだけ着つけたままにする」が27％”

NHKは、去年きょねん（2022）11月つき1日にちから12月つき6日にちにかけて全国ぜんこくの18歳さい以上いじょう3600人にんを対象たいしょうに郵送ゆうそう法ほうで世論せろん調査ちょうさを行おこない62.9％にあたる2266人にんから回答かいとうを得えました。

▼感染かんせん拡大かくだいが収束しゅうそくして屋内おくないや人混ひとごみでマスク着用ちゃくようが求もとめられなくなった場合ばあいにどうするか訪たずねたところ、

◇「感染かんせん拡大かくだいが起おきる前まえのように外はずす」と回答かいとうした人ひとが23％、

◇「基本きほん的てきには外はずすが感染かんせん拡大かくだい前まえよりは着つける機会きかいを多おおくする」が47％、

◇「できるだけ着つけたままにする」が27％でした。

男女だんじょ別べつにみると男性だんせいは

◇「基本きほん的てきには外はずすが感染かんせん拡大かくだい前まえよりは着つける機会きかいを多おおくする」が最もっとも多おおく45％、

◇「感染かんせん拡大かくだいが起おきる前まえのように外はずす」が30％、

◇「できるだけ着つけたままにする」が23％でした。

女性じょせいでは

◇「基本きほん的てきには外はずすが感染かんせん拡大かくだい前まえよりは着つける機会きかいを多おおくする」が最もっとも多おおく48％、

◇「できるだけ着つけたままにする」が31％、

◇「感染かんせん拡大かくだいが起おきる前まえのように外はずす」が16％でした。

▼「着つける機会きかいを多おおくする」「できるだけ着つけたままにする」と回答かいとうした人ひとにその理由りゆうを訪たずねたところ、

◇「感染かんせん対策たいさくなど衛生えいせい上じょうの理由りゆうから」が90％、

◇「素顔すがおをさらしたくないなど見た目みための理由りゆうから」が7％でした。

マスクの着用ちゃくようで感染かんせん拡大かくだい抑おさえられたとする研究けんきゅう結果けっか

新型しんがたコロナウイルスは症状しょうじょうが出でる前まえや無む症状しょうじょうで感染かんせんしたことに気きづいていない場合ばあいでもウイルスを排出はいしゅつして感染かんせんを広ひろげるおそれがあるため、屋内おくないで人ひととの距離きょりがとれない場合ばあいや距離きょりが取とれても会話かいわをする場合ばあいはマスクの着用ちゃくようが推奨すいしょうされてきました。マスクの着用ちゃくようで実際じっさいに感染かんせんの広ひろがりが抑おさえられたとする研究けんきゅう結果けっかも出だされています。

【感染かんせんは主おもに飛ひまつで】

新型しんがたコロナウイルスは主おもに、感染かんせん者しゃがせきやくしゃみ、それに会話かいわなどの際さいに排出はいしゅつする飛ひまつ、それに「エアロゾル」や「マイクロ飛ひまつ」と呼よばれるごく小ちいさな飛ひまつを通をつうじて感染かんせんが広ひろがります。

【発症はっしょう前まえに感染かんせんさせる】

症状しょうじょうが出でる前まえから感染かんせんが広ひろがることは、世界中せかいじゅうで感染かんせん拡大かくだいが始はじまった初期しょきからわかっています。

2020年ねん1月つきから3月つきにかけてシンガポールの研究けんきゅうグループが243人にんの感染かんせん者しゃを調査ちょうさした結果けっかによりますと、7つのクラスターで自覚じかく症状しょうじょうが無ない人ひとから感染かんせんが広ひろがり、感染かんせんした日ひが特定とくていできた4つのクラスターでは最初さいしょに感染かんせんした人ひとが発症はっしょうする1日にちから3日にち前まえに周まわりの人ひとも感染かんせんしていました。

また、中国ちゅうごくの広州こうしゅう医科いか大学だいがくのグループが2020年ねんに各国かっこくから報告ほうこくされたデータを分析ぶんせきしたところ、感染かんせんの44％は最初さいしょに感染かんせんした人ひとが発症はっしょうする前まえの段階だんかいで起おきているとみられることがわかりました。

最初さいしょに感染かんせんした人ひとが発症はっしょうする2日にち前まえから1日にち後ごに感染かんせんが広ひろがっているケースが多おおいとしています。

こうした研究けんきゅう結果けっかを受うけて、厚生こうせい労働ろうどう省しょうは新型しんがたコロナウイルスに感染かんせんした人ひとが他たの人ひとに感染かんせんさせる可能かのう性せいがある期間きかんは「発症はっしょうの2日にち前まえから発症はっしょう後ご7日にちから10日間にちかん程度ていど」で「発症はっしょうの直前ちょくぜん・直後ちょくごで特とくにウイルス排出はいしゅつ量りょうが高たかくなると考かんがえられる」としています。

【無む症状しょうじょう者しゃからも感染かんせん】

また、感染かんせんした後のち、症状しょうじょうが出でない人ひとからも感染かんせんが広ひろがることもわかっています。

症状しょうじょうが出でた人ひとより感染かんせんを広ひろげる可能かのう性せいは低ひくいもののオミクロン株かぶでも無む症状しょうじょうの人ひとから感染かんせんが広ひろがることが報告ほうこくされています。

国立こくりつ感染かんせん症しょう研究所けんきゅうじょが去年きょねん（2022）1月つき、オミクロン株かぶに感染かんせんしたあと無む症状しょうじょうだった20人にんを対象たいしょうに、感染かんせん性せいのあるウイルスが検出けんしゅつされる期間きかんを調しらべたところ、感染かんせんの判明はんめいから▽0日にちから5日にち目めでは9人にん、▽6日にち目めと7日にち目めでは2人にんからウイルスが検出けんしゅつされたということです。

こうしたことからマスクの着用ちゃくようは、感染かんせん者しゃ本人ほんにんが感染かんせんを自覚じかくしないまま、ウイルスが広ひろがるのを防ふせぐために効果こうか的てきだとして推奨すいしょうされてきました。

【マスクには効果こうか】

マスクの着用ちゃくようで実際じっさいに感染かんせんが広ひろがるのを防ふせぐ効果こうかがあったことを示しめす研究けんきゅう結果けっかも出だされています。

アメリカのハーバード大学だいがくの研究けんきゅうグループはマスクの着用ちゃくよう義務ぎむが解除かいじょされた地区ちくの学校がっこうと着用ちゃくようが続つづけられた地区ちくの学校がっこうで感染かんせんの頻度ひんどを比較ひかくした結果けっかを去年きょねん（2022）国際こくさい的てきな医学いがく雑誌ざっしに発表はっぴょうしました。

それによりますと、子こどもと教員きょういんの感染かんせん状況じょうきょうを比較ひかくしたところ、▼着用ちゃくよう義務ぎむを解除かいじょした地区ちくではおよそ3か月かげつ半はんの間まに感染かんせんしたのは1000人にんあたり134.4人にんに上のぼりましたが、▼着用ちゃくようを続つづけた地区ちくでは66.1人にんと少すくなくなっていました。

研究けんきゅうグループはマスクの着用ちゃくようで子こどもたちの学習がくしゅうや発達はったつが妨さまたげられる明確めいかくな証拠しょうこはなく、感染かんせん者しゃ数すうを抑おさえ欠席けっせき日数にっすうを減へらす効果こうかがあり、感染かんせん拡大かくだいの際さいには有効ゆうこうな手段しゅだんだとしています。

専門せんもん家か会合かいごう “感染かんせんリスク高たかい機会きかいがあった人ひとは着用ちゃくようを”

マスクの着用ちゃくようについて、厚生こうせい労働ろうどう省しょうの専門せんもん家か会合かいごうのメンバーなどは今月こんげつ11日にちの専門せんもん家か会合かいごうに提出ていしゅつした見解けんかいの中なかで、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん症しょう法ほう上じょうの位置いちづけが変かわった場合ばあいでも、感染かんせんリスクの高たかい機会きかいがあった人ひとなどはまわりに感染かんせんさせないために引き続ひきつづき着用ちゃくようが求もとめられるとしています。

見解けんかいの中なかでは、▼感染かんせん者しゃや症状しょうじょうのある人ひと、▼濃厚のうこう接触せっしょく者しゃなど感染かんせんリスクの高たかい機会きかいがあった人ひとについては、人ひとと会あう外出がいしゅつを控ひかえるともにマスクの着用ちゃくようが求もとめられるとしています。

▼それ以外いがいの人ひとたちについては、流行りゅうこう状況じょうきょうや場面ばめんに応おうじて十分じゅうぶんな換気かんきを含ふくめた感染かんせん予防よぼう対策たいさくが求もとめられるとして、例れいとして高齢こうれい者しゃ施設しせつなどでマスクを着用ちゃくようすることなどを挙あげています。

東邦とうほう大学だいがく舘田たてだ教授きょうじゅ「状況じょうきょうに応おうじメリハリつけた対応たいおうを」

見解けんかいをまとめた専門せんもん家かの1人にんで東邦とうほう大学だいがくの舘田たてだ一博かずひろ教授きょうじゅは「これまでの対策たいさくで不ふ織お布ぬのマスクを正ただしく着用ちゃくようすることで新型しんがたコロナの広ひろがりを効果こうか的てきに抑制よくせいできることが示しめされてきた。新型しんがたコロナの感染かんせん症しょう法ほう上じょうの位置いちづけが見直みなおされても▽重症じゅうしょう化かリスクのある高齢こうれい者しゃや基礎きそ疾患しっかんのある人ひとと一緒いっしょにいる場合ばあいや

▽長時間ちょうじかん、換気かんきの悪わるい場所ばしょで大勢たいせいでいる場面ばめん、▽大おおきな流行りゅうこうが起おきている時期じきはマスクを着用ちゃくようするなど、状況じょうきょうに応おうじてメリハリをつけた対応たいおうが求もとめられる。感染かんせんリスクを想像そうぞうしながらリスクを下さげる行動こうどうを一人ひとりひとりがとる“マスクエチケット”のような意識いしきをこれまで以上いじょうに持もってもらう必要ひつようがあると思おもう」と話はなしています。