大相撲初場所大関貴景勝が優勝 3年前の11月場所以来3回目 - Easy News

大だい相撲すもう初はつ場所ばしょは千秋楽せんしゅうらく、大関おおぜき貴き景勝けいしょうが結むすびの一番いちばんで平幕ひらまくの琴きん勝かち峰ほうに勝かって、3年ねん前まえの11月つき場所ばしょ以来いらい3回かい目めの優勝ゆうしょうを果はたしました。

初はつ場所ばしょの優勝ゆうしょう争あらそいは、14日にち目めを終おえて大関おおぜき貴き景勝けいしょうと平幕ひらまくの琴きん勝かち峰ほうが3敗はいで並ならび、おととし名古屋なごや場所ばしょ以来いらいとなる千秋楽せんしゅうらくの相あい星ほし決戦けっせんとなりました。

注目ちゅうもくの結むすびの一番いちばんは、貴き景勝けいしょうが琴きん勝かち峰ほうにすくい投なげで勝かち、12勝しょう3敗はいの成績せいせきで、3年ねん前まえの11月つき場所ばしょ以来いらい、13場所ばしょぶり3回かい目めの優勝ゆうしょうを果はたしました。

番付ばんづけ上じょう125年ねんぶりに一いち横綱よこづな一いち大関おおぜきとなった今こん場所ばしょ、横綱よこづな照あきらノ富士ふじが初日しょにちからけがで休場きゅうじょうし、貴き景勝けいしょうはただ一いち人にんの大関おおぜきとして土俵どひょうに上あがり続つづけました。

2日にち目めに早はやくも初はつ黒星くろぼしを喫きっしましたが、その後そのごは気迫きはくあふれる突つき押おし相撲すもうを中心ちゅうしんに、3日にち目めから8連勝れんしょうして優勝ゆうしょう争あらそいを引っ張ひっぱりました。

終盤しゅうばん戦せんに入はいると、11日にち目めから2連敗れんぱいして3敗はいとなり一いち歩ほ後退こうたいしましたが、13日にち目め、単独たんどくトップに立たっていた同い年おないどしの阿武あぶ咲さきとの激はげしい相撲すもうを制せいして、再ふたたび優勝ゆうしょう争あらそいのトップに並ならびました。

そして、横綱よこづな不在ふざいの中なか、最後さいごまで優勝ゆうしょうを争あらそって土俵どひょうを締しめ、千秋楽せんしゅうらくの結むすびの一番いちばんで直接ちょくせつ対決たいけつに勝かって優勝ゆうしょうを果はたしました。

先せん場所ばしょまで3場所ばしょ連続れんぞくで平幕ひらまく力士りきしの優勝ゆうしょうが続つづきましたが、大関おおぜきが優勝ゆうしょうするのはおととし夏場なつば所しょの照あきらノ富士ふじ以来いらい10場所ばしょぶりです。

貴き景勝けいしょう「結婚けっこんしてから初はじめての優勝ゆうしょうですごくうれしい」

3回かい目めの優勝ゆうしょうを果はたした大関おおぜき貴き景勝けいしょうは、「結婚けっこんしてから初はじめての優勝ゆうしょうなので、すごくうれしい」と率直そっちょくな心境しんきょうを話はなしました。

3年ねん前まえの11月つき場所ばしょ以来いらいの優勝ゆうしょうとなったことについて、「調整ちょうせいを失敗しっぱいしたりとか、星ほしの差さが1つ足たりない場面ばめんが多おおく、悔くやしいことがあったので、今回こんかいの優勝ゆうしょうで少すこし報むくわれた」と話はなしました。

埼玉さいたま栄さかえ高校こうこうの後輩こうはいで平幕ひらまくの琴きん勝かち峰ほうとの相あい星ほし決戦けっせんとなり、「いろんな人ひとに支ささえてもらって、その後押あとおしで土俵どひょうに上あがった。気合きあい入いれて最後さいごの一番いちばん集中しゅうちゅうしようと思おもった」と話はなしました。

横綱よこづな照あきらノ富士ふじが休場きゅうじょうし、出場しゅつじょうした力士りきしの中なかでは番付ばんづけ最さい上位じょういだったことを問とわれ、「みんなに期待きたいしてもらっていることは、ありがたいことなので、感謝かんしゃして土俵どひょうに上あがった。大関おおぜきという地位ちいは勝かたないといけない地位ちいなので、つらい時ときや頑張がんばらないといけない時ときもあったが、誰だれでもこの地位ちいになれるわけではないので、重圧じゅうあつを感謝かんしゃに変かえてこの2年間ねんかん取り組とりくんできた」と振り返ふりかえりました。

そして、終盤しゅうばん戦せんの連敗れんぱいから立て直たてなおした今こん場所ばしょを振り返ふりかえり、「相撲すもうは1日にちの勝負しょうぶではなく15日間にちかんの勝負しょうぶなので、いかに気持きもちを切きらさず1日にち1日にちの力ちからを出だしきれるかだ。その精神せいしんが強つよい人ひとが成績せいせきを残のこせると思おもうので、気持きもちだけ切きらさないでやった」と話はなしていました。

そして、子こどものころからの夢ゆめである横綱よこづな昇進しょうしんについては、「あしたから私生活しせいかつや体からだのケアのしかた、それにもっと相撲すもうに謙虚けんきょになって頑張がんばっていきたい」と話はなしていました。

11日にち目めけい椎けいつい痛いためる母校ぼこう監督かんとく「弱よわみ見みせず治療ちりょうしながら土俵どひょうへ」

貴き景勝けいしょうと琴きん勝かち峰ほうの母校ぼこうである埼玉さいたま栄さかえ高校こうこう相撲すもう部ぶの山田やまだ道みち紀きの監督かんとくは22日にちの結むすびの一番いちばんを高校こうこうで見守みまもりました。山田やまだ監督かんとくは対戦たいせんの前まえ「こんなに幸しあわせなことはない。どっちを応援おうえんしていいか分わからないが、2人にんとも応援おうえんしてくれる人ひとのために頑張がんばってほしい」とエールを送おくりました。

そして、貴き景勝けいしょうが琴きん勝かち峰ほうに勝かって優勝ゆうしょうを決きめたあとは「お互おたがい最高さいこうの相撲すもうを取とってくれた」と2人にんをたたえたうえで、貴き景勝けいしょうについて「大関おおぜき1人にんの中なかで本当ほんとうに強つよかった。大関おおぜきとしての役目やくめを果はたして本当ほんとうによく頑張がんばった」とほめていました。

また、山田やまだ監督かんとくは、貴き景勝けいしょうが11日にち目めの小結こむすび・琴きんノ若わかとの一番いちばんでけい椎けいついを痛いため、痛いたみをこらえて治療ちりょうをしながら千秋楽せんしゅうらくまで土俵どひょうに上あがっていたことを明あかしました。

山田やまだ監督かんとくは「体からだがしびれて大変たいへんだったけど誰だれにも見みせないようにしてここまでよく頑張がんばったと思おもう。毎日まいにち連絡れんらくをとっていたが、終おわるまで誰だれにも言いえないということでプロとしての意地いじを感かんじた。自分じぶんの弱よわみは見みせない。彼かれはそういう大関おおぜきだと思おもう」と話はなしました。

これについて、22日にち夜よる、NHKの番組ばんぐみに生なま出演しゅつえんした貴き景勝けいしょうは「相手あいてに弱点じゃくてんを見みせるのは相撲すもうをやっている以上いじょう見みせたくない。みんなどこかしらけがをしているので痛いたい格好かっこうはしたくない。今こん場所ばしょは気合きあいで乗り切のりきろうと思おもった」と話はなし、終盤しゅうばん戦せんは、けがと向き合むきあいながら土俵どひょうに立たち続つづけていたことを明あきらかにしました。

母校ぼこうの小学校しょうがっこうでも卒業そつぎょう生せいや児童じどうらが応援おうえん

貴き景勝けいしょうが通かよっていた兵庫ひょうご県けん西宮にしのみや市しの小学校しょうがっこうでは、卒業そつぎょう生せいや児童じどうなどがテレビ中継ちゅうけいを見みながら応援おうえんしました。

貴き景勝けいしょうが実家じっかのある芦屋あしや市しから6年間ねんかん通とおった西宮にしのみや市しの仁川にがわ学院がくいん小学校しょうがっこうには、初はつ場所ばしょ千秋楽せんしゅうらくの23日にち、卒業そつぎょう生せいや児童じどう、それに保護ほご者しゃなどおよそ120人にんが講堂こうどうに集あつまりスクリーンで映し出うつしだされたテレビ中継ちゅうけいで優勝ゆうしょうがかかる一番いちばんを見守みまもりました。

そして、貴き景勝けいしょうが琴きん勝かち峰ほうとの一番いちばんに勝かって13場所ばしょぶり3回かい目めの優勝ゆうしょうを決きめると歓声かんせいと拍手はくしゅが沸き起わきおこり、くす玉くすだまを割わって優勝ゆうしょうを祝いわいました。

貴き景勝けいしょうが小学生しょうがくせいだったときも校長こうちょうを務つとめていた仁川にがわ学院がくいん小中しょうちゅう高校こうこうの永尾ながお稔みのる校長こうちょうは、「本当ほんとうにうれしく、小学生しょうがくせい時代じだいから大おおきな子こどもだったことを思い出おもいだします。今後こんごも優勝ゆうしょうして横綱よこづなに昇進しょうしんするよう学校がっこうで一緒いっしょに応援おうえんしています」と話はなしていました。

学校がっこうに通かよう2人にんの子こどもと訪おとずれた30代だいの母親ははおやは、「すごく感動かんどうしました。諦あきらめずに前まえに進すすむ貴き景勝けいしょうの姿すがたを見みて、子こどもたちもどんなことにも諦あきらめないでほしいと思おもいました」と話はなしていました。

八角はっかく理事りじ長ちょう「いちばん価値かちある優勝ゆうしょう」

日本にっぽん相撲すもう協会きょうかいの八角はっかく理事りじ長ちょうは3回かい目めの優勝ゆうしょうを果はたした大関おおぜき・貴き景勝けいしょうについて「最高さいこうの評価ひょうかでしょう。協会きょうかいの看板かんばんを背負せおってよくやってくれた。大関おおぜき1人にんで相当そうとうなプレッシャーな中なかで優勝ゆうしょうしているから本当ほんとうにいちばん価値かちのある優勝ゆうしょうだと思おもう」とたたえました。

また、来場らいじょう所しょは横綱よこづなを目指めざす場所ばしょとなるかと聞きかれ「それはなんともいえない」と述のべるにとどまりました。そして「千秋楽せんしゅうらくを迎むかえられてほっとしている。お客おきゃくさんがたくさん来きてくれて感謝かんしゃだ」と話はなしていました。

佐渡さどヶ嶽たけ審判しんぱん長ちょう「本来ほんらいの立ち合たちあい」

佐渡さどヶ嶽たけ審判しんぱん長ちょうは大関おおぜき・貴き景勝けいしょうの22日にちの取組とりくみについて「貴き景勝けいしょう本来ほんらいの立ち合たちあいのぶちかましがよかった。落ち着おちついていた」と評価ひょうかしました。そのうえで「きわどい相撲すもうで勝かっている相撲すもうも何なん番ばんかあった。前まえに出でる相撲すもうで勝ち星かちぼしを挙あげてほしい」とさらなる奮起ふんきを促うながしました。

そして貴き景勝けいしょうの横綱よこづな昇進しょうしんに向むけた動うごきはないかと問とわれ「そうですね、ハイレベルな優勝ゆうしょうということなので」と述のべて今こん場所ばしょ後ごの昇進しょうしんについて否定ひていしました。そのうえで来場らいじょう所しょは横綱よこづな昇進しょうしんをかけた場所ばしょになるかという問といに対にたいしては「私わたしたちもなんとも言いえないところだ」と述のべるにとどめました。

また、最後さいごまで優勝ゆうしょうを争あらそった弟子でしの琴きん勝かち峰ほうについては「だいぶ芯しんがしっかりしてきたかな。体からだ幹みきトレーニングを取り入とりいれた結果けっかが出でてきた」と健闘けんとうをたたえました。

貴き景勝けいしょう 3回かい目めの優勝ゆうしょうまでの歩あゆみ

3回かい目めの優勝ゆうしょうを果はたした大関おおぜき貴き景勝けいしょうは兵庫ひょうご県けん芦屋あしや市し出身しゅっしんの26歳さい。

身長しんちょう1メートル75センチ、体重たいじゅう165キロの体からだから繰り出くりだす強烈きょうれつな突つき押おしが持ち味もちあじで、勝かっても負まけても表情ひょうじょうを変かえず淡々たんたんと土俵どひょうに向むかう精神せいしん力りょくが強つよみです。

小学生しょうがくせいで相撲すもうを始はじめ、中学ちゅうがく時代じだいには全国ぜんこく大会たいかいの決勝けっしょうで、今こん場所ばしょ優勝ゆうしょう争あらそいをした平幕ひらまくの阿武あぶ咲さきを破やぶり、中学生ちゅうがくせい横綱よこづなとなりました。

高校こうこうは多おおくの関取せきとりを輩出はいしゅつしている埼玉さいたま栄さかえに進すすみ、卒業そつぎょう後ごに貴乃花たかのはな部屋へやに入門にゅうもんして、平成へいせい26年ねん秋場所あきばしょに初はつ土俵どひょうを踏ふみました。

平成へいせい30年ねんの秋場所あきばしょ後ごには貴乃花たかのはな親方おやかたが日本にっぽん相撲すもう協会きょうかいを退職たいしょくして貴乃花たかのはな部屋へやがなくなったため、千賀ちかノ浦うら部屋へやに移籍いせきしました。

その直後ちょくご、小結こむすびで迎むかえた九州きゅうしゅう場所ばしょで13勝しょう2敗はいの好こう成績せいせきで初はつ優勝ゆうしょうし、ここから3場所ばしょ連続れんぞくで2桁けた勝利しょうりを挙あげて、4年ねん前まえの春場所はるばしょ後ごに大関おおぜきに昇進しょうしんしました。

しかし、新しん大関おおぜきとして大おおきな期待きたいを集あつめた夏場なつば所しょで右みぎひざを痛いためて途中とちゅう休場きゅうじょうし、続つづく名古屋なごや場所ばしょも休場きゅうじょうして、僅わずか2場所ばしょで関脇せきわけに陥落かんらくしました。

続つづく秋場所あきばしょには12勝しょう3敗はいで1場所ばしょでの大関おおぜき復帰ふっきを決きめましたが、千秋楽せんしゅうらくの優勝ゆうしょう決定けってい戦せんで左ひだり胸むねに大だいけがをしました。

さらに3年ねん前まえの7月つき場所ばしょでも左ひだりひざを痛いためるなど、けがに苦くるしんだものの、その年としの11月つき場所ばしょでは、看板かんばん力士りきしが次々つぎつぎ休場きゅうじょうする中なか、強きょうじんな精神せいしん力りょくでただ一いち人にんの大関おおぜきとして土俵どひょうを締しめ続つづけ、2年ねんぶりの優勝ゆうしょうを果はたしました。

所属しょぞくする部屋へやの名称めいしょうが常盤山ときわやま部屋へやに変かわって迎むかえたおととしの初はつ場所ばしょ、「綱つなとり」が懸かかりましたが、左ひだり足首あしくびのけがで途中とちゅう休場きゅうじょうを余儀よぎなくされました。

その後そのごもけがが相次あいつぎ、おととし7月つきの名古屋なごや場所ばしょでは首くびを痛いためて途中とちゅう休場きゅうじょう。

去年きょねんの初はつ場所ばしょも右足みぎあしのじん帯じんたいを損傷そんしょうして途中とちゅう休場きゅうじょうしました。

それでも貴き景勝けいしょうは精力せいりょく的てきに稽古けいこに励はげみ、持ち味もちあじの強烈きょうれつな突つき押おしにさらに磨みがきをかけて、去年きょねんの名古屋なごや場所ばしょから3場所ばしょ連続れんぞくで2桁けたの勝ち星かちぼしを挙あげました。

中なかでも12勝しょうを挙あげた先さき場所ばしょは最後さいごまで優勝ゆうしょう争あらそいに絡からみましたが、千秋楽せんしゅうらくで3人にんによる優勝ゆうしょう決定けってい戦せんで敗やぶれ、優勝ゆうしょうにあと一いち歩ほ届とどきませんでした。

この結果けっかを受うけて日本にっぽん相撲すもう協会きょうかいは場所ばしょ後ごの横綱よこづな審議しんぎ委員いいん会かいで「今こん場所ばしょ相当そうとうの成績せいせきで優勝ゆうしょうすれば横綱よこづな昇進しょうしんを諮問しもんする可能かのう性せいがある」と説明せつめいしていました。

横綱よこづな不在ふざいの場所ばしょでただ一いち人にんの大関おおぜきの責任せきにん果はたす

「やるべきことをやる」。貴き景勝けいしょうは場所ばしょ前まえ、出場しゅつじょう力士りきしの中なかで番付ばんづけ最さい上位じょういとしての責任せきにんをこう表現ひょうげんしました。

今こん場所ばしょはハイレベルな成績せいせきでの優勝ゆうしょうを条件じょうけんに「綱つなとり」の可能かのう性せいも示唆しさされていました。

貴き景勝けいしょうは「横綱よこづなになりたいというのが小ちいさいころからの夢ゆめ。相撲すもう人生じんせいの中なかでそう何なん回かいもチャンスがあるわけではないので、気合きあいで相撲すもうを取とっていく」と意欲いよくを示しめしました。

その夢ゆめを実現じつげんさせるために取り組とりくんだのは、取り口とりくちの幅はばを広ひろげることでした。

たび重かさなるけがの影響えいきょうで、頭あたまから激はげしく低ひくく当あたる本来ほんらいの相撲すもうは影かげを潜ひそめていました。

稽古けいこ場じょうでは立ち合たちあいの当あたりを工夫くふうしながら、持ち味もちあじの突つき押おしに磨みがきをかけました。

一気いっきに押し込おしこめなかった場合ばあいを想定そうていして、二の矢にのや、三さんの矢やと突ついて出でる攻せめ方かたを研究けんきゅう。

四よっつに組くんでの稽古けいこも重かさねました。

迎むかえた今こん場所ばしょ。

貴き景勝けいしょうは看板かんばん力士りきしとしての責任せきにんを背負せおい、土俵どひょうに立たちました。

しかし、2日にち目めで翔しょう猿さるに敗やぶれ、「綱つなとり」への挑戦ちょうせんは早はやくも暗雲あんうんが立たちこめました。

それでも、その後そのごは8連勝れんしょう。

気迫きはくあふれる突つき押おしや勝負しょうぶどころでのタイミングのいいいなし、さらに冷静れいせいに小手こて投なげを決きめるなど、ただ一いち人にんの大関おおぜきとして優勝ゆうしょう争あらそいを引っ張ひっぱりました。

しかし終盤しゅうばん戦せんに入はいると、11日にち目めと12日にち目めに痛いたい連敗れんぱい。

12日にち目めに3敗はい目めを喫きっしたあと、佐渡さどヶ嶽たけ審判しんぱん部長ぶちょうは貴き景勝けいしょうの横綱よこづな昇進しょうしんについて「きのう、きょうの負まけ方かたを見みていると厳きびしい」という見解けんかいを示しめしました。

それでも「もともと気きが強つよい力士りきし。立て直たてなおして大関おおぜきの責任せきにんを果はたしてもらいたい」と奮起ふんきを促うながしました。

そして13日にち目めは、単独たんどくトップに立たつ阿武あぶ咲さきとの直接ちょくせつ対決たいけつに臨のぞみました。

同い年おないどしで少年しょうねん時代じだいからしのぎを削けずってきた相手あいてとの対戦たいせんは、立ち合たちあい、頭あたまで低ひくく当あたった貴き景勝けいしょうが左ひだりからのいなしで相手あいての体勢たいせいを崩くずし、強烈きょうれつな張り手はりてで出足であしを止とめて、最後さいごは体からだをぶつけるようにして土俵どひょう下かに押し出おしだしました。