職員しょくいんは、施設しせつ内ないで急速きゅうそくに感染かんせんが広ひろがった背景はいけいについて「自分じぶんのいるフロアは認知にんち症しょうの方ほうばかりで、マスクを着つけてくださいと言いっても、ものの数すう秒びょうで外はずされてしまう。ひとりで歩あるける入所にゅうしょ者しゃが感染かんせんしたら収おさまりがつかないと予測よそくしていたが、歩あるいてほかの入所にゅうしょ者しゃに近ちかづき、次々つぎつぎと陽性ようせいとなってクラスターが起おきてしまった」と語かたりました。

神戸こうべ市しは病床びょうしょうがひっ迫ひっぱくしていて、この施設しせつには医師いし3人にんと看護かんご師し16人にんが常駐じょうちゅうしていることなどから、感染かんせんした入所にゅうしょ者しゃは原則げんそく施設しせつ内ないで療養りょうようするよう求もとめました。

職員しょくいんによりますと、血液けつえき中ちゅうの酸素さんそ濃度のうどが急激きゅうげきに低下ていかして人工じんこう呼吸こきゅう器きによる治療ちりょうが必要ひつような女性じょせいもいましたが、救急きゅうきゅう搬送はんそうを要請ようせいしても「病床びょうしょうに空あきがない」として入院にゅういんできず、3日にち後ごに亡なくなったということです。

職員しょくいんは「治療ちりょうは酸素さんそ投与とうよと点滴てんてきしかできず、人工じんこう呼吸こきゅう器きはなかった。救急きゅうきゅう隊たいが来きて病院びょういんを探さがしたが受け入うけいれ先さきがなく、やむなく帰かえるということが何なん度どもあった。保健所ほけんじょにも入院にゅういんさせるよう訴うったえたが受け入うけいれ先さきがなく、次々つぎつぎに亡なくなっていった」と振り返ふりかえりました。

亡なくなった25人にんのうち医療いりょう機関きかんに入院にゅういんできたのは2人にんだけで、職員しょくいんは医療いりょうがひっ迫ひっぱくした現状げんじょうについて理解りかいは示しめしたうえで「1日にちに3人にんの方ほうが亡なくなり、納おさめ体たい袋ぶくろに納おさめるということが何なん日にちも続つづいた。悪わるい言い方いいかたをしたら見殺みごろしではないかと感かんじた。力ちから及およばずで本当ほんとうに悔くやしい。市しや県けんにはさらなる対策たいさくを求もとめたい」と胸むねの内うちを語かたりました。

施設しせつはNHKの取材しゅざいに対にたいし「対応たいおうに追おわれており、現げん段階だんかいでコメントできない」としています。