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ことし8月、大阪の団地やマンションの駐輪場などで、電動アシスト自転車のバッテリーを盗んだとして25歳の容疑者が検挙されました。 警察の調べによりますと、バッテリーを固定する鍵をドライバーで壊す手口で、75台もの電動アシスト自転車から盗んだとみられています。
容疑者は一つ2万円ほどで、盗んだバッテリーを販売していたということです。 このフリマサイトでは、そもそも盗品などの売買は禁止されていて、電動アシスト自転車のバッテリーは「危険性や安全性に問題があるもの」として今月から出品禁止になっています。 しかし9月8日時点で「電動自転車 バッテリー」と検索すると、およそ400個が出品されたままになっていました。 また、フリマサイトの中には、今も電動アシスト自転車のバッテリーを出品できるものもあります。
警察によりますと、調べに対して容疑を認め「30秒くらいで盗むことができた。自転車が多い集合住宅の駐輪場を探した」と供述しているということです。
経済産業省によりますと、電動アシスト自転車の販売台数は2012年から去年までの10年間でおよそ2倍に増えています。 一方で、大阪府警によりますと、盗難被害の件数は、府内では去年366件とおととしの3倍あまりに急増し、ことしも7月末までに107件確認されています。 大阪の商店街で声をかけてみると、実際にバッテリーを盗まれたことがあるという人がいました。
駅に止めて帰ってきたらバッテリーだけ無くなっていたといいます。 「すごくびっくりしました。鍵はかけていましたが、壊されて盗まれていました。こんなことが起きるなんて…」 「自転車をまるごと盗まれた訳ではないので保険も下りず、バッテリーは4万円ほどで買い直しました。『やられた』と思いましたね」
大阪・阿倍野区の自転車販売店には、被害にあったという客が8月だけで数人訪れたといいます。 店の責任者は、理由は大きく2つあるとみています。
自転車本体には持ち主とひも付ける防犯登録があり、盗難された自転車が発見された場合、警察がデータを照会して持ち主に返還されます。 しかし、バッテリーには防犯登録がなく、盗まれたものかどうか特定が難しいということです。 ■その2 フリマサイトの拡大 誰でも商品を出品できるようになったことです。 実名を出さずに販売ができるため、盗んだ商品を出品しやすい環境があるのではないかということです。 バッテリーの寿命はだいたい4年ほどで、一部のバッテリーはほかのメーカーの電動アシスト自転車でも使えるため、中古のバッテリーの需要は少なからずあるといいます。
対策を聞きました。 ■対策その1 バッテリーを外す 自宅に止める場合はバッテリーを外して、家の中に保管することが重要です。付属の鍵を回して簡単に外すことができます。
そこで… ■対策その2 ダブルロック 自転車本体に備え付けられている鍵に加えて、金属やシリコンでできたワイヤー状の鍵「バッテリーロック」で、バッテリーと車体を固定する対策もあります。
「バッテリーロックを使えば、毎回、バッテリーを取り外さなくてもいいので手軽に対策ができます。見た目からも盗難されづらくなると思います」 このほかに警察では、自転車にカバーをかけて駐輪することも盗難を防ぐ効果があるとしています。 さらに、被害にあったときのためにバッテリーのシリアルナンバーを控えておくことなども呼びかけています。 あなたの電動アシスト自転車で、明日起きるかもしれないバッテリーの盗難。 生活に欠かせないものだからこそ事前の備えが大切です。
大阪で被害急増中 2021年は前年の3倍に
なぜ増加?背景にはバッテリーの“盗みやすさ”
どうすればいいの?対策編