その一角にある店でことしから古着の販売が始まりました。
古着を買うとことし11月から10%分のポイントを上乗せてもらえるということです。
「採算は大丈夫なんですか!」 記者がアパレルブランドの担当者に聞いてみると。 (アーバンリサーチ 宮啓明 シニアチーフ) 「今回、大阪府が取り組んでいる脱炭素ポイント制度推進の実証実験に私たちも参加させていただきました」
大阪府では大阪エリアの二酸化炭素の排出量を2050年までに実質的に0にしようという目標を掲げています。 府も目標を達成するため、さまざまな呼びかけなどを続けてきましたが、これまでなかなか、当事者意識を持ってもらえませんでした。
「単に環境にいいから買ってください、行動を変えてくださいというだけではなかなか伝わりにくい。一人一人の行動を変えるためにまずはポイントのようなインセンティブが伴うことが必要だと考えて始めた取り組み。消費者が変われば企業も変わっていって、企業が変われば社会も変わっていく」 生活に身近な消費行動から意識を変えてもらう必要がある。府が目をつけたのがポイント制度でした。
二酸化炭素を減らす「脱炭素」につながる商品やサービスにポイントを上乗せする仕組みです。 ▼遠くの農作物を買うとその分、二酸化炭素の排出量も増えてしまうため、輸送距離が短くて済む地元の農作物を買う ▼自家用車などを使うのを控え、電車など公共交通を利用する そして ▼洋服のリサイクルです。
環境省によりますと、服を1着作るときに、排出される二酸化炭素はおよそ25.5キログラム。 手放された服のうち、可燃ごみや不燃ごみとして廃棄される割合は68%に上るということです。 不要な服を回収して販売したり、リサイクルしたりことで、二酸化炭素を減らすことにつながるといいます。 さらに価値観を変えるために、こんな取り組みも。 服を回収するときに前の所有者からメッセージカードを寄せてもらっています。
「まだきれいだけれどもう着なくなった洋服が誰かの役に立てば幸いです」 ファッションはときに、短い期間で大きく移り変わるトレンドを追いかけることも醍醐味の1つでしたが、環境に配慮することが、新たなスタイルにつながるといいます。
「メッセージを込めて次の人にバトンをつなげる、これが洋服の新しい価値になるのではないか。社会全体で廃棄衣料をなくすことによって、より環境によい社会を作っていきたい」
「脱炭素」ということばにすこし堅苦しい印象も持っている人も少なくないかもしれませんが、モノやサービスを購入すること1つ、1つに意識を持てるようになれば、私たちの意識も少しずつ、変わっていくのかもしれません。
●スーパー「イズミヤ」 府内3店舗で関西近郊で生産された野菜や果物が対象 ●「大阪いずみ市民生活協同組合」 「コープの宅配」で大阪産の農作物などが対象 ●スーパー「サンプラザ」 府内35店舗で環境負荷の少ない大阪エコ農作物などが対象 ●家電量販店「上新電機」 府内6店舗で、指定の「節電多機能エアコン」が対象 ●「JR西日本」 行楽時にJR線の利用を促す「AIスタンプラリー」を実施。 グループ店舗で商品を購入するとき、レジ袋やプラスチック製のスプーンやフォークを辞退することなどもポイントの対象に
ポイントで当事者意識を
意識も価値観も変える
ポイントで変わるか?私たちの意識
ポイント実証実験に参加する事業者