そのうえで、プーチン大統領だいとうりょうは、戦地せんちに派遣はけんする兵士へいしについて、これまでの職業しょくぎょう軍人ぐんじんだけでなく、21日にちからは予備よび役やくなど国民こくみんを部分ぶぶん的てきに動員どういんするという大統領だいとうりょう令れいに署名しょめいしたと明あきらかにしました。

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会談かいだんは、日本にっぽん時間じかんの21日にち未明みめいにおよそ40分間ふんかん行おこなわれました。

この中なかで岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは、ロシアによるウクライナ侵攻しんこうについて、主権しゅけんと領土りょうどの一体いったい性せいの尊重そんちょうに反はんし国際こくさい秩序ちつじょの根幹こんかんを揺ゆるがす暴挙ぼうきょだと非難ひなんしたうえで、力ちからによる一方いっぽう的てきな現状げんじょう変更へんこうの試こころみはいかなる地域ちいきでも許ゆるされないとする日本にっぽんの立場たちばを重かさねて伝つたえました。

また、岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは、ウクライナからの農産物のうさんぶつの輸出ゆしゅつが再開さいかいしたことについて、国連こくれんとともにロシアとウクライナの仲介ちゅうかいにあたったトルコの粘り強ねばりづよい外交がいこう努力どりょくで実現じつげんしたものだと敬意けいいを示しめしました。

これに対にたいしウクライナのゼレンスキー大統領だいとうりょうは「ロシアが偽いつわりの住民じゅうみん投票とうひょうを行おこなおうとしている」と非難ひなんしたうえで、住民じゅうみん投票とうひょうの実施じっしに国際こくさい社会しゃかいが一致いっちして反対はんたいすることが重要じゅうようだと強調きょうちょうしました。

そして、ウクライナ軍ぐんが反転はんてん攻勢こうせいを強つよめる東部とうぶなどの状況じょうきょうについて「前線ぜんせんの戦況せんきょうは軍事ぐんじ的てきな主導しゅどう権けんがウクライナ側がわにあることを示しめしている」と述のべ、さらに反撃はんげきを強化きょうかする考かんがえを示しめしました。

冒頭ぼうとう、創設そうせつ以来いらい77年間ねんかん国連こくれんが中心ちゅうしんになって形成けいせいしてきた国際こくさい秩序ちつじょの根本こんぽんがロシアのウクライナ侵攻しんこうで大おおきく揺ゆらいでいると指摘してきし、「国連こくれん憲章けんしょうの理念りねんと原則げんそくを踏ふみにじる行為こういだ」とロシアを批判ひはんしました。

そのうえで「今いまこそ国連こくれん憲章けんしょうの理念りねんと原則げんそくに立ち戻たちもどり、力ちからと英知えいちを結集けっしゅうするときだ。そのために実現じつげんしなければならないのが国連こくれんの改革かいかくであり、国連こくれん自身じしんの機能きのう強化きょうかだ」と呼よびかけました。

そして、安保理あんぽりの常任じょうにん理事りじ国こく、ロシアのウクライナ侵攻しんこうで国連こくれんの信頼しんらい性せいが危機ききに陥おちいっているとしたうえで「これまでもしばしば、安保理あんぽりの機能きのう不全ふぜんが指摘してきされてきた。改革かいかくに向むけて文言もんごんベースの交渉こうしょうを開始かいしするときだ」と安保理あんぽり改革かいかくに向むけた交渉こうしょう開始かいしの必要ひつよう性せいを訴うったえました。

そのうえで「もし、住民じゅうみん投票とうひょうが進すすめられ、ロシアがウクライナの領土りょうどの併合へいごうをもくろんでいるのなら、アメリカは決けっして認みとめることはない。国連こくれん憲章けんしょうを支持しじする他ほかの国々くにぐににとっても、それを明確めいかくにすることは非常ひじょうに重要じゅうようだ」と述のべ、住民じゅうみん投票とうひょうなどが進すすめられた場合ばあい、国連こくれんの加盟かめい国こくに対にたいし反対はんたいの立場たちばを示しめすよう呼よびかけました。

そのうえで「いまはヨーロッパだが、あすはアジアやアフリカだ。これは帝国ていこく主義しゅぎや植民しょくみん地ちの時代じだいへの回帰かいきだ」と述のべ、厳きびしく非難ひなんしました。

そして、軍事ぐんじ侵攻しんこうによるエネルギーや食料しょくりょうの危機ききで国際こくさい社会しゃかいに分断ぶんだんが生しょうじかねない状況じょうきょうだとして「いくつかの国くには中立ちゅうりつの立場たちばを維持いじしているが、いま沈黙ちんもくすることは歴史れきし的てきな責任せきにんを負おうことになり、新あらたな帝国ていこく主義しゅぎを利りする」とし、国連こくれん憲章けんしょうのもとですべての加盟かめい国こくが結束けっそくするよう訴うったえました。

一方いっぽうで「和平わへいについてのフランスの立場たちばは明確めいかくだ。ロシア側がわとも開戦かいせん前まえから数すうか月かげつにわたって対話たいわを続つづけてきた」と述のべ、軍事ぐんじ侵攻しんこうを終結しゅうけつさせるため今後こんごも対話たいわを続つづける姿勢しせいを強調きょうちょうしました。

そのうえで、トルコが関与かんよして実現じつげんしたロシアとウクライナの外相がいしょう会談かいだんや、ウクライナからの船舶せんぱくでの農産物のうさんぶつの輸出ゆしゅつ再開さいかいを引き合ひきあいに出だし、事態じたいの打開だかいに向むけた仲介ちゅうかいへの意欲いよくを改あらためて示しめしました。

また、「ザポリージャ原子力げんしりょく発電はつでん所しょでも同おなじ働はたらきができる」として、原発げんぱつの安全あんぜん確保かくほでも仲介ちゅうかいの準備じゅんびがあると述のべました。

一方いっぽうで、エルドアン大統領だいとうりょうは「国連こくれん安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かいのより民主みんしゅ的てきで透明とうめい性せいのある構造こうぞうの確立かくりつは、全ぜん人類じんるいが平和へいわを求もとめる上うえで重要じゅうような転機てんきになる。世界せかいは5か国かこくよりも大おおきいということをあらゆる場ばで強調きょうちょうする」とし、常任じょうにん理事りじ国こくの中国ちゅうごくやロシアが拒否きょひ権けんを行使こうしすることで機能きのう不全ふぜんに陥おちいっているとして、改革かいかくが必要ひつようだという認識にんしきを示しめしました。

そのうえで「仮かりに実施じっしされても、アメリカは決けっしてロシアがウクライナの一部いちぶを併合へいごうしたとする主張しゅちょうを認みとめることはないだろう。そして、ウクライナの領土りょうどであること以外いがい、認みとめることはないだろう。ロシアの行動こうどうを明確めいかくに拒否きょひし、われわれは引き続ひきつづき同盟どうめい国こくとパートナーとともにロシアに対価たいかを支払しはらわせ、ウクライナへの支援しえんを行おこなっていく」と述のべました。

この中なかで岸田きしだ総理そうり大臣だいじんがエリザベス女王じょおうの死去しきょに弔意ちょういを伝つたえたのに対にたいし、トラス首相しゅしょうは「日本にっぽんの皆様みなさまのあたたかい弔意ちょういに感謝かんしゃする」と述のべました。

そして、ウクライナ情勢じょうせいをめぐって意見いけんを交かわし、国際こくさい社会しゃかいが結束けっそくしてロシアに対にたいする制裁せいさいとウクライナへの支援しえんを継続けいぞくすることが重要じゅうようだという認識にんしきで一致いっちしました。

そのうえで、親しんロシア派は勢力せいりょくが支配しはい地域ちいきでロシアへの編入へんにゅうに向むけた住民じゅうみん投票とうひょうの実施じっしを決きめたと表明ひょうめいしたことについて、ウクライナの主権しゅけんと領土りょうどの一体いったい性せいをさらに損そこねるもので断だんじて受け入うけいれられないとして強つよく非難ひなんすることで一致いっちしました。

また、両りょう首脳しゅのうは、中国ちゅうごくを念頭ねんとうに東シナ海ひがししなかいや南シナ海みなみしなかいでの力ちからを背景はいけいとした一方いっぽう的てきな現状げんじょう変更へんこうの試こころみに対にたいする深刻しんこくな懸念けねんを共有きょうゆうしたほか、北朝鮮きたちょうせんの核かく・ミサイル問題もんだいや拉致らち問題もんだいで引き続ひきつづき連携れんけいしていくことを確認かくにんしました。

この中なかでグテーレス事務じむ総長そうちょうは「私わたしたちの世界せかいは危機ききにひんしていて、まひしている。地政学ちせいがく的てきな分断ぶんだんは国連こくれんの安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かいの機能きのうを弱よわらせ、国際こくさい法ほうを弱体じゃくたい化かさせ、あらゆる国際こくさい協力きょうりょくを衰退すいたいさせている」と述のべ、ウクライナ情勢じょうせいを背景はいけいに国際こくさい社会しゃかいの対立たいりつと分断ぶんだんが深ふかまっている現状げんじょうに強つよい危機きき感かんを示しめしました。

また、ロシアによる軍事ぐんじ侵攻しんこうは大だい規模きぼな破壊はかいをもたらしたと指摘してきする一方いっぽう、ウクライナ以外いがいでも紛争ふんそうや人道じんどう危機ききが広ひろがりつつあるとして、アフガニスタンやミャンマー、それにシリアやエチオピアなどで多おおくの市民しみんが苦くるしんでいると訴うったえました。

一般いっぱん討論とうろん演説えんぜつは今月こんげつ26日にちまで行おこなわれ、焦点しょうてんであるウクライナ情勢じょうせいをめぐり、各国かっこくがどのような立場たちばを示しめすのか注目ちゅうもくされます。

この中なかでエフストラティ大だい主教しゅきょうは「占領せんりょうされたへルソン州しゅうでは、司祭しさいが拉致らちされたうえに拷問ごうもんを受うけ、ロシアの情報じょうほう機関きかんへの協力きょうりょくを求もとめる文書ぶんしょに署名しょめいするよう強制きょうせいされた」と述のべ、ロシアによる軍事ぐんじ侵攻しんこうの被害ひがいは宗教しゅうきょうの面めんにも及およんでいると非難ひなんしました。

そのうえでエフストラティ大だい主教しゅきょうは「一刻いっこくも早はやく平和へいわが訪おとずれるよう宗教しゅうきょう指導しどう者しゃこそ声こえを上あげるべきだ」と述のべ、ロシア正教せいきょう会かいの聖職せいしょく者しゃたちも軍事ぐんじ侵攻しんこうに反対はんたいする姿勢しせいを示しめすべきだと呼よびかけました。

ウクライナ正教せいきょう会かいは、ロシアとの関係かんけい悪化あっかに伴ともなって2019年ねん、ロシア正教せいきょう会かいから独立どくりつした形かたちで、これにロシア側がわは反発はんぱつしていましたが、軍事ぐんじ侵攻しんこうを受うけて双方そうほうの正教せいきょう会かいの対立たいりつが一層いっそう深ふかまっています。

ルハンシク州しゅうではことし7月つき、ウクライナ側がわにとって最後さいごの拠点きょてんとされていたリシチャンシクをロシア軍ぐんが掌握しょうあくし、ロシア国防省こくぼうしょうは州しゅう全域ぜんいきを掌握しょうあくしたと宣言せんげんしています。今回こんかい掌握しょうあくしたビロホリウカは、リシチャンシクの奪還だっかんに向むけて反転はんてん攻勢こうせいを強つよめていくための足あしがかりになるとみられます。

さらに「ロシア軍ぐんが水源すいげんの川かわからのパイプをすべて破壊はかいしたため、市内しないでは水道すいどうが機能きのうしていない」と述のべ、こうした状況じょうきょうで多おおくの市民しみんが避難ひなんするなどして、市しの人口じんこうは以前いぜんの50万まん人にんから半数はんすう以下いかに激減げきげんしているということです。

実際じっさいにどの範囲はんいで、どのような方法ほうほうで行おこなわれるのかなどは不透明ふとうめいですが、8年ねん前まえにはウクライナ南部なんぶクリミアでも、ロシア軍ぐんが派遣はけんされる中なかで地元じもとの親しんロシア派はが住民じゅうみん投票とうひょうを実施じっしし、その結果けっかを根拠こんきょにプーチン大統領だいとうりょうはクリミアを一方いっぽう的てきにロシアに併合へいごうしています。

ウクライナ軍ぐんが東部とうぶや南部なんぶで支配しはいされた領土りょうどの奪還だっかんに向むけた反転はんてん攻勢こうせいを続つづける中なか、急きゅうきょ、住民じゅうみん投票とうひょうの実施じっし決定けっていを表明ひょうめいした形かたちで、ロシアとしては危機きき感かんを強つよめているものとみられます。

一方いっぽう、こうした住民じゅうみん投票とうひょうの動うごきに、ウクライナのゼレンスキー政権せいけんは強つよく反発はんぱつしていて、アメリカ政府せいふもロシアが住民じゅうみん投票とうひょうに踏み切ふみきれば追加ついかの制裁せいさいを行おこなうと警告けいこくしてきました。