デモ隊と治安当局の衝突などによって死亡した人は40人を超え、さらに増えることが懸念されています。
イランで今月16日、公共の場で女性に着用が義務づけられているスカーフのかぶり方が不適切だとして警察に逮捕された22歳の女性が死亡しました。
警察は心臓発作を起こして死亡したと説明していますが、警察官による暴行が原因だと抗議するデモが翌日から各地に広がり、1週間がたった24日もデモが行われました。
デモ隊の一部は、警察車両に火をつけたり建物を壊したりするなど暴徒化しています。
国営テレビは24日、デモ隊と治安当局の衝突などにより、これまでに双方合わせて41人が死亡したと伝えました。
政権側はSNSを使えなくするなどインターネットの利用を大幅に制限し、デモの呼びかけなどが広まるのを妨げているほか、多くの参加者を逮捕するなど取り締まりを徹底してデモを抑え込む姿勢を示しています。
しかし、デモが広がった背景にはスカーフの着用の取り締まりの強化や、経済政策などをめぐり政権への強い不満があると指摘されていて、依然、混乱が収束する見通しは立たず、さらに死傷者が増えることが懸念されます。