リマンはロシア軍がウクライナ東部へ進軍したり、部隊に補給を行ったりする際の足がかりにしてきたと指摘されていて「戦争研究所」は親ロシア派勢力の幹部の発言などをもとに、リマン周辺の2つの集落からロシア軍がすでに撤退したという分析を示しています。
またロイター通信は専門家の話として、ウクライナ軍が要衝のリマンを奪還すればウクライナ東部の全域を掌握するというプーチン大統領の試みの失敗につながるという見方を伝えています。
ゼレンスキー大統領は30日に公開したビデオメッセージの中で「ウクライナ軍は東部で重大な成果をあげた。リマンで何が起きているか誰もが耳にしている」と述べ、領土の奪還を続ける構えを強調しました。
現地からの映像では食料品などが入った買い物袋が地面に落ちていたほか、複数の車の窓ガラスが割れている様子が確認できます。 ウクライナ当局によりますと、訪れていた人たちはロシア軍の占領地域にいる親戚を訪ねたり、物資を届けたりする準備をしていたということです。 現地を視察したモナスティルスキー内相は「この日はおよそ50台の車があった。このあたりを見回すと、軍事的なものは1つもなく、今までもなかった。お年寄りや子連れの女性など市民だけが毎日ここに来てロシア軍が一時的に占領する地域へ行こうとしていた」と述べました。
また、これまでに日本側が提供した防弾チョッキや防護服など、殺傷能力のない装備品についても謝意を示したうえで、「完全な勝利まで、重要かつ幅広い支援が継続され、拡大することを望んでいる」とさらなる支援を訴えました。
そのうえで、「こうした重大な国際法違反をわれわれは認めない。ウクライナの領土の一体性を改めて全面的に支持する」と投稿しました。 ジョージアは14年前、ロシアの軍事侵攻を受け、一部の地域には今もロシア軍が駐留しています。
また「偽の住民投票は、主権国家に対する侵攻の一部だ。この茶番劇を計画し、実行した者は、全員、責任を問われる」と述べました。 そのうえで「われわれは全土を解放しなければならない。そうすることが、国際法や人の価値観は、ロシアのような横柄なテロ国家に破壊されないことを示す、最大の証拠になる」と述べ、領土の奪還を続ける考えを改めて示しました。
スクリーンの前には、併合を支持する人々がロシアの旗を手に集まり、プーチン大統領が一方的に併合を宣言すると、拍手したり、歓声をあげたりしていました。 また街中には「永遠にロシアと共に」と書かれた横断幕も設置されていました。 地元の女性は「やっとロシアの一部になりました。勝利はわれわれのものとなり、すべてうまくいくでしょう」と話していました。 また地元の男性は「きょうの出来事は世界的に見ても意味があります。われわれが犠牲の末に獲得したものです」と話していました。
秋の徴兵は、11月1日から12月31日にかけて行われ、18歳から27歳までの12万人を徴集するということです。 ロシアでは、ことしの春の徴兵でも13万4500人を徴集すると発表しています。 一方、ロシアのメディアによりますと、ロシア国防省の高官は「徴集兵たちとその両親を安心させたい。この徴兵はウクライナでの特別軍事作戦とは全く関係がない。法律で規定された期間内に、計画どおりに行われる」と述べ、徴集された兵士は、ロシア国内で兵役に就くと強調したということです。 プーチン政権が発表した予備役の部分的な動員を巡っては対象でない人まで招集されていると伝えられ、国内で混乱が広がっていることから、国防省としても市民の懸念の高まりに神経をとがらせているものとみられます。
そのうえで「この勝利は誰のおかげか、われわれは知っている。英雄的な兵士や将校、東部ドンバスの民兵、志願兵のおかげだ。彼らの英雄的な行為や犠牲に感謝したい」と述べました。 プーチン政権が予備役の動員を発表したあと、ロシア国内では懸念や混乱が広がり、プーチン大統領としては、今回の一方的な併合を軍事作戦の成果として訴えるとともに、動員に対する国民の理解をつなぎとめたいねらいもあるとみられます。
声明では、「ロシアによるウクライナに対する侵略戦争と ウクライナの主権と領土の一体性に対する継続的な侵害に対し、可能なかぎり最も強いことばで一致して非難する」としています。 そのうえで、「『併合』と称されるものも、銃を突きつける中で行われた偽りの『住民投票』も決して認めない。すべての国に対し、武力により領土を取得しようとする試みを 明確に非難するよう求める」としています。 そして、「ロシアに政治的・経済的な支援を提供する個人や団体に対し、さらなる経済的コストを課す」として、ロシアに対し追加の制裁を科すことを表明しました。
そのうえで「ロシアを非難し、責任を取らせるよう国際社会を結集させていく。アメリカはウクライナが自衛のために必要なものを提供し続ける」として今後も軍事支援を続けていくと強調しました。
この中で「暴力的な軍事占領下で実施された偽の国民投票を経て行われた併合は、法的にも政治的にも価値がない。ヨーロッパ大陸全体の安全保障を脅かす、新たな帝国主義的かつソビエト的価値観を、改めて示すものだ」として、ロシアのプーチン大統領を名指しで批判しました。
声明では「ウクライナは、NATOの加盟国との信頼関係があり、互いに助け合っている」などとしたうえで、ことし5月に加盟を申請した北欧のフィンランドやスウェーデンと同じように、手続きを開始したいとしています。 一方で、声明では「加盟のためには、すべての加盟国の支持が必要だということを理解している」としています。
声明では「ルールに基づく国際秩序を損ない、独立や主権、領土の一体性といったウクライナの基本的な権利をはなはだしく侵害することで、ロシアは世界の安全を危険にさらしている。われわれはこの違法な併合を決して認めない。すべての国と国際機関にも受け入れないよう求める」としています。 そして、「ウクライナには、国際的に承認された国境内で占領された地域を解放する権利がある」としたうえで、今後もロシアへの制裁を強化し、ウクライナへの経済的、軍事的な支援を続けていくと強調しました。
そのうえで「力による一方的な現状変更の試みを決して看過できず、引き続きロシアに対し、即時に侵略を停止し、部隊をロシア国内に撤収するよう改めて強く求め、G7=主要7か国をはじめとする国際社会と連携しながら強力な対ロ制裁と、ウクライナ支援の2つの柱にしっかり取り組んでいく」としています。
ロシアのプーチン大統領は、日本時間の30日の夜9時すぎから式典で演説し、▽ウクライナ東部のドネツク州とルハンシク州、▽南東部ザポリージャ州、▽南部ヘルソン州の合わせて4つの州で強行された「住民投票」だとする活動について「住民は、自分たちの選択を行った。この地域に住む人々は永遠にロシア国民だ」などと述べ、ロシアがウクライナの4つの州を併合することを一方的に宣言しました。 そして演説のあと、4つの州にいる親ロシア派勢力の幹部とともに、ロシアが併合すると定めた「条約」だとする文書に署名しました。
ゼレンスキー大統領 “ロシア軍 市民の車列攻撃 30人死亡”
ゼレンスキー大統領 日本の明確な支持に謝意
ジョージア大統領「正当性がなく、将来性もない」
ゼレンスキー大統領 併合を非難する動画を公開
併合を支持する東部ルハンシク州の市民
プーチン大統領 秋の徴兵に関する大統領令に署名
プーチン大統領「赤の広場」でも演説
G7外相ら ロシア非難 追加の制裁科す声明
仏大統領府「ともにロシアの侵略に立ち向かう」
米 バイデン大統領「この併合には全く正当性がない」
イタリア 右派党首「新たな帝国主義的価値観示すものだ」
ゼレンスキー大統領 NATOへ加盟申請方針を表明
EU「この違法な併合を決して認めない」
林外相「国際法に違反する行為 強く非難」
プーチン大統領 ウクライナ4州「併合条約」に署名