武村たけむら氏しは滋賀しが県けん出身しゅっしんで、旧きゅう自治省じちしょうに入省にゅうしょう後ご、滋賀しが県けん八はち日にち市し市長しちょうや滋賀しが県知事けんちじを経へて、昭和しょうわ61年ねんの衆議院しゅうぎいん選挙せんきょに自民党じみんとうから立候補りっこうほして初はつ当選とうせんし、連続れんぞく4回かい当選とうせんしました。

この間このかん、武村たけむら氏しは、リクルート事件じけんをきっかけに党内とうないの若手わかて議員ぎいんが結成けっせいした「ユートピア政治せいじ研究けんきゅう会かい」の代表だいひょうを務つとめ、政治せいじ改革かいかくを目指めざす若手わかてのリーダー格かくとして頭角とうかくをあらわしました。

そして、平成へいせい5年ねん6月つきには、政治せいじ改革かいかくに対にたいする自民党じみんとうの取り組とりくみを批判ひはんして、10人にんで自民党じみんとうを離党りとうし、「新党しんとうさきがけ」を結成けっせいして、みずから代表だいひょうに就任しゅうにんしました。

直後ちょくごの衆議院しゅうぎいん選挙せんきょでは、日本にっぽん新党しんとうなどとともに、いわゆる「新党しんとうブーム」を起おこし、自民党じみんとう政権せいけんに代かわる、細川ほそかわ連立れんりつ政権せいけんを樹立じゅりつする原げん動力どうりょくとなりました。

武村たけむら氏しは、細川ほそかわ内閣ないかくでは官房かんぼう長官ちょうかんを務つとめ、細川ほそかわ総理そうり大臣だいじんの女房にょうぼう役やくとして内閣ないかくを支ささえる一方いっぽう、連立れんりつ政権せいけんの中心ちゅうしん的てき存在そんざいの旧きゅう新生党しんせいとうの小沢おざわ一郎いちろう代表だいひょう幹事かんじと、政権せいけん内ないの主導しゅどう権けん争あらそいなどを背景はいけいに、対立たいりつしていきました。

その後そのご、武村たけむら氏しは、細川ほそかわ総理そうり大臣だいじんの「国民こくみん福祉ふくし税ぜい」構想こうそうに正面しょうめんから異ことを唱となえるなど、次第しだいに細川ほそかわ氏しとの対立たいりつも表面ひょうめん化かし、羽田はた内閣ないかくの発足ほっそくにあたって「新党しんとうさきがけ」は閣外かくがい協力きょうりょくに転てんじます。

これをきっかけに、武村たけむら氏しは、同様どうように連立れんりつ政権せいけんから離脱りだつした旧きゅう社会党しゃかいとうの村山むらやま富市とみいち委員いいん長ちょうと連携れんけいし、自民じみん、社会しゃかい、さきがけの3党とうで連立れんりつを組くみ、村山むらやま内閣ないかくを発足ほっそくさせ、大蔵おおくら大臣だいじんとして政権せいけんを支ささえました。

「新党しんとうさきがけ」は、平成へいせい8年ねん、中心ちゅうしんメンバーだった鳩山はとやま由紀夫ゆきお氏しらが離党りとうして旧きゅう民主みんしゅ党とうを結成けっせいし、武村たけむら氏しらの参加さんかを拒こばんだことから分裂ぶんれつしました。

その後そのごも党勢とうせいの回復かいふくはできず、平成へいせい10年ねん、党名とうめいを「さきがけ」に変かえ、事実じじつ上じょう、解党かいとうする形かたちとなりました。

武村たけむら氏し自身じしんも、平成へいせい12年ねんの衆議院しゅうぎいん選挙せんきょに無所属むしょぞくで立候補りっこうほしましたが、健康けんこう面めんでの不安ふあんを抱かかえて思おもったような運動うんどうができず落選らくせんし、その後そのご、政界せいかいを引退いんたいしました。

武村たけむら氏しは、9月つき28日にち、亡なくなりました。88歳さいでした。