(助動)
丁寧の意をもつ断定の助動詞。 名詞, ある種の助詞, および体言に準ずるものに接続する。 動詞および動詞型活用の助動詞には, 連体形に助詞「の」の付いたものに接続するが, 形容詞および形容詞型活用の助動詞には, その終止形に付く。 もっとも, 未然形「でしょ(う)」に限っては, 動詞および動詞型活用の助動詞の終止形にも付く。 また, 形容動詞および形容動詞型活用の助動詞には, その語幹に接続する。
※一※「だ」「である」の丁寧語。
(1)判断したり強く断定したりする。
「あの方が先生〈です〉」「ここから新宿までは三〇〇円〈です〉」
(2)事柄を提示する。
「だいぶ昔のこと〈です〉が, …」「それはおととしの夏休みのこと〈です〉。 …」
(3)(「活用語+のです」の形で)原因・理由・根拠などの説明をする。
「不況が続くのは, アメリカの金利政策の結果なの〈です〉」「これはもうずいぶん考え抜いたことなの〈です〉」
(4)(終止形を用いて)強い感情をこめた決意や断定を表す。
「もう中止〈です〉, 中止〈です〉」「さあ, 休憩〈です〉, 早く片付けましょう」
(5)(「お+動詞の連用形」の形で)軽い尊敬の意を表す。
「この本は, もうお読み〈です〉か」
(6)終止形は間投助詞的にも用いられる。 助詞「ね」「な」などを伴って用いることが多い。
「これが〈です〉ね, いろいろ複雑で〈です〉ね, わからなくなることがよくあります」
※二※
(1)〔「でそう(で候)」の転かといわれる〕
やや尊大な語感をもって, 丁寧な断定の意を表す。 狂言で, 大名その他の名乗りなどに用いられる。
「是はこのあたりにかくれもない大名〈です〉/狂言・鼻取相撲」「信濃の国の住人あさふのなにがし〈です〉/狂言・麻生」
(2)〔「でござります」からの転かといわれる〕
文末の終止に用いて, 丁寧な断定の意を表す。 江戸中期以降, 遊女・男伊達(オトコダテ)・医者などによって用いられたもの。
「是すなはち物をくらつてすぐに吐くもの〈です〉/滑稽本・浮世風呂(前)」
〔(1)連体形「です」は, 助詞「のに」「ので」などに連なる場合にだけ用いられる。 (2)「です」の語源については, 「でそう(で候)」説, 「でござります」説, 「であります」説, その他があるが, まだ定説化されたものはない。 ※一※の「です」は, 明治以降, 次第に一般に広く用いられるようになった〕
Lee commented
Lee commented
Lee commented
yuhui liao commented
Lee commented
Lee commented
Lee commented
Lee commented
Lee commented
Lee commented