(1)ある場所や人に近づく。
「近くに~・ってよく見てご覧なさい」「ストーブのそばに~・る」
(2)現在の場所から離れて, ある地点・方向に近づく。 比喩的にも用いる。
「もっと右側に~・りなさい」「駅から少し東に~・った所に市役所がある」
(3)ひとところに集まる。
「三人~・れば文殊の知恵」「~・り集まる」
(4)ある地点へ向かう途中で, 他の場所を訪れる。 立ち寄る。
「銀行へ~・ってからデパートへ行く」
(5)(「年が寄る」などの形で)高齢になる。
「名選手も~・る年波には勝てなかったようだ」
(6)(「しわが寄る」の形で)しわができる。
「目尻にしわが~・る」
(7)相撲で, 相手のまわしを持って相手を後退させる。
「一気に, 土俵ぎわまで~・る」
(8)(「凭る」「倚る」とも書く)自分の体をある物にもたせかける。
「壁に~・りかかる」「脇息に~・りおはす/源氏(帚木)」
(9)商品・株式などの相場で, 売り手と買い手の値段が折りあって, 売買が成り立つ。
「〇〇電気, 一二〇〇円で~・りました」
(10)ある人に気持ちが引かれる。 なびく。 また, ある人の意のままになる。
「心は妹(イモ)に~・りにしものを/万葉 3757」
(11)(「頼る」とも書く)あてにして頼る。
「舟流したる心地して~・らむ方なく悲しきに/古今(雑体)」
(12)味方となる。
「あなたに~・りて, ことさらに負けさせむとしけるを/枕草子 143」
(13)神霊・物の怪(ケ)などがとり付く。 乗り移る。
「病付きて…遂に失せにけり。 其の女の~・りたるにやとぞ/今昔 31」
(14)社寺に寄進する。
「かかる所に庄など~・りぬれば, 別当なにくれなどいできて/宇治拾遺 8」
〔「寄せる」に対する自動詞〕
‖可能‖ よれる
寄ってたかって
大勢寄り集まって。
「~いじめる」
寄らば大樹(タイジユ)の陰(カゲ)
頼るのなら勢力の大きなものに頼るべきだということのたとえ。 立ち寄らば大木(オオキ)の陰。
寄ると触(サワ)ると
いっしょに寄り集まるとすぐに。 機会さえあれば。
「~うわさ話ばかりしている」
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