(助動)
推量の助動詞。 上一段・下一段・カ行変格・サ行変格の動詞, および「れる・られる」「せる・させる」などの助動詞の未然形に接続する。 ただし, サ行変格活用の動詞では「し」の形に付く。 その意味・用法は, 接続のしかた以外の点では, 推量の助動詞「う」に同じ。
(1)話し手の意志・決意を表す。
「今度こそはテストを受けてみ〈よう〉」「勉強を片付けてから, バイオリンの練習をすることにし〈よう〉」
(2)勧誘や婉曲な命令を表す。 下に「か」「じゃないか」などが付いて, 意味を強めることがある。
「いっしょにジョギングでもし〈よう〉」「少しおなかがすいてきた。 すしでも食べ〈よう〉か」
(3)話し手の推量や想像を表す。 また, 婉曲表現をつくる。
「いまは雲が多いが, 午後には晴れ〈よう〉」「景気も来年あたりには好転し〈よう〉」
(4)疑問を表す語を伴って, 疑問・質問・反語などを表す。
「こんな防寒具できびしい冬の寒さが防げ〈よう〉か」「受け入れ準備も, 来月には完了し〈よう〉かといったところです」「だれがそんな遠くまで子供を行かせられ〈よう〉」
(5)許容の意を表す。
「かねで解決でき〈よう〉ものなら, いくらでも出す」
(6)(連体形を用いて)仮想の意を表す。
「このがけがくずれ〈よう〉はずがない」「もう少しで優勝でき〈よう〉ところを, ほんとうに惜しかった」
(7)(「ようとする」の形で)それが実現する直前であることを表す。
「家を出〈よう〉とするところに, 電話がかかってきた」「助成金がうち切られ〈よう〉としている」
〔一段活用・二段活用の動詞に推量の助動詞「む」を伴ったもの, 例えば, 「見む」「受けむ」などは, 中世末期までに「みう」「うけう」から「みょう」「うきょう」の形に変化していたが, そこから, 動詞未然形「み」「うけ」と助動詞「よう」とが分かれて, 助動詞「よう」が生ずるに至った。 現代語のように, 五段活用の動詞には「う」が, その他の活用の動詞には「よう」が付くというように, 接続のしかたを補い合うような用法が一般的になるのは近世江戸語以降のことである〕
→ う(助動)
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