(1)偶蹄目ウシ科の哺乳類。 ヨーロッパなどに分布していた野生の原種(オーロックス)は絶滅し, 家畜化されたものだけが現存する。 家畜としては, ヨーロッパ系の品種とアジア系の品種(インド牛, ゼブ)の二系統に大別される。 古くから乳用・肉用・役用として改良され, 現在はホルスタインやヘレフォード, 褐毛和種などの品種が普及。
(2)牛肉(ギユウニク)。
「だんなさまはちかごろ~をお用ひでござり升か/安愚楽鍋(魯文)」
〔現代では食用の肉は「ぎゅう(牛)」という〕
(3)竹や木を家の棟木(ムナギ)のように組んで立て, 物を寄せかけられるようにしたもの。
(4)「牛梁(ウシバリ)」の略。
<i>~に汗し棟(ムナギ)に充(ミ)つ</i>
〔柳宗元「陸文通先生墓表」〕
「汗牛充棟(カンギユウジユウトウ)」に同じ。
<i>~に経文</i>
どんなに説き聞かせても全くききめのないことのたとえ。 馬の耳に念仏。
<i>~に食らわる</i>
だまされる。 一杯食わされる。
「~れだまされた/狂言・鍋八撥」
<i>~に対して琴(コト)を弾(ダン)ず</i>
〔祖庭事苑〕
いくら高尚なことを説いて聞かせても, 愚かな者にはなんの役にも立たないことのたとえ。 馬の耳に念仏。
<i>~にひかれて善光寺参り</i>
〔長野の善光寺近くにいた欲深い老婆が, さらしていた布を角に引っ掛けて逃げた隣家の牛を追い, 知らずに善光寺へ行き信心を起こしたという言い伝えから〕
自分の意志からではなく, 他人に誘われてよい方に導かれることのたとえ。
<i>~にも馬にも踏まれず</i>
子供が無事に成長して, 一人前になることのたとえ。 牛馬にも踏まれず。
<i>~の歩み</i>
進み具合の遅いことのたとえ。 牛歩(ギユウホ)。
<i>~の一散 (イツサン)</i>
〔普段はのろい牛が突然一目散に走り出すことがあるように〕
普段鈍い人が, 深く考えずに急に決断してむやみにはやり進むこと。
<i>~の小便</i>
だらだらと長く続くたとえ。 牛の小便十八町。
<i>~の寝た程</i>
物が大量にあることの形容。 山ほど。 たくさん。
「~金を取つて/歌舞伎・毛抜」
<i>~の涎(ヨダレ)</i>
長く細く続くことのたとえ。
「商いは~」
<i>~は嘶(イナナ)き馬は吼(ホ)え</i>
物事の逆さまなことのたとえ。 石が流れて木の葉が沈む。
<i>~は牛連れ、馬は馬連れ</i>
似たものどうしはいっしょに手を携えて行くのがよいというたとえ。 また, 同類の者が相集まることのたとえ。
<i>~は願いから鼻を通す</i>
〔牛はその天性によって鼻木を通される意〕
自ら望んで災いを受けることのたとえ。 牛と芥子(カラシ)は願いから鼻を通す。
<i>~を馬に乗り換える</i>
足の遅い牛を捨てて足の速い馬に乗り換える意。 好都合なものの方につくことのたとえ。
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