(1)品性が下劣なこと。 また, そのような人やさま。
「~な考え」
(2)身分の低い者。 素性のいやしい者。 下賤な者。
⇔ 上種
「~下郎」「女も男もいと~にはあらざりけれど/大和 148」
(3)召し使い。
「食(メシ)たかせける女のむめといふ~なり/浮世草子・五人女 4」
(4)(「下司」と書く)「げし(下司)」に同じ。
<i>~と鷹(タカ)とに餌(エ)を飼(カ)え</i>
鷹に食物を与えて手なずけるように, 卑しい者を使うには金品を与えるのがよい。
<i>~の後知恵(アトヂエ)</i>
愚かな者は事に臨んでは何の知恵もでないで, 過ぎたあとでようやく名案が浮かぶ。 下種の後(アト)思案。 下種の知恵は後から。
<i>~の一寸のろまの三寸</i>
戸障子を閉じるにも下種は一寸ばかり残し, のろまは三寸ばかり残す。 ともに何事にも注意の足りないこと。
<i>~の勘繰(カング)り</i>
品性の卑しい者はひがみっぽくて, 物事を悪く考えがちである。 また, その邪推。
<i>~の逆恨(サカウラ)み</i>
下種は好意で忠告してくれた人にも感謝しようとはしないで, かえって恨む。
<i>~の猿知恵(サルヂエ)</i>
下賤の者はいくら考えても, 浅はかな知恵しかでない。
<i>~の知恵(チエ)は後(アト)から</i>
「下種の後知恵」に同じ。
<i>~は槌(ツチ)で使え</i>
下種には道理を説いてもわからないから, 叩いたりして使うのがよい。
<i>~も三食(サンジキ)上臈(ジヨウロウ)も三食</i>
事柄によっては上下貴賤(キセン)の区別のないこと。
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