※一※
(1)内容が不定, あるいは未知であることや物を指す。
「~いいことがありそうだ」「穴の中に~がいる」「心の中に~を期している様子だ」
(2)(「…かなにか」「…やなにか」の形で)同類のものを指し示すのに用いられる。 また, はっきりと言わずにぼかして言うときに用いられる。
「誰かが来て果物か~置いて行ったよ」「うちの子は本や~はちっとも読もうとしない」
(3)(副詞的に)何だか。 どうしてか。 なぜか。
「~寂しい」
(4)(軽く相手の意を確かめるようなときに発する)そういうことか。 …であるのか。
「それなら~, 僕が悪いというのか」
※二※
(1)(疑問を表し, 下に反対の内容を導いて)どうして…なのだろう。 なぜ…なのか。
「かくしあらば~植ゑけむ/万葉 1907」「ほととぎす思はずありき木の暗(クレ)のかくなるまでに~来鳴かぬ/万葉 1487」
(2)(感動詞的に)上の語, または相手の言葉を軽く否定して, 反対のことを述べる時に用いる。 いやいや。 なあに。
「~それが売りたるを買ひて, かくしたるぞ/落窪 3」
<i>~せん</i>
何になろうか, 何にもならない。
「春の心長閑けしとても~ん/風雅(春下)」
<i>~と言うと</i>
何かきっかけがあるたびに, いつも同じ言動をとるさま。
「彼は~その話を持ち出す」
<i>~と言えば</i>
「何かと言うと」に同じ。
<i>~は</i>
疑問・反語の意を表す。 どうして…か, そんなことはない。 何になろうか, 何にもならない。
「葎(ムグラ)はふ下にも年はへぬる身の~玉のうてなをも見む/竹取」
<i>~はせん</i>
何になろうか, 何にもならない。 どうにもならない。
「みにくき姿を待ちえて~/徒然 7」
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