(1)人・動物などが命を保つ。 生存する。
⇔ 死ぬ
「百歳まで~・きるつもりでいる」「羊は牧草だけを食べて~・きている」
(2)生活する。 暮らす。 文学的な表現として, 「…に生きる」「…を生きる」の形で, 生活の場所・場面・時間を示すこともある。
「常に前途に希望を抱いて~・きる」「当時は女が一人で~・きてゆくのは大変だった」「彼は海に~・き, 海に死んだ」
(3)(「命を生きる」など, 命を表す語を目的語として)一生を送る。 やや文学的表現。
「限られた命を精いっぱい~・きる」「一生を貧しい人たちのために~・きた」
(4)(「…に生きる」の形で)そこに生きがいを見いだして暮らす。
「芸一筋に~・きる」
(5)死んだ者, 失われたものの名残や影響が残る。
「死んだ夫はまだ私の心の中に~・きている」「先代社長の経営哲学は今なお~・きている」
(6)(「活きる」とも書く)そのものがもっている本来の機能・能力が発揮される。 有効に働く。
⇔ 死ぬ
「一〇〇年前の条約がまだ~・きている」「ちょっとした塩加減で料理の味が~・きる」
(7)(普通「活きる」と書く)囲碁で, 一連の石が二つ以上の独立した目をもつ。
⇔ 死ぬ
「隅の黒石は~・きている」
(8)野球で, 塁に出た選手がアウトにならずにすむ。
⇔ 死ぬ
「サードのエラーで~・きた」
〔上代・平安時代は四段活用。 中世以降, 次第に上二段活用になった〕
生きた心地(ココチ)もしない
生きているような気がしなくなるほど, 恐ろしい, または苦しい。
生きた空もない
「生きた心地もしない」に同じ。