(1)空間的に基準面よりかなり上にある。 (ア)物の下端から上端までの差が大きい。 上方に伸びている。
「背の~・い人」「~・い山」「雪が~・く積もる」(イ)離れて上の方に位置している。 はるか上方にある。 「~・い秋空」「ヒバリが~・く舞い上がる」「日はまだ~・い」(ウ)前方に突き出ている。 「~・い鼻」
(2)音や香りが顕著である。 (ア)高音である。 音や声の振動数が多い。 「~・い方のドの音」「~・い声で歌う」(イ)音や声が大きい。 「声が~・い。 静かにしろ」(ウ)
〔(イ)から転じて〕
世間に広く知れわたっている。
「評判が~・い」「世評が~・い」「悪名が~・い」(エ)香りが強い。 「梅の香りが~・い」
(3)序列・価値が上位にある。 (ア)地位・格式などが上位である。
「身分が~・い」「~・い家柄」(イ)教養・能力などがすぐれている。 「識見が~・い」「目が~・い」「知能が~・い」(ウ)品位・品格がすぐれている。 「格調が~・い」「気品が~・い」「~・く評価する」
(4)志向が高尚である。 低俗なものを嫌う。
「理想が~・い」「志が~・い」「気位が~・い」
(5)数量的に多い。 (ア)金銭的に額が多い。
⇔ 安い
「物価が~・い」(イ)程度を数値で表した時, その数値が大きい。
「血圧が~・い」「気温が~・い」「年~・くなりて/宇治拾遺24」
(6)時間的に遠い。
「~・き昔の道慕へども/続後拾遺(雑下)」
(7)尊大である。
「下から出りやあ恐ろしい~・え/人情本・辰巳園(初)」
⇔ 低い
→ お高い
﹛派生﹜~さ(名)~み(名)
︱慣用︱ 敷居が~・頭が~・鼻が~・目が~/ただより高い物はない・枕を高くする。
高きに登る
(昔, 中国で九月九日の重陽(チヨウヨウ)の節句に災厄をまぬがれるために高い所へ登った風俗をまねて)丘や高台などに登る。
高きに登るは必ず低きよりす
〔書経(太甲下)〕
物事の進行には一定の順序があり, 手近な所から始めねばならない。
高くつく
安く買ったつもりが, 後日の追加支出などのためにかえって高額なものになってしまう。