ずっと大昔の話、この世の生き物には「寿命」が無かったので、神様はすべての生き物に寿命を授けることにした
まずは、鳥と魚たちの寿命を決めて、それから陸地の生き物には三十年という寿命を決めた
すると、いつも人間に叩かれこき使われている馬が「30歳では多すぎる」と訴えた
仕方なく神様は馬の寿命を20歳としてあげた
今度は、いつも人間の食料の番をするために寝不足の犬が「30歳では多すぎる」と訴えた
可哀そうにと思った神様は、犬の寿命を10歳とした
しかし人間は「30歳では全然足りません!」と、元気いっぱいに訴えた
長生きして沢山の子供たちと楽ーしく暮らしたい!と訴える人間の欲深さに呆れつつも、神様は馬から引いた10歳と犬から引いた20歳を足してあげた
こうして人間の寿命は60歳となった
神様が年定めをしてからは、馬は苦労しても20年で、犬は疲れても10年でこの世を去ることができるようになった
しかし、人間は30歳を過ぎると馬のように重荷を負う事になり、40歳を過ぎると犬のように夜もおちおち眠れなくなった
人間は欲をかいたために、年をとってから苦労ばかりするようになった