むかし むかし、ある国の おしろに、
むかし むかし、ある国の おしろに、
子どもの いない 王さまと おきさきさまが いました。
かわいい 赤ちゃんが、 さずかるようにと、
ふたりは、毎日、 神さまに おいのりして いました。
やがて、その ねがいが 神さまに つうじて、
おきさきさまは、かわいい 女の 赤ちゃんを 生みました。
その子は、はだが ゆきのように、白かったので、
『しらゆきひめ』と、名づけられました。
しらゆきひめは、 すくすくと せいちょうし、
くろかみの うつくしい 女の子に なりました
しらゆきひめは、しあわせな 毎日を すごして いましたが、
あるとき、おきさきさまが、 びょうきになって しまったのです。
しらゆきひめ、王さまを たすけて、
いつまでも しあわせに くらすのですよ・・・。
それが、おきさきさまの さいごの ことばでした。
おかあさま!
王さまも、しらゆきひめも、 つらく、かなしい日を
すごせなければ ならなく なりましたが、
やがて、王さまは、 あたらしい おきさきを もらいました。
その おきさきは、じぶんの うつくしさが、 たいそう じまんでした。
おきさきの へやには、 大きな かがみが ありました。
おきさきは、毎日、毎日、そのかがみに むかって こう たずねるのです。
かがみよ、かがみ。 世界中で 一番 うつくしいのは、いったい だれだい?
おしえて おくれ・・・
世界中で 一番 うつくしいのは、 おきさきさま、あなたで ございます!
そうきくと おきさきは とても まんぞくでした。
それから 何年かが すぎました。
しらゆきひめは、とても うつくしい おひめさまに せいちょうしたのです。
ある日、いつものように、 おきさきが かがみに たずねると、
世界中で 一番 うつくしいのは・・・・・・
一番 うつくしいのは?・・・・・・
・・・・・それは・・・・、 しらゆきひめさまで ございます・・・・。
なんですって?! しらゆきひめが、 この わたしよりも うつくしいですって?!
おきさきが、なんと たずねても、 かがみの こたえは、おなじです。
なっ・・・なんてことなの!! ふん!!
おこった おきさきは、 けらいを よびつけ
ひめを ころして くろかみを すべて きりとって もちかえるよう めいれいしました。
ずいぶん 森の おくまで きたわねぇ・・・・。 どこまで いくの?
けらいには、こんな かわいい ひめの いのちを うばうなんて、どうしても できませんでした。
そこで けらいは、ひめに わけをはなし、 こっそり にがすことに したのです。
・・・・どうか、ごぶじで・・・・・
くらい 森の中を さまよい あるいた しらゆきひめは、
だんだん こころぼそく なりました。
すると、とおくに いえが 見えて きました。
ちかづいてみると、それは、 とても ちっちゃな いえでした。
その いえの 中の ものは、ちいさくて、 かわいらしいもの ばかりでした
つかれていた しらゆきひめは、 ベッドに よこになると、
スヤスヤと ねむって しまったのです。
山へ ほうせきを ほりに でかけていた ようせいたちが
かえってみると、 いえの とが あいて います。
なかへ はいってみると、 ベッドに しらゆきひめが
ねむって いるので、 みんな、びっくりしました。
おやおや、 きみは、いったい だれなんだい?
あら、わたし、ねむってしまったのね・・・。 ここは、あなたの おうち?
ごめんなさい、 だまって はいって しまって・・・。
いいや、そんなことは、かまわんさ。 それより、どこから きたんだい?
わたしは、しらゆきひめです。
ずうっと とおくの おしろから きました。
もう、その おしろへは、かえれません。
それは、おかわいそうに・・・・
どうぞ、いつまでも、 ここにいて ください。
よくあさ、ようせいたちが しごとに でて いくと、
しらゆきひめは、パイを やいたり、 ケーキを つくったり、
おそうじを したり、 せんたくを したりして、
ようせいさんたちの かえりを まちました。
そのころ、おしろでは、 なにも しらない おきさきが
けらいが もちかえった くろい かみのけを みて、
ひめが しんだと おもいこみ、 とても よろこんで いました。
これで 世界一 うつくしいのは、 この わたし!
でも、じつは、それは、 しらゆきひめの かみのけでは なく、
うまの しっぽでしたが、 おきさきは、きがつきません。
おきさきは、さっそく かがみに たずねました。すると・・・・。
世界一 うつくしいのは、やはり しらゆきひめさまで ございます。
なんだって! しらゆきひめは、 しんだのでは ないのか!?
しらゆきひめさまは、森のおくの 小さな いえに すんで おられます。
しらゆきひめめ! まだ 生きて いたのかっ!
しらゆきひめ、こんどこそ、 いきのねを とめてやるぞ!
おきさきは、りんごうりに ばけて、 どくを ぬった りんごを
しらゆきひめに たべさせる つもりなのです。
どなたですか?
りんごうりの ばあさんじゃがな、
ころんで 足を くじいて しまったんじゃよ。
すこし やすませて もらえんじゃろうか?
心の やさしい しらゆきひめは おばあさんを やすませて あげました。
おれいに、この りんごを さしあげよう。
まぁ! こんなに まっ赤な りんご、はじめてだわ!!
とくべつ おいしい りんごじゃよ。 さぁ、はやく おたべ!
どくの りんごを たべた しらゆきひめは、 バタリと たおれて しまいました。
かわいそうに、しらゆきひめは、 もう 目を ひらきません。
かえってきた ようせいたちは、びっくりです。
7人が 口ぐちに はなしかけても、 なにも こたえなくなって しまったのです。
みんなと おなじように しらゆきひめの ことを かなしんで いるのか、
いつのまにか 空も まっくらに なりました。
そして、かみなりが なり、はげしい 雨が ふり、 とうとう あらしに なりました。
いっぽう、 りんごうりに ばけた おきさきは、
かえる とちゅう、かみなりに うたれて しんで しまいました。
ちょうど、そのころ、となりの国の 王子さまが、 みちに まよって いました。
お・・・、あんな ところに いえが ある。
あそこで 雨やどり させて もらおう・・・・。
王子が いえの中に はいって みると、
なにか ようすが へんなことに きづきました
どうかしたのですか?
わたしたちが るすに している あいだに、
この、しらゆきひめさまが、 しんで しまわれたのです。
でも、ひめの ほほも、くちびるも、 まるで 生きている ようでは ありませんか。
・・・どくの、においだ・・・。
でも、ひめは、すこししか、 りんごを かじっていない・・・。
しらゆきひめさまっ!!
生きかえった!!
ひめは、ねむって いただけなのですよ。
すばらしい あさが きました。
王子さまが しらゆきひめを じぶんの おしろに つれて いくのです。
ふたりは、すぐに、けっこんしきを あげ、
いつまでも、いつまでも、 なかよく、しあわせに くらしました。
むかし むかし、ある国の おしろに、
国
Country, state; region; national government, central government; home (i.e. hometown, home country); province (of japan); land, earth
子どもの いない 王さまと おきさきさまが いました。
かわいい 赤ちゃんが、 さずかるようにと、
赤ちゃん
Baby, infant
ふたりは、毎日、 神さまに おいのりして いました。
毎日
Every day
やがて、その ねがいが 神さまに つうじて、
おきさきさまは、かわいい 女の 赤ちゃんを 生みました。
赤ちゃん
Baby, infant
女
Woman, girl, daughter; chinese "girl" constellation (one of the 28 mansions)
その子は、はだが ゆきのように、白かったので、
子
First sign of chinese zodiac (the rat, 11pm-1am, north, november)
白い
White
『しらゆきひめ』と、名づけられました。
しらゆきひめは、 すくすくと せいちょうし、
くろかみの うつくしい 女の子に なりました
女の子
Girl
しらゆきひめは、しあわせな 毎日を すごして いましたが、
毎日
Every day
あるとき、おきさきさまが、 びょうきになって しまったのです。
しらゆきひめ、王さまを たすけて、
いつまでも しあわせに くらすのですよ・・・。
それが、おきさきさまの さいごの ことばでした。
おかあさま!
王さまも、しらゆきひめも、 つらく、かなしい日を
日
Day, days; sun, sunshine, sunlight; case (esp. unfortunate), event
すごせなければ ならなく なりましたが、
やがて、王さまは、 あたらしい おきさきを もらいました。
その おきさきは、じぶんの うつくしさが、 たいそう じまんでした。
おきさきの へやには、 大きな かがみが ありました。
大きな
Big, large, great
おきさきは、毎日、毎日、そのかがみに むかって こう たずねるのです。
毎日
Every day
かがみよ、かがみ。 世界中で 一番 うつくしいのは、いったい だれだい?
一番
Pair, couple, brace
世界中
Around the world, throughout the world
おしえて おくれ・・・
世界中で 一番 うつくしいのは、 おきさきさま、あなたで ございます!
一番
Pair, couple, brace
世界中
Around the world, throughout the world
そうきくと おきさきは とても まんぞくでした。
それから 何年かが すぎました。
何
What; how many; you-know-what, that; whatsit, what''s the expression, what do you call them; what?; hey!
年
Year; many years; age; past one''s prime, old age
しらゆきひめは、とても うつくしい おひめさまに せいちょうしたのです。
ある日、いつものように、 おきさきが かがみに たずねると、
日
Day, days; sun, sunshine, sunlight; case (esp. unfortunate), event
世界中で 一番 うつくしいのは・・・・・・
一番
Pair, couple, brace
世界中
Around the world, throughout the world
一番 うつくしいのは?・・・・・・
一番
Pair, couple, brace
・・・・・それは・・・・、 しらゆきひめさまで ございます・・・・。
なんですって?! しらゆきひめが、 この わたしよりも うつくしいですって?!
おきさきが、なんと たずねても、 かがみの こたえは、おなじです。
なっ・・・なんてことなの!! ふん!!
なんて
Such as, (things) like; exclamation
おこった おきさきは、 けらいを よびつけ
ひめを ころして くろかみを すべて きりとって もちかえるよう めいれいしました。
ずいぶん 森の おくまで きたわねぇ・・・・。 どこまで いくの?
森
Forest; shrine grove
けらいには、こんな かわいい ひめの いのちを うばうなんて、どうしても できませんでした。
こんな
Such (about something or someone close to the speaker (including the speaker), or about ideas expressed by the speaker), like this
なんて
Such as, (things) like; exclamation
そこで けらいは、ひめに わけをはなし、 こっそり にがすことに したのです。
こっそり
Stealthily, secretly
・・・・どうか、ごぶじで・・・・・
くらい 森の中を さまよい あるいた しらゆきひめは、
森
Forest; shrine grove
くらい
Approximately, about, around, or so; to (about) the extent that, (almost) enough that, so ... that ..., at least; as ... as ..., like
中
Inside, in; among, within; center (centre), middle; during, while
だんだん こころぼそく なりました。
だんだん
Thank you (dialect from the izumo region of shimane prefecture)
すると、とおくに いえが 見えて きました。
すると
Thereupon, hereupon
見える
To be seen, to be in sight; to look, to seem, to appear; to come
ちかづいてみると、それは、 とても ちっちゃな いえでした。
その いえの 中の ものは、ちいさくて、 かわいらしいもの ばかりでした
中
Inside, in; among, within; center (centre), middle; during, while
つかれていた しらゆきひめは、 ベッドに よこになると、
ベッド
Bed
スヤスヤと ねむって しまったのです。
山へ ほうせきを ほりに でかけていた ようせいたちが
山
Mountain, hill
かえってみると、 いえの とが あいて います。
なかへ はいってみると、 ベッドに しらゆきひめが
ベッド
Bed
ねむって いるので、 みんな、びっくりしました。
おやおや、 きみは、いったい だれなんだい?
あら、わたし、ねむってしまったのね・・・。 ここは、あなたの おうち?
ごめんなさい、 だまって はいって しまって・・・。
いいや、そんなことは、かまわんさ。 それより、どこから きたんだい?
そんな
Such (about the actions of the listener, or about ideas expressed or understood by the listener), like that, that sort of
わたしは、しらゆきひめです。
ずうっと とおくの おしろから きました。
もう、その おしろへは、かえれません。
それは、おかわいそうに・・・・
どうぞ、いつまでも、 ここにいて ください。
どうぞ
Please, kindly, i beg of you; by all means, feel free, you are welcome; here you are
よくあさ、ようせいたちが しごとに でて いくと、
しらゆきひめは、パイを やいたり、 ケーキを つくったり、
ケーキ
Cake
おそうじを したり、 せんたくを したりして、
ようせいさんたちの かえりを まちました。
そのころ、おしろでは、 なにも しらない おきさきが
けらいが もちかえった くろい かみのけを みて、
ひめが しんだと おもいこみ、 とても よろこんで いました。
これで 世界一 うつくしいのは、 この わたし!
世界一
Best in the world
でも、じつは、それは、 しらゆきひめの かみのけでは なく、
うまの しっぽでしたが、 おきさきは、きがつきません。
おきさきは、さっそく かがみに たずねました。すると・・・・。
すると
Thereupon, hereupon
世界一 うつくしいのは、やはり しらゆきひめさまで ございます。
世界一
Best in the world
なんだって! しらゆきひめは、 しんだのでは ないのか!?
だって
After all, because; but; even; too, as well, also; they say, i hear, you mean
しらゆきひめさまは、森のおくの 小さな いえに すんで おられます。
森
Forest; shrine grove
小さな
Small, little, tiny
しらゆきひめめ! まだ 生きて いたのかっ!
生きる
To live, to exist; to make a living, to subsist; to be in effect, to be in use, to function; to come to life, to be enlivened; to be safe (in baseball, go, etc.)
しらゆきひめ、こんどこそ、 いきのねを とめてやるぞ!
おきさきは、りんごうりに ばけて、 どくを ぬった りんごを
しらゆきひめに たべさせる つもりなのです。
どなたですか?
りんごうりの ばあさんじゃがな、
ころんで 足を くじいて しまったんじゃよ。
足
Foot; leg; gait; pace; bottom structural component (i.e. radical) of a kanji; means of transportation; money, coin
すこし やすませて もらえんじゃろうか?
心の やさしい しらゆきひめは おばあさんを やすませて あげました。
心
Mind, heart, spirit; the meaning of a phrase (riddle, etc.)
おれいに、この りんごを さしあげよう。
まぁ! こんなに まっ赤な りんご、はじめてだわ!!
こんなに
So, like this, in this way
赤
Red, crimson, scarlet; red-containing colour (e.g. brown, pink, orange); red (i.e. communist); red light; red ink (i.e. in finance or proof-reading), (in) the red; complete, total, perfect, obvious; copper
とくべつ おいしい りんごじゃよ。 さぁ、はやく おたべ!
どくの りんごを たべた しらゆきひめは、 バタリと たおれて しまいました。
かわいそうに、しらゆきひめは、 もう 目を ひらきません。
目
Eye, eyeball; eyesight, sight, vision; look, stare, glance; an experience; viewpoint; stitch, texture, weave; ordinal number suffix; somewhat, -ish
かえってきた ようせいたちは、びっくりです。
7人が 口ぐちに はなしかけても、 なにも こたえなくなって しまったのです。
人
Person
口
Mouth, speech; counter for people or implements
みんなと おなじように しらゆきひめの ことを かなしんで いるのか、
いつのまにか 空も まっくらに なりました。
空
Sky, the heavens
そして、かみなりが なり、はげしい 雨が ふり、 とうとう あらしに なりました。
雨
Rain
いっぽう、 りんごうりに ばけた おきさきは、
かえる とちゅう、かみなりに うたれて しんで しまいました。
とちる
To flub (one''s lines); to be flustered, to be confused; to bungle, to mess up, to blunder
ちょうど、そのころ、となりの国の 王子さまが、 みちに まよって いました。
王子
Prince
国
Country, state; region; national government, central government; home (i.e. hometown, home country); province (of japan); land, earth
お・・・、あんな ところに いえが ある。
あんな
Such (about something or someone distant from both speaker and listener, or about a situation unfamiliar to both speaker and listener), so, that, sort of
あそこで 雨やどり させて もらおう・・・・。
雨
Rain
王子が いえの中に はいって みると、
王子
Prince
中
Inside, in; among, within; center (centre), middle; during, while
なにか ようすが へんなことに きづきました
どうかしたのですか?
どうか
Please, somehow or other
わたしたちが るすに している あいだに、
この、しらゆきひめさまが、 しんで しまわれたのです。
でも、ひめの ほほも、くちびるも、 まるで 生きている ようでは ありませんか。
生きる
To live, to exist; to make a living, to subsist; to be in effect, to be in use, to function; to come to life, to be enlivened; to be safe (in baseball, go, etc.)
・・・どくの、においだ・・・。
でも、ひめは、すこししか、 りんごを かじっていない・・・。
しらゆきひめさまっ!!
生きかえった!!
ひめは、ねむって いただけなのですよ。
すばらしい あさが きました。
王子さまが しらゆきひめを じぶんの おしろに つれて いくのです。
王子
Prince
ふたりは、すぐに、けっこんしきを あげ、
いつまでも、いつまでも、 なかよく、しあわせに くらしました。
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