風疹ふうしん “ワクチン接種せっしゅの検討けんとうを” 国立こくりつ感染かんせん症しょう研究所けんきゅうじょ

風疹ふうしんは首都しゅと圏けんを中心ちゅうしんに感染かんせんが広ひろがっていて、今月こんげつ19日にちまでのことしの感染かんせん者しゃ数すうは、千葉ちば県けんで62人にん、東京とうきょう都とで49人にんと合あわせて111人にんに上のぼりました。

今月こんげつ12日にちまでのそのほかの道府県どうふけんの医療いりょう機関きかんから報告ほうこくされた患者かんじゃ数すうを合あわせると、全国ぜんこくの患者かんじゃ数すうは少すくなくとも170人にんになり、去年きょねん１いち年間ねんかんの患者かんじゃ数すうをすでに70人にん以上いじょう上回うわまわっています。

国立こくりつ感染かんせん症しょう研究所けんきゅうじょは、ワクチンの定期ていき接種せっしゅが行おこなわれていなかった世代せだいなどに当にあたる30代だいから50代だいの男性だんせいで、風疹ふうしんに感染かんせんした経験けいけんがなく接種せっしゅの記録きろくもない人ひとはワクチンの接種せっしゅを検討けんとうしてほしいとしています。

また、妊婦にんぷの感染かんせんを防ふせぐために、特とくに妊婦にんぷの家族かぞくや妊婦にんぷと接触せっしょくする機会きかいが多おおい人ひと、それに今後こんご、妊娠にんしんする可能かのう性せいのある女性じょせいは、感染かんせんした経験けいけんや接種せっしゅの記録きろくがはっきりしなければワクチンの接種せっしゅを検討けんとうするよう呼よびかけています。

“30～50代だい男性だんせいで感染かんせん未み経験けいけん・未み接種せっしゅの人ひとは検討けんとうを”

国立こくりつ感染かんせん症しょう研究所けんきゅうじょによりますと、風疹ふうしんのワクチンの定期ていき接種せっしゅの制度せいどは年代ねんだいによって変かわってきました。

平成へいせい２に年ねん４月しがつ２に日にち以降いこうに生うまれた人ひとは男女だんじょともに２に回かいのワクチン接種せっしゅが行おこなわれています。それ以前いぜんは制度せいどが異ことなり、女性じょせいでは昭和しょうわ37年ねん4月つき2日にち以降いこうに生うまれた人ひとは１いち回かいのワクチン接種せっしゅが行おこなわれました。それよりも上うえの世代せだいの女性じょせいはワクチンの定期ていき接種せっしゅはありませんでした。

一方いっぽうの男性だんせいは、昭和しょうわ54年ねん４月しがつ２に日にちから平成へいせい２に年ねん４月しがつ１いち日にちまでに生うまれた人ひとは１いち回かいのワクチンの接種せっしゅが行おこなわれました。しかし、昭和しょうわ54年ねん4月つき1日にち以前いぜんに生うまれた男性だんせいは１いち回かいも接種せっしゅが行おこなわれていません。

このため、男性だんせいの39歳さいの一部いちぶと40歳さい以上いじょうで相対そうたい的てきに免疫めんえきが十分じゅうぶんでない人ひとが多おおく、感染かんせんしやすい世代せだいと見みられています。ただ、広ひろく風疹ふうしんの感染かんせんが起おきていた比較ひかく的てき、高齢こうれいの人ひとたちでは自然しぜんの感染かんせんで免疫めんえきがある人ひとも少すくなくないと見みられています。

一方いっぽう、ワクチンの定期ていき接種せっしゅが行おこなわれている年代ねんだいでもなんらかの事情じじょうで接種せっしゅできなかった人ひとが一定いってい数すういると見みられています。

今月こんげつ12日にちまでに風疹ふうしんの感染かんせんが報告ほうこくされた全国ぜんこくの139人にんの患者かんじゃの内訳うちわけを見みると、性別せいべつや年齢ねんれい別べつで大おおきな差さが見みられます。性別せいべつで見みると、男性だんせいが107人にんなのに対にたいして女性じょせいが32人にんと男性だんせいの患者かんじゃが女性じょせいのおよそ３さん倍ばいに上のぼっています。さらに男性だんせいを年齢ねんれい別べつに見みると、40代だいから50代だいが全体ぜんたいのおよそ半分はんぶんを占しめています。

国立こくりつ感染かんせん症しょう研究所けんきゅうじょは30代だいから50代だいの男性だんせいで風疹ふうしんに感染かんせんした経験けいけんがなく接種せっしゅの記録きろくもない人ひとはワクチンの接種せっしゅを検討けんとうしてほしいとしています。

また、妊婦にんぷの感染かんせんを防ふせぐために、特とくに妊婦にんぷの家族かぞくや妊婦にんぷと接触せっしょくする機会きかいが多おおい人ひと、それに今後こんご、妊娠にんしんする可能かのう性せいのある女性じょせいは、感染かんせんした経験けいけんや接種せっしゅの記録きろくがはっきりしなければ、ワクチンの接種せっしゅを検討けんとうするよう呼よびかけています。

専門せんもん家か「妊婦にんぷは最もっとも注意ちゅうい 家族かぞくや周囲しゅういの男性だんせいも検討けんとうを」

国立こくりつ感染かんせん症しょう研究所けんきゅうじょの多屋たや馨かおる子こ室長しつちょうは、風疹ふうしんについて、「抗体こうたいさえ持もっていればまずかからず、極きわめて予防よぼう接種せっしゅの効果こうかが高たかい感染かんせん症しょうだ」としたうえで、「妊娠にんしん20週しゅうまでの女性じょせいが感染かんせんすると、赤あかちゃんに障害しょうがいが残のこる可能かのう性せいがあるため最もっとも注意ちゅういしなければならないのは妊婦にんぷだ。今後こんご、妊娠にんしんの可能かのう性せいがある女性じょせいは事前じぜんに接種せっしゅするほか、妊婦にんぷの家族かぞくや同おなじ職場しょくばの男性だんせいなど特とくに30代だいから50代だいの男性だんせいはワクチン接種せっしゅが必要ひつようか検討けんとうしてほしい」と話はなしていました。