Actualités japonaises: iPS細胞で確認パーキンソン病の薬がALS患者にも効果か慶応大

iPS細胞さいぼうで確認かくにんパーキンソン病びょうの薬くすりがALS患者かんじゃにも効果こうかか慶応大けいおうだい

May 20, 2021 16:05

Furigana

全身ぜんしんの筋肉きんにくが次第しだいに動うごかなくなる難病なんびょうのALSの患者かんじゃに、パーキンソン病びょうに使つかわれている薬くすりを投与とうよすることで症状しょうじょうの進行しんこうを7か月かげつ、遅おくらせる効果こうかを確認かくにんしたと慶応けいおう大学だいがくのグループが発表はっぴょうしました。

患者かんじゃのiPS細胞さいぼうを使つかって薬くすりを特定とくていする「iPS細胞さいぼう創そう薬やく」の成果せいかだということです。

これは慶応けいおう大学だいがくの岡野おかの栄さかえ之の教授きょうじゅらのグループが、国くにの承認しょうにんを得えるための治験ちけんとして行おこないました。

ALS、筋すじ萎縮いしゅく性せい側がわ索さく硬化こうか症しょうは、全身ぜんしんの筋肉きんにくが次第しだいに動うごかなくなる難病なんびょうで、根本こんぽん的てきな治療ちりょう薬やくはありません。

グループは、患者かんじゃのiPS細胞さいぼうから作つくった、病気びょうきの状態じょうたいを再現さいげんした神経しんけい細胞さいぼうで実験じっけんを行おこなうことで、パーキンソン病びょうの治療ちりょうに使つかわれる「ロピニロール」という薬くすりがALSの進行しんこうを抑おさえる可能かのう性せいがあることを突き止つきとめました。

そして、ALSの患者かんじゃ合あわせて20人にんにこの薬くすりを投与とうよしたところ、半年はんとし間かんだけ薬くすりを飲のんだグループでは1年ねん後ごにおよそ9割わりが歩あるけなくなったり、しゃべることができなくなったりしたのに対にたいし、1年間ねんかん飲のみ続つづけたグループではおよそ4割わりにとどまったということです。

データを解析かいせきしたところ、症状しょうじょうの進行しんこうを7か月かげつ分ぶん遅おくらせるという結果けっかになったということです。

こうした、iPS細胞さいぼうを活用かつようして薬くすりを探さがす研究けんきゅうは「iPS細胞さいぼう創そう薬やく」と呼よばれ、最近さいきん、注目ちゅうもくされています。

岡野おかの教授きょうじゅは「これまでマウスの実験じっけんで効果こうかがあってもヒトでは効果こうかがないことが多おおかったが、『iPS細胞さいぼう創そう薬やく』によってかなりの手応てごたえを得えた。ALSが死しに至いたる病気びょうきでなくなるよう最大限さいだいげんの努力どりょくをしたい」と話はなしています。