ＮＡＳＡ、木星衛星探査機もくせいえいせいたんさき「エウロパ・クリッパー」打うち上あげ　生命せいめいが存在そんざいできるか調査ちょうさ

米航空宇宙局べいこうくううちゅうきょく（ＮＡＳＡ）の探査機たんさき「エウロパ・クリッパー」が東部時間とうぶじかん１４日午後じゅうよっかごご１２時じ６分ぷん、フロリダ州しゅうケネディ宇宙うちゅうセンターから米宇宙企業べいうちゅうきぎょうスペースＸのロケット「ファルコンヘビー」で打うち上あげられた。同探査機どうたんさきは木星もくせいの衛星えいせい「エウロパ」について生命せいめいが存在そんざいできる環境かんきょうかどうかを調査ちょうさする。

エウロパ・クリッパーは正常せいじょうに軌道きどうに乗のり、ＮＡＳＡは打うち上あげから約やく１時間じかん１０分後ぷんごに同探査機どうたんさきからの信号しんごうを受信じゅしんしたことを確認かくにんした。探査機たんさきの飛行中ひこうちゅうに電力でんりょくを供給きょうきゅうする大型太陽電池おおがたたいようでんちパネルは、打うち上あげから３時間後じかんごに展開てんかいされた。

エウロパ・クリッパーは、表面ひょうめんを氷こおりに覆おおわれた海うみを持もつ太陽系惑星たいようけいわくせいの調査ちょうさに特化とくかしたＮＡＳＡ初はつの宇宙船うちゅうせんだ。私わたしたちが知しっているような生命せいめいがこの衛星えいせいに居住可能きょじゅうかのうかどうかを見極みきわめることを目標もくひょうとしている。

同探査機どうたんさきは、エウロパの厚あつい氷殻ひょうかくの下したの海うみを調査ちょうさするために、９種類しゅるいの機器ききと重力実験装置じゅうりょくじっけんそうちを搭載とうさい。エウロパの海うみには地球ちきゅうの海うみの２倍ばいの液体えきたいの水みずが含ふくまれていると推定すいていされている。

探査機たんさきは２９億おくキロを移動いどうし、２０３０年ねん４月がつに木星もくせいに到達とうたつする予定よてい。途中とちゅうで火星かせいと地球ちきゅうを接近通過せっきんつうかし、各惑星かくわくせいの重力じゅうりょくを利用りようして、燃料消費ねんりょうしょうひを抑おさえ、速度そくどを上あげながら木星もくせいに向むかう。

エウロパ・クリッパーは、欧州宇宙機関おうしゅううちゅうきかんの木星氷衛星探査機もくせいこおりえいせいたんさき「ジュース」と連携れんけいする。この探査機たんさきは２３年ねん４月がつに打うち上あげられ、３１年ねん７月がつに木星もくせいとその大型衛星群おおがたえいせいぐんに到達とうたつし、調査ちょうさを実施じっしする計画けいかくだ。

エウロパ・クリッパーはＮＡＳＡが惑星探査わくせいたんさミッションのために建造けんぞうした探査機たんさきとして史上最大しじょうさいだい。太陽電池たいようでんちパネルを広ひろげたときの幅はばは３０．５メートルにおよび、バスケットボールのコートよりも大おおきい。巨大きょだいなパネルは、地球ちきゅうと比くらべて太陽たいようとの距離きょりが５倍離ばいはなれているエウロパの調査中ちょうさちゅうに、探査機たんさきの装置そうちや電子機器でんしききに電力でんりょくを供給きょうきゅうするのに十分じゅうぶんな太陽光たいようこうを吸収きゅうしゅうできる。

探査機たんさきはエウロパに着陸ちゃくりくするのではなく、接近通過せっきんつうかを４９回実施かいじっしする。

最終的さいしゅうてきには、接近通過せっきんつうかによりエウロパの地表ちひょうから２５キロ以内いないに到達とうたつし、都度つどエウロパの異ことなる場所ばしょの上空じょうくうを飛行ひこうする。この手法しゅほうにより、探査機たんさきは衛星えいせいのほぼ全体ぜんたいをマッピングできる。