能登のと半島はんとう地震じしん SNSで真偽しんぎ不明ふめいや誤あやまりの情報じょうほう拡散かくさん 注意深ちゅういぶかく対応たいおうを

中なかには表示ひょうじ回数かいすうを増ふやすため被災ひさい者しゃを装よそおったとみられる投稿とうこうもあり、専門せんもん家かは「収入しゅうにゅうを目的もくてきとした情報じょうほうが増ふえているのが特徴とくちょうで、重要じゅうような内容ないようだとしてもすぐには投稿とうこうせず注意深ちゅういぶかく対応たいおうする必要ひつようがある」と指摘してきしています。

SNSのデータ分析ぶんせきに詳くわしい東京とうきょう大学だいがくの鳥海とりうみ不二夫ふじお教授きょうじゅは、X＝旧きゅうツイッターを中心ちゅうしんに発信はっしんされた情報じょうほうについて「地震じしんの発生はっせいが1月つき1日にちで、多おおくの人ひとが休やすみということもあり、数すう千せん万まん単位たんいの投稿とうこうがあった」と分析ぶんせきします。

投稿とうこうされた内容ないようについて鳥海とりうみ教授きょうじゅは「東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいの時ときはSNSを災害さいがい時じにどのように使つかえば良よいのかまだ分わかっていないことが多おおかったが、熊本くまもと地震じしんのあたりから浸透しんとうしてきた。災害さいがい発生はっせい直後ちょくごの混乱こんらん時じにはデマや誤あやまった情報じょうほうが出回でまわることがこれまでの知見ちけんで得えられているため、注意ちゅうい喚起かんきが行おこなわれるなど使つかわれ方かたも洗練せんれんされてきた印象いんしょうだ」と評価ひょうかしました。

いたずらから“収益しゅうえきねらい”も

被災ひさいした人ひとやその親族しんぞく、知人ちじんなどによる投稿とうこうにより救助きゅうじょや支援しえんにつながったケースがあった一方いっぽう、「助たすけてください」などということばに名前なまえと住所じゅうしょが添そえられて発信はっしんされた情報じょうほうの中なかには、架空かくうの住所じゅうしょが記しるされていたケースもありました。

背景はいけいについて鳥海とりうみ教授きょうじゅは、旧きゅうツイッターからXに変かわって導入どうにゅうされた投稿とうこうを参照さんしょうした数かずによって収益しゅうえきを上あげることができる仕組しくみをあげ「本当ほんとうに助たすけを求もとめる投稿とうこうと同おなじ内容ないようを書き込かきこんだとみられる。注目ちゅうもくを浴あびるという従来じゅうらいのいたずら目的もくてきから、金かねもうけの行為こういが見みられたのが特徴とくちょう的てきだ」と述のべました。

仕様しようの変更へんこうで情報じょうほうが発信はっしんしきれないケースも

また、Xの仕様しようの変更へんこうにより1つのアカウントで発信はっしんしたり閲覧えつらんしたりできる数かずの上限じょうげんが厳きびしくなったことで、公的こうてき機関きかんや災害さいがい情報じょうほうを集約しゅうやくして発信はっしんする民間みんかんのアカウントが投稿とうこうしにくくなったことは新あらたな課題かだいだと指摘してきします。

実際じっさいに去年きょねん、避難ひなん情報じょうほうなどを自動じどう発信はっしんしていた自治体じちたいのアカウントが、仕様しようの変更へんこうで投稿とうこう回数かいすうが制限せいげんされたケースもありました。

鳥海とりうみ教授きょうじゅは「東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい以降いこう、公的こうてき機関きかんや一般いっぱんの人ひとたちが被災ひさい地ちのためになるアプリケーションや情報じょうほう提供ていきょうできる環境かんきょうを整備せいびして熊本くまもと地震じしんなどで生いかされてきたが、Xの仕様しよう変更へんこうによって今回こんかいは情報じょうほうが発信はっしんしきれなくなってしまった」と述のべ、これまでどおり情報じょうほうが流ながれてくると考かんがえていた被災ひさい地ちの人ひとたちにとっては大おおきな問題もんだいになったと指摘してきしました。

その一方いっぽうで「災害さいがい時じに大手おおてメディアが伝つたえられる情報じょうほうには限かぎりがあり今回こんかいも災害さいがいでも非常ひじょうに役に立やくにたったのは間違まちがいない。足たりない情報じょうほうをSNSの力ちからで補完ほかんしていくことは重要じゅうようだ」と述のべました。

重要じゅうような情報じょうほうと思おもっても投稿とうこうするのはちょっと待まって

それでは災害さいがい時じに数多かずおおく発信はっしんされる投稿とうこうの真偽しんぎを見極みきわめるにはどうすればよいのでしょうか。

鳥海とりうみ教授きょうじゅは「『真偽しんぎを見極みきわめられる』と考かんがえること自体じたいが誤あやまりで、まず私わたしたちは『だまされるんだ』という前提ぜんていでSNSを利用りようするべきだ」と指摘してきします。

そして「『この情報じょうほうを拡散かくさんして大丈夫だいじょうぶか』と悩なやんだ場合ばあいには、重要じゅうような情報じょうほうだとしてもすぐには拡散かくさんしないでおくことが必要ひつようだ」と述のべました。

その上うえで万が一まんがいち、自分じぶんが拡散かくさんした情報じょうほうが間違まちがいだとわかった場合ばあいには、投稿とうこうを削除さくじょした上うえで速すみやかに誤あやまった情報じょうほうを流ながしたことを伝つたえるよう呼よびかけています。