中国ちゅうごく 26日にちから「5中ちゅう全会ぜんかい」経済けいざい政策せいさくや長期ちょうき目標もくひょうなど議論ぎろん

会場かいじょうになるとみられる軍ぐんの管理かんりする施設しせつの周囲しゅういには、多おおくの警察官けいさつかんや警察けいさつ車両しゃりょうが配置はいちされていました。

会議かいぎでは、来年らいねんから2025年ねんまでの経済けいざい政策せいさくの基本きほん方針ほうしんなどを盛り込もりこんだ新あらたな「5か年かねん計画けいかく」に加くわえ、2035年ねんまでの長期ちょうき目標もくひょうが議論ぎろんされ、最終さいしゅう日びに成果せいかをまとめたコミュニケが発表はっぴょうされる見通みとおしです。

焦点しょうてんは、アメリカとの覇権はけん争あらそいが激はげしくなっているハイテク分野ぶんやでどのような戦略せんりゃくを示しめすかで、内容ないようしだいでは米べい中ちゅうの新あらたな対立たいりつの火種ひだねとなる可能かのう性せいもあります。

一方いっぽう、今回こんかい、2035年ねんまでの国家こっか戦略せんりゃくを示しめす長期ちょうき目標もくひょうが策定さくていされれば、1995年ねんに当時とうじの江沢民こうたくみん指導しどう部ぶが示しめして以来いらい、25年ねんぶりで、習主席しゅせきの長期ちょうき政権せいけんの実現じつげんに向むけ、権力けんりょく基盤きばんをさらに盤石ばんじゃくにするねらいがあるとみられます。

「5中ちゅう全会ぜんかい」とは

中国ちゅうごく共産きょうさん党とうの「5中ちゅう全会ぜんかい」は、5年ねんに1度どの党とう大会たいかいで選出せんしゅつされる最高さいこう指導しどう機関きかんの1つの「中央ちゅうおう委員いいん会かい」が任期にんき中ちゅうに開ひらく、5回かい目めの全体ぜんたい会議かいぎのことです。

党とう大会たいかいは5年ねんに1度ど開ひらかれる党とうの最高さいこう意思いし決定けってい機関きかんで、党とうや政府せいふの要職ようしょくにつく幹部かんぶとなるおよそ200人にんの「中央ちゅうおう委員いいん」とおよそ160人にんの「中央ちゅうおう候補こうほ委員いいん」を選出せんしゅつし、中央ちゅうおう委員いいん会かいを組織そしきします。

そして、次つぎの党とう大会たいかいが開ひらかれるまでは、この中央ちゅうおう委員いいん会かいが党とう大会たいかいにかわり、年としに少すくなくとも1回かいは全体ぜんたい会議かいぎを開催かいさいし、重要じゅうよう政策せいさくや人事じんじなどを決定けっていすることになっています。

全体ぜんたい会議かいぎは、慣例かんれいでは5年間ねんかんで7回かい開ひらかれ、このうち、次つぎの党とう大会たいかいの2年ねん前まえに開ひらかれることが多おおい5中ちゅう全会ぜんかいでは、かつて、重要じゅうような決定けっていが行おこなわれてきました。

2010年ねんには現在げんざいの習近平ちから国家こっか主席しゅせきが軍ぐんの要職ようしょくの中央ちゅうおう軍事ぐんじ委員いいん会かいの副ふく主席しゅせきに選出せんしゅつされ、当時とうじの胡錦涛こきんとう国家こっか主席しゅせきを引き継ひきつぐ、最高さいこう指導しどう者しゃとしての地位ちいを固かためました。

また前回ぜんかい、2015年ねんには人口じんこうの増加ぞうかを抑制よくせいするために30年ねん以上いじょう行おこなわれてきたいわゆる「一人っ子ひとりっこ政策せいさく」の廃止はいしが決定けっていされています。

焦点しょうてんは長期ちょうき目標もくひょうと幹部かんぶの人事じんじ

今回こんかいの「5中ちゅう全会ぜんかい」の焦点しょうてんは2035年ねんまでの国家こっか戦略せんりゃくを示しめす長期ちょうき目標もくひょうと幹部かんぶの人事じんじです。

このうち、長期ちょうき目標もくひょうは策定さくていされれば1995年ねんに当時とうじの江沢民こうたくみん指導しどう部ぶが示しめして以来いらい、25年ねんぶりとなります。

習主席しゅせきとしては、2期き目めの任期にんきを大幅おおはばに超こえる2035年ねんまでの目標もくひょうを示しめすことで、長期ちょうき政権せいけんの実現じつげんに向むけた権力けんりょく基盤きばんを盤石ばんじゃくにしたいねらいがあるとみられます。

もう1つの焦点しょうてんが幹部かんぶ人事じんじです。

2010年ねんの5中ちゅう全会ぜんかいでは、現在げんざいの習主席しゅせきが中央ちゅうおう軍事ぐんじ委員いいん会かいの副ふく主席しゅせきに選出せんしゅつされ、次期じき最高さいこう指導しどう者しゃとしての地位ちいを固かためました。

このため、今回こんかいの5中ちゅう全会ぜんかいで習主席しゅせきの後継こうけい者しゃと目めされる幹部かんぶの抜ばってき人事じんじが行おこなわれなければ、習主席しゅせきの3期き目め以降いこうの続投ぞくとうの可能かのう性せいがますます高たかまります。

中国ちゅうごく共産党きょうさんとうは、先月せんげつ、新あらたな規則きそく、「中国ちゅうごく共産党きょうさんとう中央ちゅうおう委員いいん会かい工作こうさく条例じょうれい」を制定せいていし、習主席しゅせきを「核心かくしん」とする「党とう中央ちゅうおうの権威けんい」を擁護ようごするよう党とう幹部かんぶなどに義務ぎむづけていて、今回こんかいの5中ちゅう全会ぜんかいを前まえに習主席しゅせきへの権力けんりょく集中しゅうちゅうを強化きょうかしていました。

経済けいざい政策せいさくの焦点しょうてんは

今回こんかいの「5中ちゅう全会ぜんかい」の経済けいざい政策せいさくの焦点しょうてんは、ことし5月つきに初はじめて示しめされた「双そう循環じゅんかん」＝「2つの循環じゅんかん」と呼よばれる戦略せんりゃくを新あらたな5か年かねん計画けいかくでどのように打ち出うちだすかです。

戦略せんりゃくの具体ぐたい的てきな内容ないようは明あきらかになっていませんが、国内こくない経済けいざいの「循環じゅんかん」と国際こくさい経済けいざいの「循環じゅんかん」とを連結れんけつさせることにより、新あらたな発展はってんモデルを作つくるとしています。

このうち、主体しゅたいとなるのは国内こくないの「循環じゅんかん」で、高こう成長せいちょうを支ささえてきた輸出ゆしゅつへの依存いぞん度どを低下ていかさせ、内需ないじゅの拡大かくだいによって国内こくない産業さんぎょうを成長せいちょうさせるのがねらいとみられます。

一方いっぽう、国際こくさい的てきな「循環じゅんかん」については、国外こくがいからの投資とうしや先端せんたん技術ぎじゅつの移転いてんを呼び込よびこみ、国内こくない産業さんぎょうの高度こうど化かにつなげるねらいを指さしているとみられます。

2015年ねんに打ち出うちだした「中国ちゅうごく製造せいぞう2025」では、半導体はんどうたいの国産こくさん化か率りつを2025年ねんまでに70％に引き上ひきあげるなど、ハイテク分野ぶんやで世界せかいトップの水準すいじゅんを目指めざすと掲かかげ、この分野ぶんやの覇権はけんをめぐる米べい中ちゅう対立たいりつの引き金ひきがねにもなりました。

今回こんかいの「2つの循環じゅんかん」戦略せんりゃくでも中国ちゅうごくはハイテク分野ぶんやの育成いくせいにさらに力ちからを入いれる見通みとおしで、国内こくない主導しゅどうを打ち出うちだした背景はいけいには、こうしたハイテク製品せいひんの部品ぶひん調達ちょうたつなどを含ふくむサプライチェーン＝供給きょうきゅう網もうを国外こくがいに依存いぞんするリスクを減へらすねらいもあるとみられます。

このため、戦略せんりゃくの具体ぐたい的てきな内容ないようしだいでは米べい中ちゅうの新あらたな対立たいりつの火種ひだねとなる可能かのう性せいもあり、アメリカが、中国ちゅうごくとの経済けいざい的てきなつながりを切り離きりはなそうとする、いわゆる「デカップリング」が今後こんご、さらに進すすむのではないかという見方みかたも出でています。