幼くして父親を亡くした男の子が、母親のいいつけで茄子の苗を買ってきて植えると、苗はぐんぐん伸びて雲の上まで届いた。その茄子の木を登って雲の上に行くと、大きな屋敷があった。
そこにいたおじいさんが、毎日おいしい茄子を貰っているお礼だと言って、二人の娘に男の子をもてなさせた。そのあと、おじいさんは仕事があると言って雷様の姿になり、太鼓をたたき、娘の一人が鏡で稲妻を、もう一人が柄杓で雨をふらせた。
男の子はおもしろがって、娘から柄杓を借りて雨を降らそうとするが、雲から足を踏み外してしまった。落ちたところは桑畑で、運良く桑の木にひっかかり助かった。
それ以来、雷さまは、男の子を助けてくれたお礼に、桑の木の側には雷を落とさなくなったという。