性的人身売買などの罪で先月起訴された米音楽界の大物、ショーン・コムズ被告は、今後数週間のうちに100人以上の男女から新たな告発を受けることになる可能性があることが分かった。テキサス州ヒューストンを拠点とする弁護士トニー・バズビー氏が明らかにした。
バズビー氏は1日、記者会見で、自身の法律事務所のほか、提携する法律事務所には少なくとも120人の個人から「民事裁判でコムズ被告を提訴する」よう依頼を受けていると述べた。この人物らはコムズ被告とその他の個人や団体から「被害を受けた」として連絡してきたという。
バズビー氏によると、提起する予定の訴訟は、暴力的な性的暴行やレイプ、性的虐待、規制薬物を使った性行為の助長、不法監禁、売春の強要、性的違法行為、録画映像の流布、未成年者への性的虐待などの容疑が中心となる。
コムズ被告は先月、性的人身売買などの連邦法違反容疑で起訴されているが、無罪を主張している。
バズビー氏によると、同氏の事務所に依頼した120人は男女が半数ずつで、そのうち25人は事件当時未成年だった。事件はロサンゼルス、ニューヨーク、マイアミでのパーティーや、ときには音楽業界関連のオーディション中に起きたという。
コムズ被告の弁護士であるエリカ・ウルフ氏は声明で、被告は未成年者を含む誰かを性的に虐待したという主張について虚偽で名誉毀損(きそん)に当たるとして断固として否定するとし、起訴されれば法廷で無実を証明し、嫌疑を晴らしたいと考えていると説明した。そして法廷では、臆測ではなく証拠に基づいて真実が明らかにされるだろうと付け加えた。
バズビー氏によると、提訴は今後30日以内に行われる予定。
昨年11月以来、コムズ被告に対しては12件の民事訴訟が提起され、そのうち11件は被告による直接の性的暴行が告発されている。被告は自身に対する告発の多くを否定し、1件については和解したが、係争中の訴訟すべてにはまだ応じていない。