中国の今年の婚姻数が、記録を開始して以降で過去最低の水準にまで落ち込む見通しとなりつつある。当局の統計で明らかになった。中国では政府が結婚を促し、出産を奨励するためのキャンペーンを打ち出しているにもかかわらず、人口危機は深刻化している。
中国政府にとって、結婚や出産の落ち込みは大きな課題だ。政府は、労働人口の減少と、高齢化が減速する経済に与える影響について、懸念を強めている。
当局が発表した今年1~9月の婚姻数は約474万組で前年同期の569万組から16.6%減少した。
婚姻数は1300万組以上を記録した2013年をピークに減少基調にある。専門家によれば、今年の婚姻数は22年に記録した過去最低の683万組をも下回る見通し。婚姻数の記録は1980年ごろに始まっていた。
中国の人口は2年続けて減少しており、昨年の出生率は建国以来、過去最低の水準を記録していた。中国は2022年に人口最多の国の座をインドに奪われていた。
当局は、社会規範や政府の規制によって未婚のカップルが子どもを産むことが困難な中国では、婚姻数の減少と少子化に直接的なつながりがあるとみている。
中国当局はこうした状況を逆転しようと、若者に対し、結婚や出産を促すための金銭面でのインセンティブや宣伝活動などさまざまな取り組みを行っている。