自宅や職場に設置された監視カメラはただモニターするもの、というのが大半の人の認識だろう。だが、カメラが例えば我々の身の安全を守るために我々に代わってアクションを起こすとしたらどうだろうか。それを実現するのが米サンフランシスコ拠点のSpot AI(スポットAI)だ。急成長中の同社は10月31日、3100万ドル(約47億円)を調達したと発表した。
「ほとんどの人工知能(AI)は、コンピュータや他のデバイスに搭載されているだけのデジタル技術だ」とSpot AIのリッシュ・グプタ最高経営責任者(CEO)は言う。「我々は初めてAIを物理的な領域に持ち込んでいる」
グプタが意味するところは、Spot AIの技術はビデオ画像を分析し、それに応じてどのように対応すべきかを決定して実行に移すことができるということだ。例えば工場で用いれば、フォークリフトの運転手が他の作業員に近づきすぎていると判断して、自動的にブレーキをかけるということが考えられる。小売業では、客が会計のためにカウンターに近づいているが、販売員がいないことに気づき、スタッフを呼ぶというケースもあるかもしれない。そのほかにも、不審者が敷地や建物に入ろうとしていることに気づき、照明をつけたり、拡声器で侵入者を追い払ったり、警察に通報したりといったアクションを起こすというケースもありえる。