Japanese News: 19都道府県“宣言”延長分科会了承 “重点措置”酒提供緩和も

新型しんがたコロナウイルス対策たいさくで、専門せんもん家かでつくる分科ぶんか会かいは、今月こんげつ12日にちが期限きげんとなる21都道とどう府県ふけんの緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんについて、東京とうきょうや大阪おおさかなど19都道とどう府県ふけんで今月こんげつ30日にちまで延長えんちょうする一方いっぽう、宮城みやぎ県けんと岡山おかやま県けんは、まん延まんえん防止ぼうし等とう重点じゅうてん措置そちに移行いこうさせる政府せいふの方針ほうしんを了承りょうしょうしました。

新型しんがたコロナウイルス対策たいさくをめぐり9日にち午前ごぜん、感染かんせん症しょうなどの専門せんもん家かでつくる政府せいふの「基本きほん的てき対処たいしょ方針ほうしん分科ぶんか会かい」が開ひらかれました。

この中なかで西村にしむら経済けいざい再生さいせい担当たんとう大臣だいじんは、今月こんげつ12日にちが期限きげんとなっている21都道とどう府県ふけんの緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんについて、専門せんもん家かからは解除かいじょの判断はんだんにあたって今いままで以上いじょうに医療いりょうのひっ迫ひっぱく度どを重視じゅうしすべきだという考え方かんがえかたが示しめされていると説明せつめいしました。

そして「宮城みやぎ県けんと岡山おかやま県けん以外いがいの19都道とどう府県ふけんは医療いりょうがいまだ厳きびしい状況じょうきょうにあることから、都道とどう府県ふけんの意向いこうも踏ふまえ、引き続ひきつづき緊急きんきゅう事態じたい措置そちの対象たいしょうとすることとしたい」と述のべ、東京とうきょうや大阪おおさかなど19都道とどう府県ふけんで今月こんげつ30日にちまで延長えんちょうする一方いっぽう、宮城みやぎ県けんと岡山おかやま県けんは、まん延まんえん防止ぼうし等とう重点じゅうてん措置そちに移行いこうさせる方針ほうしんを諮はかりました。

また現在げんざい、重点じゅうてん措置そちが適用てきようされている12県けんのうち富山とやま、山梨やまなし、愛媛えひめ、高知こうち、佐賀さが、長崎ながさきの6県けんは解除かいじょし、そのほかの地域ちいきは今月こんげつ30日にちまで延長えんちょうする方針ほうしんも諮はかりました。

そのうえで西村にしむら大臣だいじんは、引き続ひきつづき人じんの流ながれを減へらしていくため、混雑こんざつした場所ばしょに外出がいしゅつする機会きかいを半分はんぶんに減へらすよう呼よびかけるとともに、大型おおがた商業しょうぎょう施設しせつでの入場にゅうじょう整理せいりを徹底てっていし、テレワークを推進すいしんしていく考かんがえを示しめしました。

そして「今いまはまず医療いりょうをしっかり強化きょうかし、感染かんせんの減少げんしょう傾向けいこうを確実かくじつなものにすることが重要じゅうようだ。国民こくみんに引き続ひきつづきご協力きょうりょくをいただきながら、何なにとしても感染かんせんをさらに低ひくい水準すいじゅんに抑おさえ医療いりょうの負荷ふかを下さげていくことに全力ぜんりょくを挙あげたい」と述のべました。

分科ぶんか会かいではこうした政府せいふの方針ほうしんについて議論ぎろんが行おこなわれ、了承りょうしょうされました。

これを受うけて政府せいふは、衆参しゅうさん両院りょういんの議院ぎいん運営うんえい委員いいん会かいに報告ほうこくし質疑しつぎを行おこなったうえで、午後ごご5時じから開ひらかれる対策たいさく本部ほんぶで正式せいしきに決定けっていし、その後そのご菅かん総理そうり大臣だいじんが午後ごご7時じをめどに記者きしゃ会見かいけんすることにしています。

これにより宣言せんげんの対象たいしょう地域ちいきは19都道とどう府県ふけんに、重点じゅうてん措置そちの適用てきよう地域ちいきは8県けんになります。

“重点じゅうてん措置そち”地域ちいき酒類しゅるい提供ていきょうなど制限せいげん緩和かんわも

政府せいふは新型しんがたコロナウイルス対策たいさくの基本きほん的てき対処たいしょ方針ほうしんを変更へんこうし、「まん延まんえん防止ぼうし等とう重点じゅうてん措置そち」の適用てきよう地域ちいきでは、知事ちじの判断はんだんにより自治体じちたいから感染かんせん対策たいさくの認証にんしょうを受うけるなどした飲食いんしょく店てんで午後ごご7時半じはんまで酒類しゅるいの提供ていきょうができるとしたほか、地域ちいきの感染かんせん状況じょうきょうを踏ふまえて午後ごご9時じまでの営業えいぎょうも可能かのうとすることなどを盛り込もりこむことにしています。

基本きほん的てき対処たいしょ方針ほうしんの変更へんこう案あんによりますと、「まん延まんえん防止ぼうし等とう重点じゅうてん措置そち」の適用てきよう地域ちいきでは知事ちじの判断はんだんにより、自治体じちたいから感染かんせん対策たいさくの認証にんしょうを受うけるなどした飲食いんしょく店てんで、午後ごご7時半じはんまで酒類しゅるいの提供ていきょうができるとしたほか、地域ちいきの感染かんせん状況じょうきょうなどを踏ふまえて、午後ごご9時じまでの営業えいぎょうも可能かのうとするなどとしています。

一方いっぽうで重点じゅうてん措置そちの対象たいしょう地域ちいきでも、依然いぜん多おおくの感染かんせんが起おきているとして、混雑こんざつした場所ばしょへの外出がいしゅつを半減はんげんさせるよう、住民じゅうみんに強力きょうりょくに呼よびかけるとしています。

このほか変更へんこう案あんでは、今後こんごの方針ほうしんとして、ワクチン接種せっしゅの進捗しんちょく（しんちょく）状況じょうきょうを踏ふまえ、緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんの対象たいしょう地域ちいきなどでの行動こうどう制限せいげんの縮小しゅくしょうや見直みなおしについて、自治体じちたいとの議論ぎろんなどを踏ふまえ、具体ぐたい化かを進すすめるとしています。

また、水際みずぎわ対策たいさくについて、国内こくない外がいでワクチン接種せっしゅが進すすむ中なか、ワクチンの有効ゆうこう性せいも踏ふまえ、行動こうどう管理かんりや検査けんさを組み合くみあわせた入国にゅうこく管理かんり措置そちを講こうじるなど、段階だんかい的てきな見直みなおしに取り組とりくむとしています。

ただ、ワクチン接種せっしゅが先行せんこうしている諸しょ外国がいこくでも、大だい規模きぼな感染かんせん拡大かくだいが発生はっせいしていることや、感染かんせん症しょうが流行りゅうこうしやすい冬場ふゆばに備そなえ、医療いりょう提供ていきょう体制たいせいの確保かくほに万全ばんぜんを期きすとしています。

尾身おみ会長かいちょう「制限せいげんの緩和かんわは宣言せんげんが解除かいじょされることが前提ぜんてい」

基本きほん的てき対処たいしょ方針ほうしん分科ぶんか会かいの尾身おみ茂しげる会長かいちょうは会合かいごうのあと報道ほうどう陣じんの取材しゅざいに応おうじ、緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんなどに関にかんする政府せいふの方針ほうしんを了承りょうしょうしたと述のべたうえで、専門せんもん家かから政府せいふに対にたいして提案ていあんを行おこなったことを明あきらかにしました。

提案ていあんの内容ないようについて、尾身おみ会長かいちょうは「ワクチン接種せっしゅをさらに進すすめ、ブースター接種せっしゅ、3回かい目めの接種せっしゅを行おこなうことを検討けんとうしてもらうと同時どうじに、今後こんご、感染かんせんが下火したびになれば、必かならず感染かんせん拡大かくだいが起おきる場所ばしょが出でてくるので、集中しゅうちゅう的てきにワクチンを供給きょうきゅうすることを考かんがえてもらいたい。また、これから医療いりょうのひっ迫ひっぱくを抑おさえるために、中等ちゅうとう症しょうと重症じゅうしょうの患者かんじゃを減へらすことを対策たいさくの焦点しょうてんにすべきだということで、体調たいちょう不良ふりょうを感かんじた人ひとに、すぐに検査けんさを行おこなってもらうだけでなく、感染かんせんが確認かくにんされれば速すみやかに抗体こうたいカクテル療法りょうほうなど重症じゅうしょう化かを防ふせぐための治療ちりょうを行おこなうなど、特とくに高齢こうれい者しゃや基礎きそ疾患しっかんのある人ひとを対象たいしょうに、検査けんさを治療ちりょうに結び付むすびつける取り組とりくみを進すすめてもらいたい」と述のべました。

また、行動こうどう制限せいげんの緩和かんわについて「一部いちぶでは、すぐにいろいろな制限せいげんを緩ゆるめるべきだという風潮ふうちょうがあるが、無む条件じょうけんに緩和かんわできるということではない。他たの人ひとに感染かんせんさせるリスクが低ひくいことを示しめす仕組しくみ『ワクチン・検査けんさパッケージ』を導入どうにゅうできる11月つきごろに備そなえて、国民こくみん的てきな議論ぎろんなどしっかりと準備じゅんびを進すすめておく必要ひつようがある。行動こうどう制限せいげんの緩和かんわは緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんが解除かいじょされることが前提ぜんていだ。宣言せんげんが出でている中なかで人々ひとびとの行動こうどうを緩ゆるめることはすべきではない。間違まちがったメッセージになるからやめましょうと国くににも伝つたえ、そういうことはないということを何なん度ども確認かくにんした」と述のべました。

西村にしむら経済けいざい再生さいせい相しょう「引き続ひきつづき県けんをまたぐ移動いどうできるかぎり控ひかえて」

西村にしむら経済けいざい再生さいせい担当たんとう大臣だいじんは、分科ぶんか会かいのあと記者きしゃ団だんに対にたいし「ワクチンの効果こうかが出でているという評価ひょうかをいただく一方いっぽう、重症じゅうしょう者しゃの数かずは引き続ひきつづき高たかい状況じょうきょうで、医療いりょうのひっ迫ひっぱくが続つづいているという意見いけんもあった。政府せいふとして、何なにとしても重症じゅうしょう者しゃを減へらし、中等ちゅうとう症しょうの方ほうなどもしっかりケアをしていくとともに、医療いりょう体制たいせいの確保かくほに全力ぜんりょくをあげたい。感染かんせん者しゃの減少げんしょう傾向けいこうを確実かくじつなものとしていくため、感染かんせん対策たいさくの徹底てっていを改あらためてお願おねがいし、政府せいふとしても、自治体じちたいと連携れんけいをして取り組とりくみたい」と述のべました。

そして「9月つきになって、学校がっこうも含ふくめ活動かつどうは活発かっぱつ化かすると思おもうし、シルバーウイークもあるので、さまざまな移動いどうを考かんがえている方ほうも、引き続ひきつづきテレワークや休暇きゅうかの分散ぶんさん、県けんをまたぐ移動いどうの必要ひつよう性せいについて、吟味ぎんみし、できるかぎり控ひかえていただくようお願おねがいしたい」と呼よびかけました。

田村たむら厚生こうせい労働ろうどう相しょう「感染かんせん者しゃまた増ふえれば当然とうぜん対応たいおう」

田村たむら厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんは、分科ぶんか会かいのあと記者きしゃ団だんに対にたいし「今月こんげつから学校がっこうが始はじまり、人ひとの流ながれが変かわる影響えいきょうにより、感染かんせん者しゃがまた増ふえれば、当然とうぜん、対応たいおうを考かんがえないといけない。出席しゅっせきした委員いいんからも『冬場ふゆばに向むかって感染かんせんが急きゅう拡大かくだいすることがあれば、強つよい措置そちは必要ひつようになる』という指摘してきもあった」と述のべました。

一方いっぽうで、田村たむら大臣だいじんは「行動こうどう制限せいげんの緩和かんわについては、緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんや重点じゅうてん措置そちが続つづいている地域ちいきがあるので『いま行動こうどう緩和かんわしてもよい』とメッセージが間違まちがって伝つたわらないようにしてほしいという意見いけんや、水際みずぎわ対策たいさくについて、変異へんいウイルスの『ミュー株かぶ』も念頭ねんとうに置おいた対応たいおうをするようにという意見いけんが出だされた」と述のべました。

東京とうきょう都と小池こいけ知事ちじ重症じゅうしょう化か防ふせぐため「やはりワクチン接種せっしゅが肝きも」

東京とうきょう都との小池こいけ知事ちじは9日にち午前ごぜん、都庁とちょうで記者きしゃ団だんから「今回こんかいの延長えんちょうでどういう対策たいさくがポイントになるか」と問とわれました。

これに対にたいして小池こいけ知事ちじは「やはりワクチン接種せっしゅが肝きもになっている。抗体こうたいカクテルも進すすみ始はじめている。これらの武器ぶきでしっかり守まもっていくことがいちばん重要じゅうようではないか。東京とうきょうはそういう現状げんじょうにあると認識にんしきしている」と述のべ、ワクチン接種せっしゅや抗体こうたいカクテル療法りょうほうなどを進すすめ、感染かんせんをさらに抑え込おさえこみ重症じゅうしょう化かを防ふせぐことが重要じゅうようだとする考かんがえを示しめしました。

全国ぜんこく知事ちじ会かい平井ひらい会長かいちょう行動こうどう制限せいげん緩和かんわ「情報じょうほうの出だし方かたなど慎重しんちょうに」

全国ぜんこく知事ちじ会かいの平井ひらい会長かいちょうは、分科ぶんか会かいのあと記者きしゃ団だんに対にたいし、政府せいふが検討けんとうしている行動こうどう制限せいげんの緩和かんわに向むけた考え方かんがえかたについて「おおむね好意こうい的てきに受け止うけとめているが、今いまは緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんが継続けいぞくされ、事業じぎょう者しゃや国民こくみんの協力きょうりょくをいただかなければならず、情報じょうほうの出だし方かたなどを慎重しんちょうに行おこなう配慮はいりょが必要ひつようではないか。政府せいふ側がわから、あくまでワクチンが普及ふきゅうしたあとの対策たいさくだという説明せつめいがあったが、今後こんご、地域ちいきの感染かんせん状況じょうきょうを踏ふまえながら、自治体じちたいとも十分じゅうぶんな協議きょうぎをしていただきたい」と述のべました。