中国の
習近平国家主席は、
中国製EV=
電気自動車の
主な
輸出先であるノルウェーとスペインの
首相と
相次いで
会談し、EV
などの
分野で
協力関係を
拡大する
可能性を
強調しました。EU=
ヨーロッパ連合が
中国製EVへの
関税上乗せ案を
採決する
見通しと
なる中、EU
側に
揺さぶりを
かけるねらいも
あるとみられます。
会談は9日、首都 北京で行われ、このうちノルウェーのストーレ首相との会談で、習主席は「両国は経済的な補完性が強く、EVなどの分野で具体的な協力を拡大することが可能だ」と強調しました。
中国製EVをめぐっては不公正な補助金を受けているとして、EUが最大で36.3%の関税上乗せ案を公表し、来月末までに加盟国による採決を行う見通しです。
ノルウェーとスペインは中国製EVの主な輸出先となっているほか、中国メーカーは現地生産に向けた整備を進めていて、習主席は協力関係を拡大する可能性を強調することでEU側に揺さぶりをかけるねらいもあるとみられます。
また中国は、EU産の豚肉などの価格が不当に安く抑えられているとして調査を進めています。
中国への豚肉の主な輸出国であるスペインのサンチェス首相は、習主席に「貿易戦争には賛成しない。EUと中国の健全な関係発展に貢献したい」と述べました。
中国はアメリカとの対立が続く中、EUとは貿易分野で安定的な関係を保ちたいとしてEU各国との個別の駆け引きを続けています。