無罪むざい確定かくていでDNAデータ抹消まっしょう命めいじた名古屋なごや高裁こうさい判決はんけつ 国くに側がわ敗訴はいそ確定かくていへ

警察庁けいさつちょうも12日にち上告じょうこくしない考かんがえを明あきらかにしていて、データの抹消まっしょうについて国くに側がわの敗訴はいそが確定かくていする見通みとおしです。

2016年ねんに暴行ぼうこうの罪つみに問とわれ、その後そのごの刑事けいじ裁判さいばんで無罪むざいが確定かくていした、名古屋なごや市しの奥田おくだ恭正やすまささん（68）は警察けいさつが捜査そうさの過程かていで集あつめた指紋しもんやDNA型がたなどのデータについて国くにに抹消まっしょうするよう求もとめる訴うったえを起おこしました。

8月つき30日にち、2審しんの名古屋なごや高等こうとう裁判所さいばんしょは「男性だんせいのデータが本人ほんにんの意思いしに反はんして捜査そうさ機関きかんに保管ほかんされていることは憲法けんぽうに違反いはんする」と指摘してきし、1審しんに続つづいて、データを抹消まっしょうするよう国こくに命めいじました。

この判決はんけつについて、警察庁けいさつちょうの露木つゆき康浩やすひろ長官ちょうかんが12日にち、最高さいこう裁判所さいばんしょに上告じょうこくしない考かんがえを明あきらかにしたことを受うけ、奥田おくださんと弁護べんご団だんが名古屋なごや市内しないで会見かいけんし、原告げんこく側がわも上告じょうこくしない方針ほうしんを明あきらかにしました。

これにより、データの抹消まっしょうについて国くに側がわの敗訴はいそが確定かくていする見通みとおしです。

会見かいけんで奥田おくださんは、「逮捕たいほされたことなどについては警察けいさつに今いまでも謝罪しゃざいしてもらいたいが、今回こんかいの判決はんけつで事件じけん前まえの自分じぶんに戻もどしてもらいたいという思おもいはかないました」と話はなしていました。

原告げんこく弁護べんご団長だんちょう “立法りっぽうまで促うながした今回こんかいの判決はんけつは大おおきな前進ぜんしん”

また、弁護べんご団長だんちょうの國くに田た武たけ二郎じろう弁護士べんごしは、警察庁けいさつちょうの露木つゆき長官ちょうかんが「ただちに立法りっぽう措置そちが必要ひつようになるとは考かんがえていない」と述のべたことについて、「立法りっぽうまで促うながした今回こんかいの判決はんけつは大おおきな前進ぜんしんであり、内部ないぶの規則きそくだけで変かわらず処理しょりしようというのは納得なっとくできない。組織そしきとして検討けんとうすべきだ」と話はなしていました。