特に地方では
一層深刻で、
西部ヘラート
州に
ある避難民キャンプには、
食べることができなくなった
多くの
人たちが
支援を
求めて
身を
寄せるようになっています。
しかし、国連などの支援が滞る中、食料はほとんど届かず、長引く干ばつの影響も重なって、人々の生活は日増しに厳しくなるばかりです。
事態を打開しようと、避難民の中には食料を買うため、金銭と引き換えに、裕福な家に幼い子どもを嫁がせ、相手からいわゆる「結納金」などを受け取って暮らしを支える親が少なくないといいます。
また、苦しい生活から脱しようと、みずからの臓器を売りに出し、生活費としている人もいるなど、人々は人道的な危機に直面しています。
自分の臓器を売る “家族が生きていくため ほかに何ができる”
ヘラート
州には、
国連の
機関などが
支援する
避難民キャンプがあります。
キャンプには、20年にわたる戦闘や長引く干ばつで家を追われた人たちなど、およそ7000世帯が身を寄せ合いながら暮らしています。
ここに3
年前から
暮らすアブドゥルサラム
さん(48)は、
夜間に
警備員として
働いていますが、
収入は1
日100アフガニ、
日本円でおよそ110
円、
家族9
人で1
日1
回食べるのが
精いっぱいだといいます。
さらに母親の病気の治療のため借金を抱えています。
家には換金できるものは何もなく、追い詰められたアブドゥルサラムさんが決意したのが、自分の臓器を売ることでした。
数日後、
キャンプの
近くに“
臓器売買を
仲介している
病院が
ある”と
聞き、その病院を
訪れると、
血液検査を
受けさせられ、
同じ血液型の
臓器の「
注文」が
入ったら
連絡するといわれたといいます。
臓器は日本円でおよそ33万円で売れるといわれ、今も病院側からの連絡を待っています。
家族が
生きていくために、
ほかに
何ができるのか。
アブドゥルサラムさんは3歳と6歳、そして9歳の3人の娘たちを嫁がせることを考えています。
アブドゥルサラムさんは「臓器を売っても家族が食べていけなければ、娘は3人いるので売るしかないだろう」と話していました。
3歳の娘嫁がせる「必要に迫られなければ誰も子どもは売らない」
先行きが
見えない
中、
娘を
実際に
嫁がせた
人がいます。
同じキャンプで暮らすアブドゥル・カユームさん(52)です。
アブドゥルさん一家7人は、主に国際機関からの食料支援に頼ってきましたが、タリバンが復権してから、食料を一度も受け取っていないといいます。
足が不自由で働くことができないアブドゥルさんに代わって仕事をしているのが、12歳の長男のハミドゥラさんです。
毎日、町でゴミ拾いをして生計をたてていますが、手にするのは1日、日本円でおよそ22円。それだけでは到底食べていくことはできません。
生活が
日増しに苦しく
なる中、アブドゥル
さんは
去年9
月、
末っ子の3
歳の
娘、ナディア
ちゃんを、
裕福な
親戚の
家に
嫁がせることを
決断しました。
いわゆる「結納金」が目当てで、ナディアちゃんの場合、14万5000アフガニで、日本円でおよそ16万円。
年頃になるまで育てることを条件に前金としておよそ6万円を受け取ったといいます。
アブドゥル
さんは「
罪深いことをしたと
思っているが、
心を
鬼にした。
必要に
迫られなければ、
誰も3
歳の
子どもは
売らない。
でも、
金が
底をついたら、
ほかの2
人の
娘も
売らなければならない」と
話していました。
アフガニスタンで深まる人道危機で追い詰められた人たちは、苦渋の選択を迫られています。
WFP=世界食糧計画アフガニスタン事務所のシェリー・タックラール広報官は「95%のアフガニスタンの人たちが食べることができず、救いようのない選択を迫られている。多くの家族が希望のない状況の中、助けを求めている」と国際社会に支援を呼びかけています。
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Source: NHK
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