レバノンの
首都ベイルートで
大規模な
爆発が
起きてから11
日で1
週間と
なる中、
政府への
批判の
高まりを
受けて
首相が
内閣の
総辞職を
発表しました。レバノンでは
異なる宗教や
宗派間での
権力の
均衡を
図るため、
首相などの
重要ポストを
宗派ごとに
割り当てることから、
組閣に
時間が
かかるものとみられ、
政治の
停滞によって
今後、
混乱がさらに
広がるおそれもあります。
レバノンの首都ベイルートの港で今月4日、大規模な爆発が起き、これまでに163人が死亡、6000人以上が、けがをしたほか、数十人が行方不明となっています。
爆発があった倉庫には、政府が押収した爆薬の原料にもなる化学物質「硝酸アンモニウム」が長期間、大量に保管されていましたが、これについてロイター通信は、レバノンの治安当局の高官の話として、先月20日に爆発の危険性を指摘する書簡を大統領と首相に対して送り、迅速な対応を求めていたと伝えています。
国民の間からは、政府のずさんな管理が爆発を招いたとして連日、激しい抗議活動が続き、死傷者が出る事態となっています。
この状況を受けてレバノンのディアブ首相は10日、テレビ演説を行い「爆発の責任を取るべきだという国民の意思を受け入れる」と述べ、内閣の総辞職を発表しました。
レバノンは、イスラム教やキリスト教など、18の異なる宗教や宗派が入り組んだモザイク国家で、権力の均衡を図るため、首相などの重要ポストを宗派ごとに割り当てることから、組閣に時間がかかるものとみられ、経済的な危機に加え政治の停滞によって、今後、混乱がさらに広がるおそれもあります。