Actualités japonaises: 性犯罪の要件見直し刑法改正の要綱案ポイントは？

性せい犯罪はんざいの要件ようけん見直みなおし刑法けいほう改正かいせいの要綱ようこう案あんポイントは？

Feb 3, 2023 20:02

Furigana

性せい犯罪はんざいの実態じったいに合あわせた刑法けいほう改正かいせいの要綱ようこう案あんが国くにの法制ほうせい審議しんぎ会かいでまとまりました。検討けんとうに関かかわった人ひとからは「過去かこに匹敵ひってきするものが思おもいつかないほどの大だい改正かいせい」との声こえもあがっています。

要綱ようこう案あんのポイントをまとめました。

若年じゃくねん層そうを懐柔かいじゅうする罪つみの新設しんせつ

要綱ようこう案あんには最近さいきんの性せい犯罪はんざいの傾向けいこうを踏ふまえた新あらたな罪つみが盛り込もりこまれました。

まず、性的せいてきな目的もくてきで子こどもに近ちかづき、手てなずけて心理しんり的てきにコントロールすることを取り締とりしまるための罪つみが新設しんせつされます。近年きんねん、SNSの普及ふきゅうなどに伴ともなって被害ひがいにあう子こどもたちが増ふえていることから、こうした手口てぐちの犯罪はんざいを防ふせぐための議論ぎろんが重かさねられてきました。

この結果けっか、16歳さい未満みまんの子こどもに対にたいしてわいせつ目的もくてきで▽だましたり誘惑ゆうわくしたり、お金おかねを渡わたす約束やくそくなどをして会あうことを要求ようきゅうした場合ばあいや実際じっさいに会あった場合ばあい、また▽わいせつな画像がぞうを撮とらせてSNSやメールなどで送おくるよう求もとめた場合ばあいも罪つみに問とえるようになります。

ただし、被害ひがい者しゃが13歳さいから15歳さいのケースでは、5歳さい以上いじょうの年齢ねんれい差さがあることを適用てきようの条件じょうけんとしています。

撮影さつえい罪ざいの新設しんせつ

いわゆる盗と撮とを防ふせぐため、わいせつな画像がぞうを撮影さつえいしたり、第だい三さん者しゃに提供ていきょうしたりする行為こういなどを取り締とりしまるための「撮影さつえい罪ざい」も新あらたに盛り込もりこまれました。

暴行ぼうこう・脅迫きょうはく要件ようけん

被害ひがいの実態じったいを踏ふまえ、現在げんざいの条文じょうぶんを見直みなおすものもあります。

強制きょうせい性交せいこうや準じゅん強制きょうせい性交せいこうなどの性せい犯罪はんざいについて、今いまの法律ほうりつでは▽加害かがい者しゃが「暴行ぼうこうや脅迫きょうはく」して犯行はんこうに及およんだことや▽被害ひがい者しゃが「心神しんしん喪失そうしつ」の状態じょうたいだったことが罪つみの成立せいりつに必要ひつようです。

しかし、明あきらかな暴行ぼうこうや脅迫きょうはくがなくても被害ひがいを受うけることがあるといった被害ひがい者しゃの声こえなどを受うけて、要綱ようこう案あんでは被害ひがい者しゃの心身しんしんの状態じょうたいや相手あいてとの関係かんけい性せいなども考慮こうりょし、具体ぐたい的てきな8つの行為こういを示しめしました。

要件ようけんとして示しめされたのは、

▽これまでの「暴行ぼうこうや脅迫きょうはく」のほか、

▽「精神せいしん的てき、身体しんたい的てきな障害しょうがいを生しょうじさせること」、

▽「アルコールや薬物やくぶつを摂取せっしゅさせること」、

▽「眠ねむっているなど、意識いしきがはっきりしていない状態じょうたいであること」、

▽被害ひがい者しゃが急きゅうに襲おそわれる場合ばあいなども想定そうていし、「拒絶きょぜつするいとまを与あたえないこと」、

▽被害ひがい者しゃがショックで体からだが硬直こうちょくし、いわゆるフリーズ状態じょうたいになった場合ばあいなども想定そうていし、「恐怖きょうふ・驚きょうがくさせること」、

▽被害ひがい者しゃが長年ながねんにわたって性的せいてき虐待ぎゃくたいを受うけてきた場合ばあいなどを想定そうていし、「虐待ぎゃくたいによる心理しんり的てき反応はんのうがあること」、

さらに

▽例たとえば教師きょうしと生徒せいとなど、「経済けいざい的てき・社会しゃかい的てき関係かんけいの地位ちいに基もとづく影響えいきょう力りょくで受うける不利益ふりえきを憂慮ゆうりょしていること」です。

こうした行為こういによって「被害ひがい者しゃが同意どういしない意思いしを表あらわすことが難むずかしい状態じょうたい」にさせた場合ばあいは罪つみに問とえるとしています。議論ぎろんの途中とちゅう段階だんかいでは「拒絶きょぜつ困難こんなんな状態じょうたい」にさせた場合ばあいに処罰しょばつするという案あんが示しめされましたが、「被害ひがい者しゃ側がわに拒絶きょぜつする義務ぎむを課かしている」といった声こえを受うけ、表現ひょうげんが修正しゅうせいされました。

一方いっぽう、被害ひがい者しゃなどは積極せっきょく的てきな同意どういがなければ罪つみに問とえるよう、さらなる見直みなおしを求もとめていて、引き続ひきつづき論点ろんてんとなることが予想よそうされます。

性交せいこう同意どうい年齢ねんれいの引き上ひきあげ

性行為せいこういへの同意どういを判断はんだんできるとみなす年齢ねんれいについては、現在げんざいの「13歳さい以上いじょう」から「16歳さい以上いじょう」に引き上ひきあげます。

議論ぎろんでは、同どう年代ねんだいの恋愛れんあいまでも処罰しょばつされかねないという意見いけんも出でたことから、相手あいてとの間まに5歳さい以上いじょうの年齢ねんれい差さがある場合ばあいに適用てきようするとしています。13歳さい未満みまんに対にたいしてわいせつな行為こういをした場合ばあいは今いまと同様どうように罪つみに問とわれることになります。