ジェーン・シュエさん(27)は先月中旬、2歳になる飼い犬のサモエド犬「OK」を新しい職場に送り出した。OKの仕事先は、中国南東部の福州にある犬カフェだ。
「親が子どもを学校に送り出すような気分」と博士課程の学生であるシュエさんはCNNに語った。
シュエさんとパートナーは週末外出しているため、OKが犬カフェで働くことで「他の犬と遊べ、孤独を感じない」とシュエさんは言う。
ペットカフェは中国で大きなビジネスになっており、客は店内を歩き回る動物たちと触れ合うことができる。中国の猫カフェや犬カフェは通常、1人あたり30〜60元(約630~1260円)の入場料を支払うか、コーヒーなどを注文するだけでよい。
OKがカフェで働くことにより、シュエさんらはお金も節約できるという。福州の夏は暑く、OKを家に残して出かけると、一日中エアコンをつけっぱなしにする必要があるため、お金がかかるのだ。
シュエさんのアイデアは一見型破りに聞こえるが、ペットがパートまたはフルタイムで猫カフェや犬カフェで働き、夜に家に帰るという考えは、中国でトレンドになりつつある。
このトレンドは時代を反映しており、米金融大手ゴールドマン・サックスによれば、中国では今年末までにペットの数が幼児の数を上回ると予想されている。
最近ではカフェのオーナーやペットの飼い主が、中国版インスタグラムと呼ばれる「小紅書」に求人広告や履歴書を投稿することが増えている。
「猫カフェで働く場合の給料はいくら?」と題した話題の投稿によると、グレーと白色の猫「ビッグヘッド」は、「税引き後」にキャットフード5缶をもらったという。
別のカフェのオーナーは小紅書に「猫従業員募集!」と投稿し、「1日1回のおやつと、飼い主の友人には30%の割引を提供」と記載すると、100以上の「いいね」と600以上のコメントが集まった。
シュエさんも小紅書で犬カフェの投稿を見つけた。オーナーにメッセージを送った後、面接に備えてOKのグルーミングを行った。
オーナーは約1時間、OKが客とうまくやりとりし、他の4匹の犬と仲良くできるかを観察したという。
選考はうまくいき、可愛らしい真っ白なOKは「仕事」をオファーされた。