春闘しゅんとう きょうから事実じじつじょうスタート「さん%」の賃上ちんあ焦点しょうてん

Easy Japanese news
Jan 22, 2018 05:01
Furigana
経団連けいだんれん連合れんごうのトップらが春闘しゅんとうけた方針ほうしん説明せつめいする「労使ろうしフォーラム」がにちからはじまり、ことしの春闘しゅんとう事実じじつじょうスタートします。経団連けいだんれん賃上ちんあげの水準すいじゅんとして「さん%」という異例いれい数値すうち目標もくひょうかかげており、去年きょねんまでの水準すいじゅん上回うわまわ賃上ちんあげが実現じつげんするかが焦点しょうてんとなります。にちからはじまる「労使ろうしフォーラム」では、経団連けいだんれん榊原さかきばら会長かいちょう連合れんごう神津こうづ会長かいちょう春闘しゅんとうけた基本きほんてき方針ほうしん説明せつめいし、ことしの春闘しゅんとう事実じじつじょうスタートします。

経団連けいだんれんはデフレ脱却だっきゃく目指めざ安倍あべ総理そうり大臣だいじん要請ようせいおうじ、賃上ちんあげの水準すいじゅんとして「さん%」という数値すうち目標もくひょうはじめて打ち出うちだしました。

経団連けいだんれんによりますと、過去かこよん年間ねんかんだい企業きぎょう月給げっきゅうベースの賃上ちんありつだいにとどまっていて、好調こうちょう企業きぎょう業績ぎょうせきまえ、去年きょねんまでの水準すいじゅん上回うわまわ賃上ちんあげが実現じつげんするかがことしの焦点しょうてんとなります。

一方いっぽう連合れんごう従業じゅうぎょういん全体ぜんたい基本きほんきゅうなどを引き上ひきあげる「ベースアップ」に相当そうとうするぶんだけで程度ていど基準きじゅん賃上ちんあげを要求ようきゅうするとともに、正規せいき中小ちゅうしょう企業きぎょうはたらひと格差かくさ是正ぜせい長時間ちょうじかん労働ろうどう是正ぜせいけた環境かんきょう整備せいびなど、「はたらかた」の見直みなおしも重要じゅうよう課題かだいとして経営けいえいがわ交渉こうしょうする方針ほうしんです。

春闘しゅんとう組合くみあいがわ要求ようきゅうに対にたいして大手おおて企業きぎょう相次あいついで回答かいとう3月さんがつヤマ場やまば交渉こうしょうすすめられます。

経団連けいだんれんはつ数値すうち目標もくひょう

経団連けいだんれん賃上ちんあげの数値すうち目標もくひょうかかげるのは、なが春闘しゅんとう歴史れきしなかでもはじめてのことです。

春闘しゅんとう過去かこよん年間ねんかん政府せいふ経済けいざいかい繰り返くりかえ賃上ちんあげを要請ようせいする「官製かんせい春闘しゅんとう」がつづいてきました。今回こんかい安倍あべ総理そうり大臣だいじんは、これまでの実績じっせき上回うわまわさん%の賃上ちんあげを経済けいざいかいかさねてもとめました。

大幅おおはば賃上ちんあげによって「経済けいざいこう循環じゅんかん」をみだし、ことしこそ「デフレ脱却だっきゃく」を確実かくじつなものにしたいというねらいがあります。

だい企業きぎょうに対にたいしては、ここすうねんえんやすなどを背景はいけい収益しゅうえき過去かこ最高さいこう更新こうしんつづけているのに、もうけを「内部ないぶ留保りゅうほ」というかたちため込ためこんでいるという批判ひはんています。

財務省ざいむしょう統計とうけいでは、昨年度さくねんど企業きぎょう内部ないぶ留保りゅうほ過去かこ最高さいこうよんぜろろくちょうえんたっしていて、もっと賃上ちんあげをして従業じゅうぎょういん還元かんげんすべきだというのです。

こうしたこえつよまるなか経団連けいだんれんはデフレ脱却だっきゃく実現じつげんするには政治せいじ経済けいざい足並あしなみをそろえる必要ひつようがあるとして、春闘しゅんとう方針ほうしんはじめてさん%という数値すうち目標もくひょう明記めいきすることになったのです。

さん%」はたかいハードル

経団連けいだんれんはデフレ脱却だっきゃく目指めざ安倍あべ総理そうり大臣だいじん要請ようせい受け入うけいれたものの、さん%という賃上ちんあげの水準すいじゅんきわめてたかいハードルとわざるをえません。

おおくのだい企業きぎょうは、これまでよんねん連続れんぞく賃上ちんあげを実施じっししましたが、経団連けいだんれん集計しゅうけいによりますと、月給げっきゅうベースでの賃上ちんありつだいにとどまっています。

バブルにはよん%をえる上昇じょうしょうられましたが、よんねんまえ平成へいせいろくねんさんいち%を記録きろくして以降いこうさん%の水準すいじゅんたっしたことはいちもありません。

平成へいせいろくねん当時とうじは、日本にっぽん経済けいざいながいデフレの時代じだい突入とつにゅうするまえ状況じょうきょうにあたり、さん%の賃上ちんあげの実現じつげんがデフレ脱却だっきゃくのカギをにぎると専門せんもんもいます。

だい企業きぎょう去年きょねん金額きんがくると定期ていき昇給しょうきゅうとベースアップをふくめて平均へいきんななななえんりつにしてさんよん%の賃上ちんあげを実現じつげんしました。

内訳うちわけますと、定期ていき昇給しょうきゅういちきゅう程度ていどめ、のこりのぜろさん%からぜろよん程度ていどがベースアップとなっています。定期ていき昇給しょうきゅうぶんはほとんど変動へんどうしないため、さん%の実現じつげんにはベースアップの大幅おおはば上積うわづみがかせません。

基本きほんきゅう引き上ひきあげるベースアップは、ボーナスや退職たいしょくきんなどの算定さんていにも連動れんどうし、いったん実施じっしすると将来しょうらいにわたって人件じんけんえることになります。

このため、おおくの経営けいえいしゃがベースアップには慎重しんちょうですが、好調こうちょう企業きぎょう業績ぎょうせき背景はいけいに、どの程度ていど水準すいじゅん賃上ちんあげが実現じつげんするかが春闘しゅんとう焦点しょうてんになります。

専門せんもん「ハードルはたかい」

ことしの春闘しゅんとうについて、雇用こよう問題もんだいくわしい日本にっぽん総合そうごう研究所けんきゅうじょ山田やまだひさ主席しゅせき研究けんきゅういんは「安倍あべ総理そうり大臣だいじんさん%の賃上ちんあげを要請ようせいし、それをけて経済けいざいかいさん%という数字すうじ明記めいきした。ここねんくらいは賃上ちんありつ鈍化どんかしていたが、経済けいざい環境かんきょうがかなりよくなってきているなかで、さん%にけてふたた賃上ちんありつがっていくかが最大さいだい焦点しょうてんだ」と指摘してきしています。

そして、さん%という賃上ちんありつについては「月給げっきゅうベースでればさん%をえていたのはいちきゅうきゅうよんねん以前いぜんはなしで、物価ぶっかがる状態じょうたい普通ふつうおもわれていた時代じだいだ。日本にっぽんきゅうぜろ年代ねんだい後半こうはん以降いこう、デフレでモノの価格かかくがるのが当然とうぜんという社会しゃかいになったが、この状況じょうきょう普通ふつう経済けいざいもどしていくという意味いみでは、さん%は象徴しょうちょうてき数字すうじだ」とべ、さん%の賃上ちんあげが実現じつげんするかどうかはデフレ脱却だっきゃくのカギになるという見方みかたしめしました。

そのうえで、「月給げっきゅうさん%の賃上ちんあげは、ことしはかなりハードルはたかいとおもうが、ここすうねんのうちに達成たっせいすることは可能かのうだとおもう。賃上ちんあげの原資げんし企業きぎょう生産せいさんせいげて収益しゅうえき向上こうじょうさせることなので、経営けいえいしゃしん事業じぎょうつくったり、従業じゅうぎょういんのほうもあたらしい技能ぎのうけたりといった努力どりょく必要ひつようだ」とはなしています。

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