▽後ろ手に縛られたまま殺害されたと見られる男性の遺体や
▽自転車に乗っていて撃たれたと見られる人が、自転車ごと倒れたままになっている遺体が写っています。
また高齢の女性の1人は自宅に押し入ったロシア軍によって夫が連れ去られ、殺されたと泣きながら語りました。この女性によりますと、夫は連れ去られて2週間後に頭を撃たれた状態で遺体で見つかりました。拷問されたようだったとしていて、女性は遺体が犬に食べられないよう土に埋めたということです。
ブチャで多くの市民が路上で死亡しているのが見つかったことについて、アメリカのバイデン大統領は4日、ワシントンで記者団に対し「あの男は残忍だ。ブチャで起きたことは誰が見ても許しがたい行為だ」と述べて、プーチン大統領を強く非難しました。そしてプーチン大統領について改めて「戦争犯罪人だ」としたうえで「戦争犯罪として法廷で裁くために詳細な証拠を集めなければならない」と述べました。そのうえでバイデン大統領はロシアに対して新たな制裁を科す考えを明らかにしました。
また国営の「ロシア通信」はウクライナ警察の情報として「ウクライナの特殊部隊はロシアの工作員やロシア軍に協力していた人たちの掃討を行った。投稿された動画に映っている数体の遺体の腕に白い布が結ばれているが、これがロシア人を示す印だということだ」として、遺体はウクライナ側の攻撃によって死亡した人たちだと主張しています。 ●以下、それぞれの記事全文です。
撮影されたのはキーウ州のブチャであり、ウクライナ側はこれがロシア軍が市民の大量虐殺を行った証拠であるとしている。しかしよく見ると、これは新たなフェイク、芝居であることがわかる。 殺されたとされる人物が手を上げ、また別の人物がカメラマンが乗った車が通り過ぎたあと、すぐに立ち上がるのが車のバックミラーに映っているのが見える。スロー再生で見ると一人が手を上げ、もう一人が自分の出番は終わったと判断して立ち上がるのがわかる。 そして先ほど国防省がブチャの動画について次のようにコメントした。 「ウクライナ政府が公開したロシア軍による犯罪だとするすべての写真や動画は挑発である。わが軍は市民の殺害には関与していない。そのうえ町からの出口は封鎖されておらず誰でも自由にベラルーシを含む北方に脱出することができた。しかしブチャの南方は一日中絶えずウクライナ軍の戦車などにより砲撃を受けていた」
警察のフェイスブックの投稿には「警察の特殊部隊がブチャで掃討作戦を始めた」とある(※フェイスブックはロシア国内では4月2日から利用が禁止されている) 警察によればウクライナの特殊部隊は4月2日にロシアの工作員やロシア軍に協力していた人たちの掃討を行った。その際に投稿された動画に映っている数体の遺体の腕に白い布が結ばれているが、これがロシア人を示す印だとのことだ。 ウクライナ政府とメディアは通りに遺体が散乱しているブチャで撮ったとされる動画を公開した。動画を見た人は「遺体」の腕が動いたり、軍用車両にひかれないようによけている点に注目した。 またカメラマンが乗る車のバックミラーに「遺体」が車が通り過ぎたあとすぐに立ち上がる様子が映っている。 ロシア国防省は写真と動画はすべてウクライナ政府の挑発であるとコメントした。 国防省はロシア軍が街を制圧していた間、暴力の被害にあった人は一人もおらず、ロシア軍の全部隊がイスタンブールでのロシアとウクライナの停戦交渉の翌日3月30日にブチャから撤退したとコメントした。 北方は封鎖されていなかったが、住宅地を含む南方は一日中ウクライナ軍による砲撃を受けていたとしている。 ロシアはウクライナでの軍事作戦を2月24日に始めた。プーチン大統領は軍事作戦の目的を「8年にわたりウクライナ政府による虐殺の被害にあってきた人々を守るため」であるとした。大統領によれば、そのためには「ウクライナの非軍事化と非ナチ化」を実行し、ドンバスの住民に対する残酷な犯罪に責任があるすべての戦争犯罪人に裁判を受けさせるつもりであるとのことだ。 ロシア国防省の発表によると、ロシア軍は軍事施設とウクライナ軍のみを攻撃している。ドネツクとルハンシクの部隊はロシア軍の支援を受けて攻勢を強めている。しかし大統領はウクライナを占領するつもりはないと強調した。
記事では「ロシア軍はキーウ州から撤退した。その後、世界中がロシア軍が残したものを目にすることになった。それが焦土と化した町や村、そして道に散乱した何十人もの市民の遺体である。ブチャでは両手を縛られた人の遺体も見つかっている」と伝えたうえで「この戦争の最も恐ろしい写真である」として現地の状況を克明に伝える複数の写真を掲載しています。 ●以下、記事全文です。 ロシア軍はキーウ州から撤退した。その後、世界中がロシア軍が残したものを目にすることになった。それが焦土と化した町や村、そして道に散乱した何十人もの市民の遺体である(正確な人数はこれから確認することになる) ブチャでは両手を縛られた人の遺体も見つかっている。市長はブチャは「死体でいっぱいだ」と述べている。市長によると、住民は後ろから頭を撃たれて亡くなったとのことだ。 モトィジン村の集団墓地でオリガ・スヘンコ村長とその家族の遺体が見つかった。 キーウ州のある道路沿いで記者が裸の女性たちの遺体を目撃している。 ロシア軍はどうやら遺体を燃やすつもりだったようだとのことだ。 メドゥーサはロシア軍が撤退したキーウ近郊の村や町で撮った写真を掲載する。この戦争の最も恐ろしい写真である。 警告。 残虐な暴行のあとや遺体が写っている写真である。これが戦争だ。 メドゥーサはこの記事に掲載したショッキングな写真に、通常はこういった写真を隠すために使う特殊なぼかしを使わないことを決断した。
・ロシアメディアの主張についてー 「ロシア国内に向けたプロパガンダの意味合いが大きいとみられる。ブチャでの出来事について欧米での報道しかなければ、ロシア国内でその情報が広がるおそれがある。早急に否定しロシアとしての主張を国営のメディアで早く国内に浸透させたいというのが、ロシアがこのように報道した大きな理由と考えられる」 ・情報の信ぴょう性についてー 「それぞれの国や地域で『情報圏』というものがあり、その中で力を持つ国にとって都合のいい情報が飛び交うのが『情報戦』で、同じ出来事でも全く異なった報じられ方をする」 「ブチャで起きたことについて、欧米各国はウクライナ側の情報発信だけでなく現地に入った複数のメディアの報じ方や各国独自の情報源から得た情報を総合的に判断して対応している。例えばフランスやドイツは外交官の国外追放という追加の措置をすぐに取った。こうしたことからブチャでの出来事は国際的には欧米での報道内容に信ぴょう性があると捉えられていて、ロシア側の主張は国際的には受け入れられていない」 ・ロシアの一部メディアが「遺体が動きだした」など現地の映像がフェイクだと主張していることについてー 「今はAIを使って映像を加工できる一方、AIで加工された映像を見抜くこともできる。現在各国のメディアや専門機関で盛んに行われているファクトチェックの過程を経れば、映像の信ぴょう性についてはいずれ明らかになるのではないか」 ・ゼレンスキー大統領がブチャを訪れて報道陣の取材に応じたことー 「現地から情報発信するという対応は起きたことの信頼性を増すという点で非常に意味があった。ゼレンスキー大統領は侵攻当初からニセの情報に対して正しい情報を発信することで対抗してきており、今回も情報空間での主導権争いという点でしっかりと対応できている」
■ウクライナ ゼレンスキー大統領「ジェノサイドだ」
■米バイデン大統領 プーチン大統領は「戦争犯罪人だ」
■ロシアの報道は
第1チャンネル「フェイクだ」
ロシア通信 “ウクライナ側の攻撃で死亡した人たちだ”
■ロシア独立系メディア・米有力紙はロシア側の報道を否定
メドゥーサ「ロシア軍が残していったものがこれだ」
米ニューヨーク・タイムズ “ロシア側の主張には矛盾がある”
■ロシア側の情報発信「プロパガンダの意味合いが大きい」