益城ましき町まち総務そうむ課かの塘田た仁じん課長かちょうは「震災しんさい直後ちょくご、波打なみうつ道路どうろ、倒壊とうかいする建物たてものを目の当まのあたりにしながら役場やくばの庁舎ちょうしゃに向むかったことをきのうのように思い出おもいだしています。新あたらしい街まちづくりと、仮設かせつ住宅じゅうたくで暮くらしている人ひとの生活せいかつの再建さいけんを併あわせて進すすめていきたいです」と話はなしていました。

益城ましき町まちでは来年らいねんには新あらたな庁舎ちょうしゃが完成かんせいすることになっています。

御船みふね町まちの実家じっかが全壊ぜんかいして70歳さいだった母親ははおやの哲子てつこさんを亡なくした持田もちだ佳けい征ただしさん（54）は「避難ひなんしていた私わたしに父ちちから『母かあちゃんがわからん』としょうすいしきった様子ようすで連絡れんらくがあり頭あたまが真っ白まっしろになりました。消防しょうぼうの方々かたがたが懸命けんめいに捜索そうさくしましたが、残念ざんねんながら発見はっけんされたのは変わり果かわりはてた母ははの姿すがたでした。予期よきせぬ別わかれでできた心こころの隙間すきまをなかなか埋うめることができませんでした」と声こえを震ふるわせながら当時とうじを振り返ふりかえりました。

そして「つらく悲かなしい経験けいけんをした多おおくの皆みなさんはいまもそれぞれの思おもいを胸むねに日々ひびを強つよく歩あゆんでいます。復興ふっこうは道みち半なかばですがふるさと熊本くまもとの復興ふっこうと共とともに私わたしたち家族かぞくもしっかりと前まえに進すすんでいきます」と決意けついを述のべました。

追悼ついとう式しきのあと父親ちちおやの卓也たくやさんは「インフラの復興ふっこうが進すすみ風景ふうけいは変化へんかしていきますが、自分じぶんたちの息子むすこに対にたいする思おもいは何なん年ねんたっても変かわりません。今いまも晃あきらが自分じぶんたちのそばで見守みまもってくれていると思おもって生いきています」と話はなしていました。

献花けんかのあと眞田さなださんは「しょっちゅう会あっていて、明あかるいおばでした。静しずかにお休やすみくださいと願ねがって花はなを手向たむけました。今いまでも地震じしんや自然しぜん災害さいがいのニュースを見みると怖こわく感かんじ、6年ねん前まえの光景こうけいを鮮明せんめいに思い出おもいだします。自分じぶんは民生みんせい委員いいんなので、地域ちいきの皆みなさんに声こえをかけて寄り添よりそっていきたい」と話はなしていました。

益城ましき町まちでは区画くかく整理せいり事業じぎょうなどが続つづいているため、今いまも83人にんが仮設かせつ住宅じゅうたくなどでの生活せいかつを余儀よぎなくされています。

熊本くまもと地震じしんで益城ましき町まちの自宅じたくが全壊ぜんかいして妻つまと娘むすめ、それに孫まごと4人にんで木山きやま仮設かせつ団地だんちに暮くらしている林はやし清治きよじさん（83）は「6年ねんたって思い返おもいかえしてみると、仮設かせつ住宅じゅうたくに来きてからは脳のう梗塞こうそくにもなってあまりいいことがなかったなと思おもいます。ただ、ようやく町内ちょうないの元もとの場所ばしょに家いえを再建さいけんするめどがたったので、また家族かぞく一緒いっしょの家いえで暮くらすのが今いまから楽たのしみです」と話はなしていました。

地震じしんで自宅じたくが全壊ぜんかいした近ちかくの70代だいの女性じょせいは「家いえが壊こわれても涙なみだは出でなかったのに地震じしんから1週間しゅうかん後ごに熊本くまもと城じょうが心配しんぱいで訪おとずれてその被害ひがいを見みたときにはじめて涙なみだが流ながれました。熊本くまもと城じょうはかけがえのない存在そんざいなのでもっと人ひとや町まちの復興ふっこうが進すすんで元気げんきになるように毎朝まいあさお祈おいのりしています」と話はなしていました。

熊本くまもと城じょうは、天守閣てんしゅかくの復旧ふっきゅうが去年きょねん終おわりましたが、被災ひさいしたすべての建物たてものの復旧ふっきゅうが完了かんりょうするのは、16年ねん後ごの2038年ねんの予定よていです。