子こども2人にんを含ふくむ乗客じょうきゃく24人にんと船長せんちょうと甲板かんぱん員いんそれぞれ1人にんのあわせて26人にんが乗のっていて、知床しれとこ半島はんとうの先端せんたんにある知床岬しれとこみさきで折り返おりかえし、午後ごご1時じにウトロの港みなとに戻もどる予定よていだったということです。

知床しれとこ斜里しゃり町まち観光かんこう協会きょうかいによりますと、運航うんこう会社かいしゃは、23日にち、ほかの運航うんこう会社かいしゃに先駆さきがけて今こんシーズンの運航うんこうを始はじめたばかりでした。

観光かんこう船せんと同おなじくウトロの港みなとを午前ごぜん5時じごろ釣り船つりぶねで出港しゅっこうした男性だんせいは「午後ごごからしけるという予報よほうで、そのとおりに波なみが高たかくなってきていたが、船ふねが走はしれないほどではなかった」と話はなしていました。

午後ごご2時じ55分ふんには、観光かんこう船せんの運航うんこう会社かいしゃから「KAZU 1から『船首せんしゅが30度どほど傾かたむいている』と午後ごご2時じごろの連絡れんらくを最後さいごに連絡れんらくが途絶とだえている」と海上かいじょう保安庁ほあんちょうに連絡れんらくがありました。

乗客じょうきゃくについて、運航うんこう会社かいしゃは海上かいじょう保安庁ほあんちょうに対にたいし、全員ぜんいん救命きゅうめい胴衣どういを着用ちゃくようしていたと説明せつめいしているということです。

気象台きしょうだいによりますと、事故じこ当時とうじ、周辺しゅうへんの海域かいいきの波なみの高たかさは3メートルで、強風きょうふうと波浪はろうの注意報ちゅういほうが出でていました。

以前いぜん、知床しれとこの観光かんこう船せんの船員せんいんだった男性だんせいによりますと、現場げんばのカシュニの滝たき付近ふきんについて「潮しおの流ながれが速はやいほか、暗礁あんしょうがあり危険きけんな場所ばしょだ」と話はなしています。

またこの海域かいいきは北西ほくせいの風かぜが吹ふくと波なみが立たちやすく、操船そうせんが難むずかしくなるということです。

こうした準備じゅんびの時間じかんを含ふくめると、通報つうほうから現場げんば到着とうちゃくまで3時間じかん以上いじょうかかったということです。

磯崎いそざき官房かんぼう副ふく長官ちょうかんは25日にち、午前ごぜんの記者きしゃ会見かいけんで「海上かいじょう保安庁ほあんちょうの捜索そうさく部隊ぶたいが現場げんばに到着とうちゃくするまで時間じかんがかかった理由りゆうはなぜか」と問とわれたのに対にたいし「午後ごご1時じ13分ふんごろに救助きゅうじょ要請ようせいを受うけた。最もっとも近ちかい釧路くしろ航空こうくう基地きち所属しょぞくの回転かいてん翼つばさ機きは当時とうじ、哨戒しょうかい業務ぎょうむ中ちゅうで現場げんば海域かいいきが遠方えんぽうで、つり上つりあげ救助きゅうじょなどの活動かつどう時間じかんを確保かくほするために燃料ねんりょうを補給ほきゅうする必要ひつようがあった」と述のべました。

そして「救助きゅうじょ活動かつどうを行おこなうための海上かいじょう保安庁ほあんちょうの潜水せんすい士しを同乗どうじょうさせる必要ひつようがあったことから、午後ごご2時じ38分ふんに釧路くしろ航空こうくう基地きちへいったん帰投きとうし、給油きゅうゆ活動かつどうおよび潜水せんすい士しを同乗どうじょうさせたのちに午後ごご3時じ20分ふんに基地きちを出発しゅっぱつし、午後ごご4時じ30分ふんに現地げんち付近ふきん海域かいいきに到着とうちゃくした」と述のべました。

さらに、災害さいがい派遣はけん要請ようせいを受うけた航空こうくう自衛隊じえいたいも捜索そうさくを行おこないました。

しかし23日にち、乗客じょうきゃくと乗員じょういんの手てがかりはつかめませんでした。

捜索そうさくは夜通よどおし行おこなわれました。

このうち知床しれとこ岬みさきの先端せんたん付近ふきんで撮影さつえいされた画像がぞうには、潜水せんすい士し2人にんが岩場いわばにいた1人にんを救助きゅうじょしている様子ようすが写うつっています。