そのうえで、ロシア軍の動きについて、「新たな攻撃のため東部で追加の部隊を集めている。ロシアはハルキウ州に増援部隊を送り込み、ドンバス地域に圧力をかけようとしている。ロシアは無意味なこの戦争で、2万3000人以上の兵士を失っているが彼らはやめない」と述べ、東部でさらなる攻勢の準備を進めているという見方を示しました。
欧米諸国は相次いでウクライナへの軍事支援の強化を打ち出し、ポーランド政府は200両以上の戦車を供与する可能性があると報じられています。 一方、ロシア通信によりますと、ロシアのラブロフ外相は30日、中国メディアとのインタビューで「アメリカやNATOがウクライナの危機の解決に本当に興味があるならまずは兵器と弾薬の供与をやめるべきだ」と述べ、欧米をけん制したということです。
地域別でみると、キーウ州や東部のハルキウ州、北部のチェルニヒウ州、南部のヘルソン州などで1488人、東部のドネツク州とルハンシク州で1411人の死亡が確認されているということです。 また、けがをした市民は3235人にのぼるとしています。 一方、国連人権高等弁務官事務所は東部のマリウポリなど激しい攻撃を受けている地域での死傷者の数については集計が遅れていたり、確認がまだ取れていなかったりして統計には含まれておらず、実際の死傷者の数はこれを大きく上回るとの見方を示しています。
このなかで副司令官は「がれきから救出された市民たちが合意された場所に移された。女性と子どもの合わせて20人がウクライナの支配下にある南東部のザポリージャに向かうことを望んでいる」と述べました。 そのうえで「私たちはロープでがれきから市民を救出している。この手続きが継続しすべての市民が避難できるよう願っている」と述べ、製鉄所の中に残されたほかの市民の避難も進むよう訴えました。 またロシア国営のタス通信は30日、子ども6人を含む25人がアゾフスターリ製鉄所から出たと伝えています。今回20人ほどの市民の避難が実現した背景など詳しいことは分かっていませんが、マリウポリからの避難をめぐっては国連が全力を尽くす姿勢を示していました。
ロシア大統領府によりますと、この措置は大戦で旧ソビエトがナチス・ドイツに勝利して今月9日で77年となるのを記念して行われるもので、プーチン大統領は先月30日、これを定めた大統領令に署名したということです。プーチン政権としてはロシア国内と同じく「戦勝記念日」を祝う機運を高め、この地域の支配の既成事実化を進めたいねらいがあるものとみられます。
またロシア軍が掌握したと主張している東部のマリウポリでは、国境警備隊の部隊も応戦を続けているとして「マリウポリを勇ましく守っている国境警備隊の戦士たちに感謝の気持ちを表したい」と述べました。そして「私たちのすべての兵士らがすぐに勝利を目にすることを願っている」と述べ、ロシア軍に抗戦し領土を守り抜くよう指示しました。 演説は「国境警備隊の日」に合わせて行われたもので、大統領は国境警備隊の代表らに勲章を授与して功績をたたえました。
ジョリーさんはUNHCR=国連難民高等弁務官事務所の特使を務めていますが、AP通信はウクライナの訪問は私的なものとみられると伝えています。
ウクライナとロシアがひとつの国を構成していた旧ソビエトを象徴するレーニンの像を建てることで市民に旧ソビエト時代を思いおこさせ、ロシアによる支配の既成事実化、いわゆる「ロシア化」を進めたいねらいがあるとみられます。
ロシアはウクライナへの軍事侵攻についてこれまでのところ、「特別軍事作戦」と表現し「戦争」ということばは使っていません。 またプーチン大統領はウクライナのゼレンスキー政権を一方的にナチス・ドイツになぞらえ、「非ナチ化」の必要性を繰り返し強調しています。 ウォレス国防相は具体的な情報があるわけではないとしながらも、プーチン大統領が「ナチス」と戦争状態にあると宣言し、戦うためにロシアの国民を大勢動員する必要があるなどと主張する可能性を指摘しました。
ウクライナの内務省が公開した映像では、ウクライナ側の攻撃によって次々と煙があがる様子が捉えられ、ウクライナ側は、ロシア軍の戦車や戦闘用の車両などを砲撃したとしています。 ウクライナ東部の戦況について、アメリカ国防総省の高官は、29日、ロシア軍がイジュームから南に向け徐々に前進しているものの、ウクライナ側の激しい抵抗に直面しているという分析を示し、今後、この一帯が激戦地になるという見方が広がっています。
主な避難先は、ポーランドがおよそ301万人、ルーマニアがおよそ81万人、ハンガリーがおよそ51万人、モルドバがおよそ44万人などとなっています。 また、ロシアに避難した人は、およそ65万人となっています。
十分な軍事支援届けばウクライナ反撃か ウクライナ大統領府顧問
ウクライナ 少なくとも2899人の市民死亡 うち210人は子ども
マリウポリの製鉄所から市民20人避難 アゾフ大隊がSNSで明らかに
プーチン大統領 掌握主張の地域などの退役軍人に一時金支給決定
ゼレンスキー大統領「占領者たちを追い出さなければならない」
アンジェリーナ・ジョリーさん 西部のリビウを訪問
ロシアが掌握と主張のヘルソン州 レーニン像が再建との投稿
イギリス国防相 5月9日にプーチン大統領が戦争状態宣言の可能性
東部のイジューム付近 ウクライナ軍が抵抗する様子の動画を公開
ウクライナから国外に避難した人 546万人余りに UNHCR
ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交などウクライナ情勢をめぐる5月1日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。
(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)
ゼレンスキー大統領「ロシア軍 オデーサの空港を破壊」