政治資金規正法の再改正に向けて、論点の1つとなっている政策活動費の廃止について、自民党はこれまでに、一部の支出先を非公開にできる「公開方法工夫支出」の新設を「検討事項」として先送りする案を立憲民主党に伝えています。
ただ、立憲民主党は「ブラックボックスになる可能性がある」として、完全に撤回するよう求めているほか、公明党からも「国民の十分な理解が得られていないのではないか」という指摘が出ています。
自民党は、16日午前、臨時の政調審議会と総務会を相次いで開き、党の政治改革本部長である渡海前政務調査会長や、衆議院の特別委員会で与党側の筆頭理事を務める齋藤・前経済産業大臣らが法案の修正に向けた調整状況を説明しました。
この中で、出席者からは「野党側と折り合うため『公開方法工夫支出』を法案から完全に撤回すべきだ」という意見が出されたということです。
また、総務会で渡海氏は「今は少数与党の状況であり、自民党で決めたことがそのまま実現する状況にはない」と述べ、修正に理解を求めました。
そして、「公開方法工夫支出」について、撤回も含めた取り扱いを執行部に一任し、野党側との修正協議に臨むことになりました。
自民党の政治改革本部長を務める渡海 前政務調査会長は、記者団に対し「今、現場が動いていて交渉中なので、発言の内容を紹介するのは差し控えたい」と述べました。
衆議院の特別委員会の与党側の筆頭理事を務める齋藤 前経済産業大臣は記者団に対し「まさに今、野党側も検討しているところであり、私が発言することで野党側の調整に影響を与えてはいけないため、きちんと固まったら話をさせてほしい」と述べました。
自民党の鈴木 総務会長は記者会見で「『公開方法工夫支出』について総務会では『過去に必要な場面があったが、現在は政治状況が違う』という発言があった。法案について、まさにぎりぎりのところで各党と調整しており、私が発言することで修正協議に悪影響を与えるおそれがあるので、個人的な意見は差し控える」と述べました。
立民 大串代表代行「すっぱり政策活動費廃止の法案を通すべき」
立憲民主党の大串代表代行は記者団に対し「政策活動費に関しては、野党として大きくまとまれる状況にあると思っているので、自民党は『公開方法工夫支出』という考えではなく、すっぱりと、政策活動費の廃止の法案を通すべきだ。今、協議をやっているが私たちの案を通す方向で進められるのではないかと期待している」と述べました。
その上で「あわせて、企業・団体献金の禁止も喫緊の課題だ。もし、この国会で時間がどうしても足りなくて結論を出すことができないのであれば、年度内には結論を得るという方向に持っていかなければならない。この国会で国民に政治が前に進んだなと思ってもらえるような結論を出していけるようにギリギリの調整を行っている」と述べました。