これを受けて松野官房長官は、10日朝、葉梨大臣を総理大臣官邸に呼び、軽率な言動をしないよう厳重に注意しました。
これに対し、葉梨大臣は「法務省の職務を軽んじるような印象を与えたとすれば、率直におわびを申し上げる。今後は慎重に注意したい」と伝えました。
また、みずからの進退については「言動には慎重を期しながら、しっかりと職責を全うしていきたい」と述べました。
そして葉梨大臣は委員会の冒頭、みずからの一連の発言について「職務を軽んじているような印象を与える発言であるとの報道がある。このような印象を与える発言にはおわび申し上げるとともに撤回させていただきます」と謝罪したうえで、発言を撤回しました。 そのうえで「この印象を与えた発言は私の本意ではない。今後は、私の真意がしっかりと伝わるように、発言には慎重を期してまいりたい」と述べました。
これに対し立憲民主党は「厳重注意で済まされる話ではない。政治家としての資質が問われる発言で更迭すべきだ」と求め、木原副長官は「しっかり受け止め、説明責任を果たさせたい」と述べました。 また理事会は、午後の衆議院本会議で予定していた法案の採決のうち法務省が所管する民法の改正案については見送ることを決めました。 衆議院議院運営委員会で与党側の筆頭理事を務める自民党の盛山正仁氏は国会内で記者団に対し「発言が不適切だったことは事実だが、辞任に値するのかというと、与党としては今のところ考えていない。今後は、発言によりいっそう気をつけてもらうということに尽きるのではないか」と述べました。 一方、林外務大臣は参議院外交防衛委員会で、葉梨大臣が「外務省と法務省は票とお金に縁がない」と発言したことへの見解を問われたのに対し「法務大臣について私からどうこう言う立場ではないが、私も含め、政務3役は日本の国益のために外交をしっかりやっていこうという志と熱情を持って仕事にあたっている」と述べました。
遠藤総務会長は、所属する谷垣グループの会合で「閣僚の不用意な発言が政局に大変混乱を与えている。せっかくみんなで岸田政権を支えようと言ってるときに、肝心の岸田派の閣僚からそういう発言があるのは大変不愉快だ」と苦言を呈しました。また「死刑は法務大臣として最大の真摯な態度で決定するものなのに、軽々しく発言するというのは、何をやっているんだという思いがする。しっかりした覚悟で職責を果たしてもらいたい」と述べました。 【立民】 長妻政務調査会長は、記者会見で「見過ごすことのできない発言だ。死刑執行は法務大臣に課せられた大変重い判断で、刑罰とはいえ人の命を奪うものだ。決して間違いがあってはならないのに、非常に軽い発言で、法務大臣として任にふさわしくなく、離れてもらうことが必要だ。釈明も見たが、許されるものではなく、普通の内閣であれば即更迭だ」と述べ、葉梨大臣の辞任を求めました。 安住国会対策委員長は、党の代議士会で「法務大臣による死刑執行は極めて重いもので、この先も法務大臣を続けるのは法治国家として無理なのではないか。地味や派手だとかニュースに取り上げてもらいたいと言う軽薄な人間をトップに立たせておくわけにはいかない。岸田総理大臣は、あすからの外遊日程の前にどうするのかを決断すべきだ」と述べ、更迭を求めました。そのうえで「岸田総理大臣の人事の身から出たさびであり、任命責任を問いたださなければならない」と述べました。 【公明】 竹内 前政務調査会長は、党の中央幹事会のあと、記者団に対し「法務大臣として発言は慎重に行うべきで、気の緩みがあってはならない。政治家の進退は本人が決めることで、また任命権者である岸田総理大臣の判断だ。いずれにしても国民に誤解を招くような発言は行うべきではない」と述べました。
当初 発言は撤回しない考え
その後 参議院法務委で発言謝罪し撤回
衆院議院運営委員会の理事会で官房副長官が陳謝
葉梨氏発言 各党から反応相次ぐ