Japanese News: 世田谷区の住宅で火事プロ野球ロッテ元投手村田兆治さん死亡

11日にち午前ごぜん、東京とうきょう世田谷せたがや区くで、2階かい建だての住宅じゅうたくの一部いちぶが焼やける火事かじがあり、この家いえに住すむプロ野球やきゅう・ロッテの元もと投手とうしゅの村田むらた兆ちょう治おさむさんが死亡しぼうしました。当時とうじ、この家いえに1人にんでいたとみられるということで、警視庁けいしちょうが火事かじの原因げんいんを調しらべています。

11日にち午前ごぜん3時じすぎ、世田谷せたがや区く成城せいじょうで、木造もくぞう2階かい建だての住宅じゅうたくから火ひが出でていると近ちかくに住すむ人ひとから消防しょうぼうに通報つうほうがありました。東京とうきょう消防庁しょうぼうちょうによりますと、消防車しょうぼうしゃ26台だいが出でて火ひは3時間じかん半はん余あまりあとに消し止けしとめられましたが、住宅じゅうたくの2階かい部分ぶぶんの40平方メートルへいほうめ-とるが焼やけたということです。

警視庁けいしちょうによりますと、この火事かじで、この家いえに住すむプロ野球やきゅう・ロッテの元もと投手とうしゅの村田むらた兆ちょう治おさむさんが意識いしき不明ふめいの状態じょうたいで病院びょういんに運はこばれ、その後そのご、死亡しぼうしたということです。死因しいんは一いち酸化さんか炭素たんそ中毒ちゅうどくで、村田むらたさんは、火事かじのあった当時とうじ、この家いえに1人にんでいたとみられ、2階かいで見みつかったということです。

現場げんばは、小田急おだきゅう線せんの成城学園せいじょうがくえん前ぜん駅えきから北きたに1.3キロ離はなれた住宅じゅうたく街がいで、警視庁けいしちょうが火事かじの原因げんいんを調しらべるなどしています

近所きんじょの住民じゅうみんは

近ちかくに住すむ女性じょせいは「午前ごぜん3時じ前まえに煙けむりのにおいや消防しょうぼう車しゃのサイレンの音おとで火事かじが起おきていることに気きがつきました。様子ようすを見みに行いくと煙けむりと火ひの勢いきおいがすごくて自分じぶんたちも逃にげないといけないかなと思おもうほどでした。村田むらたさんは現役げんえきのころからこのあたりに長ながく住すまれていて、非常ひじょうに気の毒きのどくだなと思おもいます」と話はなしていました。

70代だいの男性だんせいは「ガラスが割われるような音おとが聞きこえたので外そとを見みたら住宅じゅうたくの2階かいの窓まどから火ひが出でていました。火ひは屋根やねより3メートル以上いじょうも高たかく上あがっていました。近所きんじょでこのような火事かじがあり怖こわいです」と話はなしていました。

40代だいの男性だんせいは「消防しょうぼう車しゃの音おとはしましたが、まさか村田むらた兆ちょう治おさむさんの家いえとは思おもわず驚おどろきました。コロナ禍かの前まえは、近所きんじょの公園こうえんで遊あそんでいた小学生しょうがくせいに声こえをかけて100キロ以上いじょうに見みえる本気ほんきの投球とうきゅうでキャッチボールをしていたのが印象いんしょう的てきで、本当ほんとうに野球やきゅうが大好だいすきなんだなと思おもいました。日本にっぽんを代表だいひょうする選手せんしゅが近所きんじょに住すんでいることは誇ほこりだったので、このようなことで亡なくなられてしまったのは残念ざんねんとしか言いいようがないです」と話はなしていました。

「マサカリ投とう法ほう」で活躍かつやく

村田むらた兆ちょう治おさむさんはプロ野球やきゅうロッテで「マサカリ投とう法ほう」と呼よばれる豪快ごうかいなピッチングフォームで通算つうさん215勝しょうを挙あげました。

広島ひろしま県けん出身しゅっしんの村田むらたさんは昭和しょうわ43年ねん（1968年ねん）にロッテの前身ぜんしんの東京とうきょうオリオンズに入団にゅうだんし、左足ひだりあしを大おおきく上あげた「マサカリ投とう法ほう」と呼よばれる独特どくとくな投球とうきゅうフォームから繰り出くりだす速球そっきゅうとフォークボールを持ち味もちあじにエースとして活躍かつやくしました。

昭和しょうわ57年ねん（1982年ねん）にひじを故障こしょうし、翌年よくねん、アメリカでスポーツ医学いがくの権威けんいとして知しられたフランク・ジョーブ博士はかせのもと当時とうじの日本にっぽん選手せんしゅではほとんど例れいのなかったひじのじん帯じんたいを修復しゅうふくする「トミー・ジョン手術しゅじゅつ」を受うけました。

村田むらたさんはおよそ2年間ねんかんのリハビリを経へて復活ふっかつを果はたし、昭和しょうわ60年ねん（1985年ねん）には開幕かいまくから11連勝れんしょうをマークして17勝しょうをあげ、カムバック賞しょうを受賞じゅしょうしました。

ほかのピッチャーより間隔かんかくをあけた中なか6日にちで毎週まいしゅう日曜日にちようびに登板とうばんすることから「サンデー兆ちょう治ち」と呼よばれました。

平成へいせい元年がんねん（1989年ねん）には39歳さいにして3回かい目めとなる最優秀さいゆうしゅう防御ぼうぎょ率りつのタイトルを獲得かくとくし、翌年よくねんには40歳さいでふた桁けたとなる10勝しょうをあげ、この年としかぎりで引退いんたいしました。

プロ23年間ねんかんで通算つうさん215勝しょう、歴代れきだい10位いの2363奪だつ三振さんしんを記録きろくし、平成へいせい17年ねん（2005年ねん）に野球やきゅう殿堂でんどう入いりを果はたしています。

タイトルは最多さいた勝かち1回かい、最優秀さいゆうしゅう防御ぼうぎょ率りつ3回かい、最多さいた奪だつ三振さんしんを4回かい獲得かくとくしています。

現役げんえきを引退いんたいしたあとは対外たいがい試合しあいの機会きかいが少すくない離島りとうの中学生ちゅうがくせいを対象たいしょうにした軟式なんしき野球やきゅうの大会たいかい、「離はなれ島とう甲子園こうしえん」の開催かいさいを提唱ていしょうするなど、野球やきゅうの普及ふきゅう活動かつどうに力ちからを入いれていました。

梨なし田た昌孝まさたかさん「早はやすぎるショックで残念ざんねんでならない」

亡なくなった村田むらた兆ちょう治おさむさんと同おなじ時代じだいに、ともにプロ野球やきゅうのパ・リーグぱり-ぐで活躍かつやくした元もと近鉄きんてつの梨なし田た昌孝まさたかさんは「早はやすぎる。ショックで残念ざんねんでならない」と心境しんきょうを話はなしました。

梨なし田たさんは、プロ野球やきゅう・ロッテでエースとして活躍かつやくした村田むらたさんと同おなじ時代じだいの昭和しょうわ47年ねんから昭和しょうわ63年ねんまで、同おなじパ・リーグぱり-ぐの当時とうじの近鉄きんてつで球界きゅうかいを代表だいひょうするキャッチャーとして活躍かつやくしました。

梨なし田たさんは、村田むらたさんが亡なくなったことを受うけて「早はやすぎる。ショックで残念ざんねんでならない」と心境しんきょうを話はなしました。そのうえで、村田むらたさんとの思い出おもいでについて「オールスターゲームでバッテリーを組くませてもらい僕ぼくが『ノーサインで受うけさせてください』と申し出もうしでて、うまくキャッチングできると『お前おまえは日本一にっぽんいちのキャッチャーだ』と言いってもらえてすごくうれしかった。キャッチャーとして成長せいちょうさせてくれた大だい恩人おんじんだ」と話はなしました。

さらに、先さきに現役げんえきを引退いんたいした梨なし田たさんが解説かいせつ者しゃとして村田むらたさんに決め球きめだまのフォークボールについて尋たずねたときのエピソードとして、「村田むらたさんが、人さし指ひとさしゆびと中指なかゆびで挟はさんだボールを僕ぼくが両手りょうてで引っ張ひっぱっても取とれないくらい力強ちからづよく握にぎっていた。寝ねるときもボールを指ゆびに挟はさんで包帯ほうたいで巻まいて寝ねていると聞きいたときは執念しゅうねんを感かんじた」と振り返ふりかえっていました。

また、村田むらたさんが現役げんえき引退いんたい後ご、離島りとうで野球やきゅう教室きょうしつを開ひらくなどの普及ふきゅう活動かつどうをしていたことについては「プロ野球やきゅうをなかなか生なまで見みることができない離島りとうにみずからが出向でむきプレーを見みせるということを長年ながねん続つづけていて頭あたまが下さがる思おもいだった」と話はなしていました。

鈴木すずき啓示けいじさん「不器用ぶきようながら野球やきゅう一筋ひとすじでやってきた選手せんしゅだった」

村田むらた兆ちょう治おさむさんと同おなじ時代じだいに、ともにプロ野球やきゅうのパ・リーグぱり-ぐを代表だいひょうするピッチャーとして活躍かつやくした元もと近鉄きんてつの鈴木すずき啓示けいじさんは「びっくりしてことばが出でない。兆ちょう治ちは年齢ねんれいが2つ下したで一緒いっしょの時代じだいを頑張がんばってきた仲間なかまだった。不器用ぶきようながら野球やきゅう一筋ひとすじでやってきた選手せんしゅだった。残念ざんねんでならない」と話はなしていました。

張本ちょうほん勲いさおさん「残念ざんねんでことばが出でない」

村田むらた兆ちょう治おさむさんと現役げんえき時代じだい同おなじチームでプレーし、その後そのごも親交しんこうのあった元もとプロ野球やきゅう選手せんしゅの張本ちょうほん勲いさおさんは「こんなことがあっていいのかという気持きもちだ。離島りとうの中学生ちゅうがくせいを集あつめた『離はなれ島とう甲子園こうしえん』を開催かいさいしたり、年とし6回かいは北海道ほっかいどうから沖縄おきなわまで回まわって野球やきゅう教室きょうしつをしたりした球界きゅうかいの仲間なかまだった。残念ざんねんでことばが出でない」とコメントしています。

中日ちゅうにち立浪たつなみ監督かんとく「憧あこがれだった」

村田むらた兆ちょう治おさむさんが亡なくなったことを受うけて、中日ちゅうにちの立浪たつなみ和義かずよし監督かんとくは「突然とつぜんの訃報ふほうで驚おどろいています。野球やきゅうに対にたいして素晴すばらしい向き合むきあい方かたをされていましたし、憧あこがれでもありました。このような形かたちでお亡なくなりになり残念ざんねんです。ご冥福めいふくをお祈おいのりいたします」とコメントしています。

「川崎かわさき球場きゅうじょう」跡あとで追悼ついとうの特設とくせつ展てん始はじまる

村田むらた兆ちょう治おさむさんが亡なくなったことを受うけて、プロ野球やきゅう・ロッテ時代じだいの本拠地ほんきょちだった川崎かわさき市しにあるスタジアムは、現役げんえき時代じだいの写真しゃしんなどを集あつめた、村田むらたさんを追悼ついとうする展示てんじを始はじめました。

村田むらたさんが所属しょぞくしていたロッテなどのホームグラウンド、川崎かわさき市しの「川崎かわさき球場きゅうじょう」の跡地あとちには、「富士通ふじつうスタジアム川崎かわさき」が建たてられています。

村田むらたさんが亡なくなったことを受うけ、スタジアムは、ギャラリーで急きゅうきょ現役げんえき時代じだいの写真しゃしんや、サインボールなどの特設とくせつ展てんを始はじめました。

展示てんじを企画きかくしたスタジアムの支配人しはいにん、田中たなか育郎いくおさんは、3年ねん前まえに村田むらたさんをスタジアムに招まねいてイベントを開ひらいたということで、「村田むらたさんはすごく優やさしくて気遣きづかいのこまやかな人ひとでした。彼かれの偉大いだいな成績せいせきを残のこすためにも、川崎かわさき球場きゅうじょうの歴史れきしをこれからも伝つたえていきたいです」と話はなしていました。