先月に比べて7円上昇し、統計を公表している1993年以降の最高値を3か月連続で更新しました。
農林水産省によりますと、例年、卵の価格はクリスマスケーキやおせち料理向けの需要が多い12月をピークに下がる傾向にありますが、今シーズンはロシアによるウクライナ侵攻でとうもろこしなどの飼料価格が高騰していることや、年明け以降も鳥インフルエンザの感染拡大が続き、卵の出荷数が減少していることから高値が続いているということです。
今後の見通しについて、農林水産省は「一部の養鶏業者は卵の出荷を再開し始めているが、供給が回復するには半年から1年ほどかかる可能性がある」としています。
大阪府阪南市に本社を置く菓子メーカーでは、卵の中身を取り出した「液卵」と呼ばれる加工品を主な材料に使っていますが、2月以降、業者からの入荷が減り、現在も不足する状態が続いています。 このため会社では、土産物として人気のある主力製品のまんじゅうの生産量を確保するため、先月から液卵を特に多く使うシュークリームの生産を取りやめたほか、バウムクーヘンとプリンの生産量を減らしました。 さらに「液卵」と比べると、市場に出回っているという殻のついた卵を追加で仕入れ、材料の不足分を補っています。 ただ卵の価格は現在も値上がりしている上、従業員が手作業で黄身と白身を分けるため、作業の手間も増えているということです。 会社では、ことしの大型連休中は去年の同じ時期と比べ大幅な需要の増加を見込んでいるということで、こうした取り組みによって高まる需要に応えていきたいとしています。 「青木松風庵」の青木一郎社長は、「大型連休は多くのお客さんに買ってもらえると予想しています。材料の調達は大変だが、絶対に切らさないようにして、なんとしてでも作りきりたい。大阪土産として、喜んでもらえるよう頑張っていきたい」と話していました。
こうした影響は、大型連休中の売り上げ増加を見込む弁当の生産などにも及んでいます。 横浜市のシューマイなどの製造・販売会社では、駅の構内や商業施設で持ち帰り用の弁当を販売していて、観光客などの人気を集めています。 しかし、会社によりますと、先月から卵の入荷が減り、必要な量を確保するのが難しくなったということです。 このため、今月から一部の弁当で卵焼きを鶏のから揚げやしいたけの煮物など別のおかずに変更しました。 会社によりますと、ことしの大型連休は去年の同じ時期と比べ、大幅な需要の増加を見込んでいるということで、こうした対応を通じ、必要な弁当の生産量を確保したいとしています。 なお卵の入荷が回復する見通しは現在もたっていないということです。 横浜市にある中華街の店舗で弁当を購入した観光客の女性は、「こんなところにまで卵不足が影響するとは驚いてます」と話していました。 崎陽軒広報・マーケティング部の野本幸裕主任は「連休でさらに多くのお客さんに食べてもらえると期待しておかずを変更しました。卵の供給が安定し、元のメニューに戻せることを願っています」と話していました。
大阪 菓子メーカー シュークリーム生産取りやめ
横浜 食品メーカー 弁当で卵焼きを別のおかずに