鹿児島県の
桜島について、
専門家などで
作る火山噴火予知連絡会は、
噴火活動が
低下しているものの、マグマだまりには
長期にわたって
供給されたマグマが
蓄積した
状態で
あることから、「
噴火活動が
再び活発化する
可能性がある」とする
見解をまとめました。
桜島の南岳山頂火口では、去年12月以降、活発な噴火活動が続いていましたが、先月は低下したほか、火山ガスの放出量は、4月下旬以降、やや減っています。
一方、地殻変動のデータからは姶良カルデラの地下深くにあるマグマだまりには、長期にわたって供給されたマグマが蓄積した状態だと考えられるということです。
こうしたことを受けて、専門家などで作る火山噴火予知連絡会は、30日インターネット上で開いた定例の会合で「南岳山頂火口を中心に噴火活動が再び活発化する可能性がある」とする見解をまとめました。
気象庁は、噴火警戒レベル「3」を継続し、南岳山頂火口と昭和火口からおおむね2キロの範囲では大きな噴石や火砕流に警戒するよう呼びかけています。
一方、桜島ではことし4月、気象庁がいったんは「火砕流が流れ下った」と発表したものの、その後の調査で火砕流の痕跡が確認されず「風下に流された噴煙の一部と考えられる」と発表し直す事態も起きました。
このことについて火山噴火予知連絡会の会長で九州大学大学院の清水洋特任教授は、「桜島は監視のレベルが世界的に見ても進んだ火山だがまだまだ十分な状況ではなく、今後、監視体制をより強化していく必要がある」と指摘しました。