愛媛県にあるに
伊方原子力発電所3号機について、
大分地方裁判所は、
住民の
仮処分の
申し立てを
退け、
運転を
認めました。
伊方原発3号機は、
別の
住民が
申し立てた
仮処分で
運転できなくなっていましたが、
3日前にその
判断が
取り消されているため、
四国電力は
来月、
再稼働させる
方針です。
四国電力の
伊方原発3号機をめぐり、
海を
挟んで40
キロ余りの
距離に
ある大分県の
住民4人は、
おととし、「
重大な
事故が
起きる危険性がある」として、
運転しないよう
求める仮処分を
申し立てました。
これまでの審理では、原発から130キロほどの位置にある阿蘇山で巨大な噴火が起きた場合に重大な影響が出るかどうかや、地震の揺れの想定が妥当かどうかが争われてきました。
28日の決定で大分地方裁判所の佐藤重憲裁判長は、住民の申し立てを退け、伊方原発3号機の運転を認めました。
決定の中で裁判長は「地震や火山などについて原子力規制委員会が新しい規制基準に適合していると判断したことに不合理な点はなく、住民の生命や身体に対する具体的な危険が存在するとは認められない」という判断を示しました。
伊方原発3号機は、別の住民が申し立てた仮処分で去年、広島高等裁判所に運転停止を命じられましたが、今月25日に広島高裁の別の裁判長がその判断を取り消し、運転を認めているため、四国電力は来月27日に再稼働させる方針です。
四国電力「運転再開に向け準備進める」
大分地方裁判所が伊方原子力発電所3号機の運転を認めたことについて、四国電力は「伊方原発3号機の安全性は確保されているとの当社のこれまでの主張が裁判所に認められ、妥当な決定をいただいたと考えている。当社としては伊方原発の安全対策に不断の努力を重ねるとともに、安全を最優先に、伊方原発3号機の運転再開に向けた準備を進めていく」というコメントを発表しました。
四国電力原子力部の瀧川重理登副部長は「これまで、伊方原発の安全性を丁寧に説明してきた。結果は、われわれの主張や立証が認められたものだと思っている」と述べました。そのうえで「引き続き安全対策に万全を期したい。大分県民の皆さんには心配をかけているが、安全運転と情報公開を徹底し、理解を頂きたい」と述べました。また、再稼働については、来月27日の予定に変わりがないことを明らかにしました。
住民側弁護士「特に悪い決定で最悪」
住民側の河合弘之弁護士は「きょうの決定内容はこれまでの決定に輪をかけて、特に悪い決定で、最悪だ。しかし、大分のたたかいの火を決して消してはならない。大変残念だが、気落ちすることなくきょうもあすもたたかい続けて最後には必ず決定をひっくり返したい」と話していました。
住民「原発を止めるまで」
仮処分を申し立てた住民の1人で、大分市の小坂正則さん(65)は「わたしたちは諦めません。今回の決定は通過点でしかない。原発を止めるまで最後までたたかいます」と話していました。