将棋の
藤井聡太二冠が
王将戦の
挑戦者を
決めるリーグの
初戦で
羽生善治九段に
敗れ、3つめの
タイトル挑戦に
向けた
戦いは
黒星スタートとなりました。
将棋の
八大タイトルの1つ「
王将戦」は、
予選のあと7
人の
総当たりによる「
挑戦者決定リーグ
戦」が
行われ、
優勝した
棋士はタイトルを
持つ渡辺明三冠への
挑戦権を
獲得します。
リーグ戦は22日開幕し、「棋聖」と「王位」に次いで3つめのタイトル挑戦を目指す藤井聡太二冠と、これまでのタイトル獲得数が歴代最多の通算99期に上る羽生善治九段が対局しました。
2人のこれまでの公式戦での対局は、未放送のテレビ棋戦を除いて藤井二冠の3勝0敗です。
対局は東京の将棋会館で午前10時から行われ、先手の藤井二冠は積極的な攻めを見せたものの羽生九段の的確な反撃に遭い、午後7時17分、80手までで投了に追い込まれました。
終局後、勝った羽生九段は「最後の詰めが見えて、やっと勝ちになったと思いました。藤井さんとの対戦については、今までほとんどチャンスらしいチャンスはなかったので、今回はよかったと思っています」と話していました。
一方、黒星スタートとなった藤井二冠は「組み立てがよくなかったのかなという気もしています。厳しいスタートにはなりましたけど、いい状態で次の対局に臨みたい」と気持ちを切り替えていました。
「王将戦」挑戦者決定リーグは11月まで行われる予定で、優勝した棋士は、例年どおりなら年明けから始まる七番勝負で渡辺三冠に挑みます。
去年はタイトル挑戦逃す
藤井聡太二冠は去年初めて王将戦の挑戦者決定リーグ戦に進み、4勝2敗の好成績を収めましたが、最終局に敗れて自身初のタイトル挑戦を逃しました。
ことしは予選を経ずにリーグ戦に登場しています。相手は全員、タイトル保持者か保持した経験のある強豪ぞろいです。
藤井二冠は羽生九段との対局のあと、これまで0勝5敗と苦手にしている豊島将之二冠、藤井二冠と練習対局を繰り返し手の内を知り尽くしている永瀬拓矢王座、名人をこれまで3期獲得している佐藤天彦九段、去年のリーグ戦の最終局で藤井二冠を破って挑戦者となった広瀬章人八段と対局し、最後に、先月、王位戦で藤井二冠にタイトルを奪われて「一から出直す」と雪辱を期す木村一基九段が立ちはだかります。
一方、羽生九段は、平成元年から積み上げてきたタイトルの獲得数が歴代最多の通算99期に上り、前人未到の「タイトル100期」に王手をかけています。
羽生九段は、来月から始まる竜王戦七番勝負への挑戦権を今月19日に獲得したばかりで、今回のリーグ戦を制すれば、竜王戦、王将戦とタイトル獲得のチャンスが続くことになります。